中国一番日本が二番…米のアジア地域諸国に対するパートナー意識の重要度推移をグラフ化してみる(2013年)(最新)

2013/12/20 20:00

外務省は2013年12月19日、アメリカ合衆国における対日世論調査の結果を発表した。それによると調査母体のうち一般人においては、アジア地域においてもっとも重要なパートナーと認識している国は、中国がトップで39%の回答を占めていることが分かった。次いで日本の35%、韓国の7%と続いている。有識者の場合は中国43%・日本39%の順となった。個々の国への選択理由については、日本が政治的、貿易・経済的結びつきの点が大きいのに対し、中国では圧倒的に貿易・経済関係を挙げる人が多数を占めている(【発表リリース:米国における対日世論調査(結果概要)(2013年)】)。

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アメリカにとってアジアで最も重要なパートナーの国は?


調査概要については先行記事【アメリカの日本への一般人信頼度76%・有識者は93%で過去最高値(2013年)(最新)】を参考のこと。

今調査全体は1960年以来ほぼ毎年実施しているが、今件項目は年代により選択肢が頻繁に入れ替わっていることもあり、対象年を区切った上でグラフを生成する。

まずは「アジア地域の中でどの国が、アメリカ・地域にとって最も重要なパートナーであるか」という設問に、択一で答えてもらった結果の推移がこちら。元資料には簡易グラフ化したものもあるが、未計測の年もあり、それに関するデータが記述されていないため、年が確定できる範囲で生成している。

↑ アジア地域の中でどの国が米国・地域にとり最も重要なパートナーであるか(一般人、択一)
↑ アジア地域の中でどの国が米国・地域にとり最も重要なパートナーであるか(一般人、択一)

↑ アジア地域の中でどの国が米国・地域にとり最も重要なパートナーであるか(有識者、択一)
↑ アジア地域の中でどの国が米国・地域にとり最も重要なパートナーであるか(有識者、択一)

一般人は2011年になって初めて、有識者では2010年に日中の逆転現象が起きた。これは中国の人口・資源を背景にした経済成長に伴う影響力の強化が一義的にある。1990年以降、とりわけ2000年前半以降の中国の値の伸びがそれを裏付けている。

ところが2012年になると、一般人では日中の立ち位置が再び逆転し、日本が上位につき、有識者でも順位の変化こそないものの両国の差は急激に縮まった。この変動の理由については、米中関係の変化(悪化)に伴い、相対的に日本への政治的側面での再評価が行われたもの、そして2011年3月に発生した東日本大地震・震災に伴う米軍の救援作戦「オペレーション・トモダチ」によるものと考えられる(2011年調査時点では震災関連の動きは反映されていない)。

直近の2013年では、中国の動きは一般では横ばい、有識者では大きな下落を示している。他方日本は一般人では大きく下落し、再びトップの座を中国に明け渡している。有識者ではほぼ横ばいで、中国との差は4%ポイントにまで縮小した。他方、一般人・有識者共に韓国が大きく伸びている。

中国と日本、アメリカが考える「パートナー認識の理由」は?


中国の値を押し上げた原因としては「経済成長に伴う影響力の強化」が想像できる。その裏付けを確認していくことにする。まずは一般人について、「日本」「中国」それぞれをベストパートナーとして選んだ回答者に、その理由を自由回答で答えてもらい、上位5位の推移を見たものが次のグラフ。日本は「政治的結びつき」「貿易・経済関係」が上位にあるのに対し、中国では以前は「国の特質(人口等)」が上位にあり、2000年前半以降は「貿易・経済関係」が大きく伸びている。特に直近2013年では異様なまでの上昇ぶりである。

↑ 「日本」と回答した理由(自由回答)(一般人)
↑ 「日本」と回答した理由(自由回答)(一般人)

↑ 「中国」と回答した理由(自由回答)(一般人)
↑ 「中国」と回答した理由(自由回答)(一般人)

日本においては、2013年では前年やや下がり気味だった「貿易・経済関係」が大きく持ち直し、「政治的結びつき」も上昇を続けている。また「国民性・文化」の上昇も見受けられる。他方「技術力」が2006年をピークに漸減し続けているのが気になる。

他方中国では各項目が横ばい、減少にあるのに対し、唯一「貿易・経済関係」が跳ね上がっている。要は多くの一般人に取り、中国がアジアでの最重要パートナーである理由は、経済関係に寄るところが大きいと見て良い。

有識者においても直近2013年分では一般人と大きな認識の違いは無い。

↑ 「日本」と回答した理由(自由回答)(有識者)
↑ 「日本」と回答した理由(自由回答)(有識者)

↑ 「中国」と回答した理由(自由回答)(有識者)
↑ 「中国」と回答した理由(自由回答)(有識者)

特に有識者の認識において、中国では2013年の「貿易・経済関係」の値が2倍以上に増加しており、同国の「経済成長に伴う影響力の強化」がアメリカにおける立ち位置の強化の裏付けであることが、改めて認識できる。同時に「政治的結びつき」も上昇しており、対北朝鮮関連での連携において、中国は欠かせない存在であるとの認識が、少なくとも2012年よりは増加したようだ。他方、2012年に大きく上昇した「技術力」の値は大きく下落しているのも目に留まる。多発した国内事故を受けてのものだろうか。

日本においては一般人同様、「技術力」の中期的な低下が気になる。他方、「政治的結びつき」「貿易・経済関係」、さらには「国民性・文化」の値が大きく跳ねている。とりわけ「貿易・経済関係」の大幅な伸びは、震災からの復興や経済の復調が成されつつあることを認識してのものが一因と考えられる(大きな理由は後述する通り、算出方法自身に問題が生じているのだが)。



先行記事「アメリカの日本への一般人信頼度76%・有識者は93%で過去最高値(2013年)(最新)」でも言及しているが、今回調査から調査会社が変更されたのに伴い、一部調査項目でこれまでとは異なるスタイルで調査が行われたことが確認されている(外務省自身にも追認で確認済み)。今項目では自由回答形式には変わりないものの、過去においては「もっとも該当しそうな項目”のみ”に各国を選んだ回答者を振り分け」た上で、それぞれの項目の該当者の比率を算出している。それに対し2013年においては「該当しそうな項目”すべて”に各国を選んだ回答者を各項目毎に振り分け」た上で、それぞれの項目該当者の比率を計算している。

つまり2012年までは単一回答スタイルでの結果であり、2013年は複数回答スタイルの結果が出ていることになる。例えば「政治的な結びつきが強いけど、貿易・経済関係もそれなりにあるかな」と回答した人は、2012年では「政治的な結びつき」のみ、2013年では「政治的結びつき」「貿易・経済関係」の双方でカウントされることになる。

一部項目、例えば中国の「貿易・経済関係」が飛び跳ね、日本も複数項目でイレギュラーと認識できるような大きな増加が見受けられる。しかしこれは多分にこのような設問の違いによるものであり、各国に対する認識の大きな変化とは言い難い。その点について、十分注意をした上で各データ・グラフを見てほしい。


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