四半期単位の更新公開でもトップはSBMで変わらず(2014年6月末携帯電話契約数)

2014/08/13 16:00

かつて電気通信事業者協会(TCA)が毎月月初に公開してきた、日本国内における携帯電話やPHSの契約数動向だが、【TCAの携帯電話事業者別契約数の動向、四半期ペースに変更へ】での解説にもある通り2014年4月分以降は四半期単位での更新、しかも各企業が四半期決算短信の発表の際に公知する値の取りまとめによるスタイルとなった。また確認した限りでは一部公開内容が省略されている、あるいは精度が荒くなった値もある。そこで今回(2014年6月末時点分)からは「上書きタイプ」の記事に変更し、やや簡略化した内容での状況解説を行うことにする。2014年6月末時点の携帯電話の契約数は主要3社合計で1億4106万4000件となり、前四半期比で1.1%のプラスを示した。純増数ではSBM(ソフトバンクモバイル)が55万7000件の増加で、主要3グループ中トップの座を確保することとなった。NTTドコモは46万0800件の増加に留まりSBMには及ばず、第3位のポジションについている(【発表リリース:事業者別契約数一覧】。ただし今回は各社の四半期決算短信資料を基に各値を抽出し、記事を構成している)。

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年度明けは各社ともやや落ち着きを取り戻す


2014年6月末時点の主なデータは次の通り。

・携帯電話3社全体……1億4106万4000件
・事業者別
 NTTドコモ……6356万6000件(+46万0800)
 au(KDDIなど)……4101万6000件(+49万4000)
 ソフトバンクモバイル……3648万2000件(+55万7000)
 ワイモバイル(イー・アクセス)……(非開示)

↑ 携帯電話契約件数(万台)(-2014年6月)
↑ 携帯電話契約件数(万台)(-2014年6月)

↑ 携帯電話契約件数(増減)(-2014年6月)
↑ 携帯電話契約件数(増減)(-2014年6月)

2013年は9月20日に発売を開始したiPhone 5c/sにおけるNTTドコモのiPhone販売参入が大きなニュースとなったが、2014年では上記にある通り、各社の契約者数における月次動向発表取りやめが一つ目の大きな動きといえる。説明によれば契約者数の動向自身にこれまでのような価値はあまり見られなくなったことや、それにも関わらず過度の競争を煽りかねないことを理由に挙げているが、NTTドコモのiPhone参入から間もなく方針変換が成されたことから、業界全体の内情を色々と推測する筋もある。また四半期単位の発表シフトに伴い、MNP(ナンバーポータビリティ)の関連値も完全に非公開化され(一部企業は公知しているが)、流れの把握が不可能となっている。

各社動向を公開が四半期単位に変更後も同一グラフ内で示しているため、ややアンバランスな状態となってはいるが、元々4月から6月は例年閑散期にあたるため、3か月分の増減でも大いに盛り上がりを見せる年度末(3月)の単月分とさほど変わらない値に留まってる。恐らくは同様の動きがもう2四半期続き、3月を含む1月から3月期では大いに盛り上がりを見せるのだろう。

単純な比較はややリスクがあるが、前年の同四半期の増減を月単位の増減数から試算して前年同四半期比を算出すると、NTTドコモはプラス37万3600件、auはマイナス17万4700件、SBMはマイナス25万3500件となる。業界全体がやや落ち着きを見せるのと共に、auとSBMが多少後退した分をNTTドコモが確保したような形となっている。

↑ 携帯電話契約件数(増減)(2014年4月-6月期、前年同期比、件数)
↑ 携帯電話契約件数(増減)(2014年4月-6月期、前年同期比、件数)

三社間のシェア現状


上記にある通りMNPについては完全に非公開化されたこともあり、動向が確認できなくなっている。この非公開化でも、携帯事業者各社が契約者数動向に対するウェイトを大きく減じる姿勢を示したことが分かる。

一方契約数そのものは公開が継続されており、それを基に3社間のシェアに関する現状を算出したのが次のグラフとなる。

↑ 2014年6月時点での3社間契約者数比率
↑ 2014年6月時点での3社間契約者数比率

NTTドコモが最大数を維持しているのは以前から変わりないが、過半数はすでに割っており、SBMとauが合わさればNTTドコモを超える値を示す状況に至っている。四半期前の状況と比較すると、NTTドコモがマイナス0.1%ポイント、auがプラス0.1%ポイント、SBMがプラス0.2%ポイント(小数点第2位以下は四捨五入のため、合わせてゼロにはならない)と、NTTドコモの縮退とau・SBMの伸長の状況は続いている。上記にある通り、iPhoneの取り扱い開始でNTTドコモも以前ほど他2社に後れをとるような状況では無くなっているものの、今なおシェアの観点ではNTTドコモにとって厳しい状態が続いている。



契約者数動向が四半期単位への公開へと変更されたことで、新機種動向との連動推移観測も難しくなり、単純に数字を追いかけるだけとなったこと、加えて公開・取得可能な値も減少したことから、記事の記述様式も簡略化せざるを得なくなった。

各社とも品質の向上化や料金体系の魅力底上げ、さらには多様なスマートフォンの利用形態の提案など、多方面でのアピールを行い、自社への集客を推し進めている。単純に契約者数だけですう勢を推し量るのは難しい、あまり意味が無いとする各社の主張も理解できなくはない。

他方選択肢の増加に伴い、初心者が色々と頭を痛める状況は増え、必要のない機能や契約を付随させられてしまう事案も増えている。今後従来型携帯電話からスマートフォンへのシフトが進む、特に中堅層以降に広まるに連れ、問題はさらに増加するだろう。

今件の「携帯電話契約件数」も「重要な各社の勢力動向を示す指数」から「各社の勢力動向を示す指数の一つ」程度にまでウェイトが下がった感は否めないが、値が公開され続ける限り、継続してその動向を追いかけることにしよう。


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