東京への一極集中どう思う? 高齢者ほど「良くないね」の意見増加

2014/10/30 08:31

デジタル化の進行は地方の活性化をうながす一要因となるはずだか、それ以上に高齢化に伴う行動範囲の短縮などの影響が大きく、また人口減少による利用者の減退に伴うコストパフォーマンスの低迷で公共・私設を問わず各機関が閉鎖、縮小化するのに合わせ、人口や各種機能の都市部への集中化、極端にいえば東京への一極化が進んでいる。このような状況について一般市民はどのような意見を抱いているのだろうか。内閣府大臣官房政府広報室が2014年10月20日に発表した「日本の将来像に関する世論調査の結果」を元に、確認していくことにする(【発表リリース:人口、経済社会等の日本の将来像に関する世論調査】)。

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半数は「望ましくない」東京一極集中化


調査要件は先行記事の【歳を経るほど「日本は成長しなくてもいいヤ」「縮小もアリだね」と思う人が増える現実】を参考のこと。

冒頭で解説したように、人口の減少や高齢化に伴い、東京への一極集中化が進む状況に関して、どのような感想を抱いているか、回答者個人の意見を聞いたところ、ほぼ半数は「(現状ですら)望ましくない」とする意見で占められる形となった。

↑ 地方から東京への人口移動が続き、様々な機能の東京への集中が進んでいるが、どのように思うか(2014年、択一)
↑ 地方から東京への人口移動が続き、様々な機能の東京への集中が進んでいるが、どのように思うか(2014年、択一)

現状の集中度合いですら望ましくなく、より分散した状況を望む意見が大よそ半分。次いで多いのは「各人が決めるべき」で3割。他人や行政による指図では無く、個人個人の考えで集中や分散は決められるべきだとし、個人の意図を尊重するというもの。一方、現状程度の集中が望ましいとする意見は16%程度、さらなる集中が望ましいとの意見は2%強でしかない。

男女の差異はほとんどない。あえていえば各人の自由に任せるとの意見がやや多く、何らかの方向性を示す意見がやや少なめといった感はある。

歳を経るほど分散思考


これを属性別に仕切り直して状況を確認したのが次以降のグラフ。まず回答者の世代別だが、「(現状の集中度ですら)望ましくない」とする意見は、20代では1/3強に留まっているのに対し、60代を超えると過半数に達する結果が出ている。

↑ 地方から東京への人口移動が続き、様々な機能の東京への集中が進んでいるが、どのように思うか(2014年、択一)(世代別)
↑ 地方から東京への人口移動が続き、様々な機能の東京への集中が進んでいるが、どのように思うか(2014年、択一)(世代別)

概して高齢者ほど集中化や自由放任を嫌い、現状よりも各種機能や人口の分散を望んでいる。ここまできれいな形で世代間ギャップが明らかになる調査項目も珍しい。

若年層では逆に集中化を望んでいるかといえばそうでは無く、現状維持、さらには各人の自由に任せるべきで、何らかの規制などによる誘導をすべきではないとする意見が強くなる。特に20代では「各人が決めるべき」の選択肢への回答率がもっとも高い。

興味深いのは居住地域別。

↑ 地方から東京への人口移動が続き、様々な機能の東京への集中が進んでいるが、どのように思うか(2014年、択一)(都市規模別)
↑ 地方から東京への人口移動が続き、様々な機能の東京への集中が進んでいるが、どのように思うか(2014年、択一)(都市規模別)

都市部居住者はその恩恵を受けていることから、現状維持、さらには今以上の集中化を望みそうな想像が出来るのだが、現実には「望ましくない」との意見が多数を占めている。しかも都市規模別での差異がほとんどない。もっとも差異が無いのは他の選択肢も同様で、かろうじて「現状維持が望ましい」の選択肢でわずかに大都市圏ほど回答率が高い結果が見受けられる。とはいえほとんど誤差に近く、「望ましくない」「各人が決めるべき」の回答率の高さの前には霞んでしまいそうな位である。



各種機能や人口の集中化は、該当地区に居住する人の便宜性を高めてくれるものの、その他地域の便益は相対的に下落し、さらにリスク管理の点では「一つのかごにすべての卵を盛る」形となり、好ましい状況とは言い難い。一方で冒頭でも触れている通り、人口の減少状況が続いている以上、すべての地域で同様のサービス提供(公私を問わず)を成すにはリソースが不足する。

大まかな戦略としての選択肢はいくつか想定できるが、今件の調査項目「東京への一極集中を是とするか否か」もまた、その選択の一つ。少なくとも今調査に限れば、その選択肢を望む人は少数のようだ。


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