3年で中卒者は6割強、高卒者は4割近くが離職…学歴別・就職後の離職状況をグラフ化してみる(2014年)

2014/06/10 15:00

内閣府では2014年6月4日に2014年版となる「子ども・若者白書(旧青少年白書)」を発表した。その白書においては、主に若年層に関する公的調査の結果を取りまとめ、多方面から若年層の実態を分析している。今回はその中から、無事に就職を果たした後の仕事先からの離職率(見方を変えれば「職場定着率」)の推移について見て行くことにする。就職率、失業率とはまた別の視点で、若年層の就労実態を知ることが出来る結果が出ている(【発表リリース:子ども・若者白書(旧青少年白書)について】)。

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「定年まで一つの会社に継続勤務」「年功序列制」が日本の雇用体系の常で無くなってから久しいが、現時点でも「正社員」ならばその多くは通用しうる(ただしこれからもそれが続くか否かは分からない)。しかし一方で無事に就職を果たせても、短期間で離職してしまう人も少なからずいる。

↑ 最終卒業学校、初めて就職した会社に現在も勤務しているかどうか別、若年労働者割合(調査時点で在学していない者のみ))
↑ 最終卒業学校、初めて就職した会社に現在も勤務しているかどうか別、若年労働者割合(調査時点で在学していない者のみ)(2009年時点、【30歳前半の働き人、三人に二人は転職経験あり】から再録)

今件項目では学校を卒業した直後に就職した人に限定し、就職後3年間における離職率動向を提示している。白書が元にしている【厚生労働省の「若年者雇用関連データ」】も合わせ、最新のデータを反映させた上で、中学卒・高校卒・大学卒における「3年以内の離職率動向」を示したのが次のグラフ。縦軸はあえて全学歴で区切りを揃えてあり、学歴による差異をつかみやすくしている。

↑ 在職期間別離職率の推移(中学校卒業者)
↑ 在職期間別離職率の推移(中学校卒業者)

↑ 在職期間別離職率の推移(高等学校卒業者)
↑ 在職期間別離職率の推移(高等学校卒業者)

↑ 在職期間別離職率の推移(大学卒業者)
↑ 在職期間別離職率の推移(大学卒業者)

現時点では2012年分は1年目、2011年分は1・2年分までしかデータが無い。そのため右端部分がやや変則的な形となっている。大まかな全容としては
・離職率は 中卒>>高卒>>大卒 で、中卒の離職率が一番高い。
・大卒は1年目、2年目、3年目における離職率にさほど差異は無いものの、中卒や高卒は1年目における離職率が高い。
・中卒は1年目で4割強ほどが辞めてしまう。
・今世紀に入ってからの離職率は逓減傾向にあったが、2010年以降は高校及び大学で増加が確認できる。
・2011年は中卒のみ有意に上昇している。震災起因の離職が主に中卒者内で生じた可能性の示唆。

などとまとめられる。各種別記事にある通り、概して学歴が低いほど失業率は高く、そして就職できても正社員としての雇用率は低い傾向にある。さらに離職率も高いとなれば、学歴による就職回りのハードルの差異は非常に大きなものと考えてよい。

↑ 年齢階級・最終卒業学校、就業形態別若年労働者割合(調査時点で在学していない者のみ)
↑ 年齢階級・最終卒業学校、就業形態別若年労働者割合(調査時点で在学していない者のみ)(2009年時点)(【大卒正社員率は82.7%…学歴や年齢別の若者労働者の正社員・非正社員割合をグラフ化してみる】(現時点でこれが最新)から再録)

中卒、そして高卒者における1年目の離職率が高いのも、雇用する会社側から見て解雇しやすい非正規社員だからと考えれば、道理が通る。「労働流動性の高さを反映したもの」と表現すれば聞えは良いが、(無論自主的離職も少なくないものの)解雇される立場からすれば気分の良いものではない。企業そのものの存続が前提になるが、中卒者の3年定着率が4割足らず、高卒でも6割強、大卒ですら7割足らずという実態は、覚えておく価値のある値ではある。



参考として3年目までの離職者を総計したグラフを作成しておく。

↑ 在職期間別離職率の推移(中学校・高等学校・大学卒業者)(3年目までの総計)(2011年は1年目と2年目、2012年は1年目のみ)
↑ 在職期間別離職率の推移(中学校・高等学校・大学卒業者)(3年目までの総計)(2011年は1年目と2年目、2012年は1年目のみ)

概して離職率は景気と反比例する傾向を見せている。これは「不景気≒再就職困難≒離職を断念する(離職検討理由を我慢する)」という流れによるもの。その観点で見ると、大卒者の視点ではバブル崩壊後の1990年代前半ほどではないものの、中卒・高卒者の立ち位置ではすでにその領域に到達・超していることが分かる。一方、上記にもある通り、2010年以降は(初年分のみだが)やや離職率が上昇する動きもある。ただし2011年の震災というイレギュラー的な要素もあるため、この数年は不確定な動きを示す可能性は否定できない。

来年以降の値がどのような変移を遂げるのか。非常に気になるところだ。


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