コンビニの出版物販売額をグラフ化してみる(番外編)(2013年)

2013/10/16 14:00

先に【コンビニの出版物販売額をグラフ化してみる(前編:各社編)】【コンビニの出版物販売額をグラフ化してみる(後編:全体編)】で、日販による『出版物販売額の実態』最新版(2013年版)のデータを基に、コンビニ(コンビニエンスストア)における出版物の販売動向の精査を行った。今回はそれらの記事に続く番外編的なポジションとして、コンビニ毎の経年推移を確認し、状況の変化を推し量ることにした。

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先程の「コンビニの出版物販売額をグラフ化してみる(前編:各社編)」で解説した通り、コンビニでの出版物取扱額は漸減傾向にある。

↑ コンビニにおける出版物売上高(総売上高1000億円以上、2011年-2012年、億円)(再録)
↑ コンビニにおける出版物売上高(総売上高1000億円以上、2011年-2012年、億円)(再録)

この額と、コンビニ全体の売上そのものに対する比率の推移を、もう少しチェック範囲を広げて確認するのが今記事の主旨。とはいえ、値が記録されている『出版物販売額の実態』はまだ当方(不破)の手元に4冊(=4年分)しかないため、都合4年分、つまり2009年-2012年の推移となる。

まずは金額そのものの変化。上記グラフに過去のデータを足した形となる。また、以前の記事にあったスリーエフは、直近の2012年では総売上高が1000億円を切ったため、今件からは除外されていることに注意(元資料ではデータは記載されている)。

↑ 主要コンビニの出版物取扱額(億円)
↑ 主要コンビニの出版物取扱額(億円)

額面の大小はあれど、掲載したすべてのコンビニで継続的な減少を示している。一見すると特にローソンの減り方が顕著。そこで2009年から2012年における減少率を計算し、グラフ化した。
↑ 主要コンビニの出版物取扱額変移(2009年から2012年)
↑ 主要コンビニの出版物取扱額変移(2009年から2012年)

ファミリーマートがわずか1割程度の減少に留まっているのに対し、ローソンは3割を超える減少。単なる偶然とは考えにくく、各コンビニにおける戦略の違いが値として出ているものと考えられる。ちなみに両社とも「一番くじ」やタイアップ商品の展開など、エンタメ系素材との共同企画には積極的で、出版物をそこに絡めるか否かの姿勢が一因にあるようだ。

一方で各コンビニの売上高全体に占める出版物売上高比率を計算すると、違った側面が見えてくる。

↑ 主要コンビニの売上高全体に占める出版物取扱い額比率推移(額面)
↑ 主要コンビニの売上高全体に占める出版物取扱い額比率推移(額面)

どのコンビニでも取扱額比率が一様に減少している。元々低いセイコーマートはともかく、その他大手のコンビニでは、額面の減少ぶりと比較すると、コンビニ間の差異があまりないように見える。

そこで比率の減退状況を算出したのが次のグラフ。元の値が小数点1ケタまでしかなく、その値を用いているため、多少のぶれが懸念されるが、概算的な動きは把握できる。
↑ 主要コンビニの売上高全体に占める出版物取扱い額比率変移(2009年から2012年)
↑ 主要コンビニの売上高全体に占める出版物取扱い額比率変移(2009年から2012年)

額面そのものでは大きな減退ぶりを見せていたローソンも、売上高全体比率で見れば他コンビニとの違いはあまり無い。多くのコンビニが3割前後の下げ幅を示しているが、デイリーヤマザキがマイナス18%に留まっているのが逆に目立つほど。

つまり「コンビニの出版物販売動向は、そのコンビニの売上高全体に占める比率の縮小率で見れば、どのコンビニも大きな違いは無く、一様に減りつつある」(一部例外あり)と見て良い。コンビニにおける印刷物の額面上でのシェア縮小は、特定コンビニにおける現象では無く、コンビニ全体の流れという次第である。

ちなみに今年では除外されてしまったスリーエフだが、同社の営業方針により出版物の取り扱いは比較的盛況で、他社と比べれば低下率は大人しいものの、取扱額、売り上げ全体シェア共に減少をしているのが確認できる。出版不況においては、コンビニ側の積極姿勢・工夫ですら、底上げするまでには至らないということか。



コンビニから出版物が完全に無くなることは考えにくい。展示物として、そして立ち読み客の存在による外部からの見た目による集客効果は、出版物ならではのもの。一方でコンビニの立ち位置の変化(今まで以上の多様化、地域密着型店舗化、マルチメディア化)を見ると、今後さらに出版物の取扱額が減少する可能性は多分にある。また「集客効果」ですら、最近ではコンビニ内で販売される淹れたてコーヒーと、それをたしなむためのイートインコーナーに代替される場面も出てきている。

「時代の流れ、変化」という言葉で片付けるには少々もの悲しい部分もあるが、事実として受け止めねばなるまい。


※各グラフで最新年度以外の数字が表記されていませんが、これは資料提供側の指示によるものです。何卒ご理解ください

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