弱肉強食と弱者保護、日本社会はどちらを重視すべきか(最新)

2022/07/14 02:54

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2022-0624完全な平等社会はいわゆる「ディストピア」的なものとなりかねず、一方で自由放任な競争社会を容認すると弱肉強食、アニメや映画の世紀末伝説的な情景が現実のものとなりかねない。人の社会が健全な安定と成長を維持していくためには、両者の程よいバランスが求められる。それでは日本では「自由競争できる社会」「弱い立場の人々を保護」のどちらを重視すべきと世間一般では考えられているのだろうか。統計数理研究所・国民性調査委員会による定点観測的調査【日本人の国民性】から、その現状を見ていくことにする。

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調査方法などは今調査に関する先行記事【「若者は自分勝手で他人より自分のことばかり」は本当か(最新)】を参照のこと。

今件精査項目は今後の日本社会のあり方について質問している。2つの選択肢「自由に競争できる社会にすることが、もっと必要だと思う」「弱い立場の人々を保護することが、もっと必要だと思う」を挙げ、どちらの意見に賛成かを尋ねたものだが、次のグラフはそのうち前者、自由競争・弱肉強食を回答した割合。回答は3調査分のみ。そして「その他」「無回答」は数%ずつしかなく、今グラフに記載されていない弱者保護的な考え方は、実質的に残りの部分だと思えばよい。例えば2018年における自由競争回答者は全体で31%とあるが、弱者保護は63%に達している。

ただし年齢階層別などの詳細属性別の値は、現時点で直近2018年分の値が開示されておらず、前回の2013年分までの値の動向を示したものとなる(問い合わせ中)。

↑ 日本の社会のこれからのあり方について自分の考えはどちらに近いか「自由競争できる社会」「弱い立場の人々を保護」(「自由競争」回答値、年齢階層別)
↑ 日本の社会のこれからのあり方について自分の考えはどちらに近いか「自由競争できる社会」「弱い立場の人々を保護」(「自由競争」回答値、年齢階層別)

直近の2018年では全体値は31%。2013年も同じ31%なことから、恐らく年齢階層別の動向も似たようなものとなっているのだろう。

2013年分を見ると、30代が自由競争容認派がもっとも多くなるが、それでも4割にとどまっている。日本ではおおよそ社会のあり方として弱者保護を推し進めるべきだとの意見が強いようだ。そして一部イレギュラーがあるものの、歳を重ねるに連れて自由競争派が減る=弱者保護派が増えていく。これは5年前の2008年の傾向とさほど変わりがなく、世代ベースでの認識とは別で、回答者自身の年齢に寄るところが大きそうだ。つまり歳を重ねるに連れて身体的な面などでの弱体化を自覚し、だからこそ自らを保護して欲しいとの意見が増えるという次第。

一方で年齢階層別動向が分かる最新の2013年分と、その5年前の2008年分の結果を比べると、一様に自由競争派が増えているのが分かる。当然その分、弱者保護派は減っている。高齢層でも増えていることから、社会全体として自由競争を推し進めるべきだとの意見が高まりを見せていると見た方が無難ではある。それでもなお、弱者保護派が多数派なのに違いはないのだが。

なお学歴別でみると、当然のごとく高学歴の方が自由競争派の値は高い。自らの経歴・スキルを活かすには自由競争の方が都合はよく、むしろそのために勉学を積み重ねてきた人も多いからである。

↑ 日本の社会のこれからのあり方について自分の考えはどちらに近いか「自由競争できる社会」「弱い立場の人々を保護」(「自由競争」回答値、学歴別)
↑ 日本の社会のこれからのあり方について自分の考えはどちらに近いか「自由競争できる社会」「弱い立場の人々を保護」(「自由競争」回答値、学歴別)

とはいえ、年齢階層の別なく5年前の2008年と比べて2013年では自由競争派が増えていることもあり、学歴別の上昇ぶりも大きな変化は(%ポイントの上では)見られない。



今件はあくまでも概念的な二択で、具体的な事例を挙げれば回答傾向は大きな違いを示すことは容易に想像できる。他方、社会全般的に自由競争の一層の容認によって、活力を見出そうとする気概を覚えることはできよう。


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