日本経済の活力維持、どうすれば出来るのだろうか?

2014/10/29 15:13

先行記事【少子化で生じる重要なマイナス影響、何だと思う?】などで解説の通り、日本の少子化・高齢化に伴う人口減少により、労働人口の絶対数や全人口比率が減少していくに連れ、扶養人口への負担増なども合わせ、日本経済の活力の減退が懸念されている。経済の衰退は社会の混乱なども容易に導くことから、これを望む人はおらず、早期の抜本的な対策が望まれている。その対策としてどのような施策が政府に求められているのだろうか。内閣府大臣官房政府広報室が2014年10月20日に発表した「日本の将来像に関する世論調査」の結果から、その対策の方向性について見ていくことにする(【発表リリース:人口、経済社会等の日本の将来像に関する世論調査】)。

スポンサードリンク


全体では「女性が働きやすい環境作り」が求められている


今調査の調査要件は先行記事の【歳を経るほど「日本は成長しなくてもいいヤ」「縮小もアリだね」と思う人が増える現実】を参考のこと。

冒頭の通り、人口減少、特に労働人口の減退に伴う日本経済の活力の低下を回避するため、政府にしてほしいと考えている対策について、複数回答で聞いた結果が次のグラフ。全体では「女性が働きやすい環境作り」の回答率がもっとも高く60.8%に達していた。

↑ 将来、労働人口が減少した場合、日本経済の活力を維持していくために、政府はどのような対策を講じるべきと思うか(2014年)(複数回答)
↑ 将来、労働人口が減少した場合、日本経済の活力を維持していくために、政府はどのような対策を講じるべきと思うか(2014年)(複数回答)

次いで多い回答率を示したのは「子供を産みやすく育てやすい環境の整備」で60.2%とほぼ同率。さらにほぼ同率の59.8%で「高齢者が働きやすい環境作り」が続き、この3項目がほぼ横並びの結果となっている。もっとも男女別では女性・子供向け整備が女性の回答率が高いのに対し、高齢者向けでは男女に差異がほとんど生じておらず、身近にある問題への関心、要望が強いことがうかがえる。それに続く回答としては、「さまざまな事情で働けない人が労働参加できる環境整備」゜技術革新等による生産性向上」が続いている。

昨今の日本の労働市場では労働力、というよりは労働人材の不足が懸念材料であることから、女性や高齢者、さらには従来働けなかった人たちの才覚を見出し、適材適所に配することができるような、マッチングの仕組みをより整備することが肝要と思われる。もちろん各種法の整備も欠かせない。同時に特に女性が働きやすい環境にも連動し、さらに中長期的な視点においても、子供の養育がよりハードルの低くなるような施策も求められよう。

一方で一部経済団体などが推挙している「労働力確保のための外国からの労働者受け入れ」については、男女とも回答率は低めに留まっている。特に女性の回答率は1割を切り、拒否反応が強いようだ。

世代別に見ると……


これを回答者の世代別に仕切り分けをし直した結果が次のグラフ。

↑ 将来、労働人口が減少した場合、日本経済の活力を維持していくために、政府はどのような対策を講じるべきと思うか(2014年)(複数回答)(世代別)
↑ 将来、労働人口が減少した場合、日本経済の活力を維持していくために、政府はどのような対策を講じるべきと思うか(2014年)(複数回答)(世代別)

このタイプの社会保障・環境整備の施策要望に係わる調査では、回答者になじみの深い、関係のある項目に高い関心が集まる傾向がある。その点では70歳以上で「子供を産みやすく育てやすい環境整備」の値が飛びきり下がっているのも不思議ではない。また「様々な事情で働けない人が労働参加できる環境整備」の項目で若年層が一様に高い値を示している点は、この世代における問題意識の高さを認識することができる。

一方、「高齢者が働きやすい環境作り」は意外にも40代の回答率が一番高い。当事者に近い60代以降よりも高い値を示しているのは、自分が該当世代に近づいたことを受けての焦りが多分にあるのかもしれない。



今件調査項目の結果からは、女性と高齢者が適切な能力を発揮できる場の提供、マッチングや、育児環境の整備が大いに求められていることを再確認させる。無論単に就労する・させるだけではなく、適切な報酬が与えられ、費用対効果の面で離職を選ぶことなく、働き続けることができる場であることが前提となる。

一方で技術革新などによる生産性向上や、外国からの労働者受け入れへの賛同意見は少ないことから、経済活力の維持においては、性別や年齢を超えた有効な人材の活用を優先する考えが強いようである。


■関連記事:
【ナルホド納得、女性の「働きやすい環境」トップは「休暇を取りやすい」】
【就労経験ありの子供持ち女性の3割強は「妊娠・出産を機に退職」】
【景気ウォッチャーの指標動向から消費税率改定後の景気行き先を推し量ってみる】
【政府への要望、社会保障に景気対策】

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2016 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー