駅売店などの出版物販売動向をグラフ化してみる(2013年)

2013/10/15 08:00

電車内での時間潰しの主役が雑誌や書籍などの出版物から携帯音楽端末やスマートフォンなどの携帯電話に代わりつつあるものの、いまなお駅売店で雑誌などを購入する機会は少なくない。そこで今回は、駅売店とスタンドの出版物の販売状況について、日販の『出版物販売額の実態』最新版(2013年版)を元に状況を確認すると共に、その変化を精査していくことにした。

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まずは駅売店とスタンドのみを抽出した、販売ルート別推定出版物販売額をグラフ化する。全体版は以前の記事【出版物の売り場毎の販売額推移をグラフ化してみる】で記した通り。

↑ 販売ルート別推定出版物販売額(駅売店・スタンドのみ、億円)
↑ 販売ルート別推定出版物販売額(駅売店・スタンドのみ、億円)

元々スタンド売りの方が額面が小さいのも一因だが、駅売店の下落ぶりが大きい様子が一層目立ってしまうグラフとなっている。とはいえ、スタンド売りも規模を縮小していることに違いはない。

さて続いて、これを積上げグラフの形にしたのが次の図。

↑ 販売ルート別推定出版物販売額(駅売店・スタンド)
↑ 販売ルート別推定出版物販売額(駅売店・スタンド)

減少額・減少率共に駅売店売りの方が大きいため、両者を合わせた額におけるスタンドの存在感が年々増している(概算すると2002年度時は双方合わせた額に対するスタンドの割合は24%、それが2012年度では28%強にまで増加)。とはいえ、両者共額を減らしており、早急な手を打つべき事態であることに違いは無い。

駅売店の場合は店員のなり手が少なく(レジが無いため在庫管理が不十分との指摘からレジを導入すると共に、ベテランの正社員店員をパートに切り替えたところ、パート店員の質が安定せずに客をさばききれず売上が減退、そのためセルフレジの導入を促進しているという話もある。【参考:キヨスク180店休業中 ベテラン店員去り人手不足】参照のこと)、一方で鉄道利用客数に大きな変化は無い。それどころか最近では増加の動きすら見られる。

↑ 鉄・軌道旅客数量(のべ、億人。国土交通省・鉄道輸送統計調査から作成)
↑ 鉄・軌道旅客数量(のべ、億人。国土交通省・鉄道輸送統計調査から作成)

結果として売店の開店時間の調整をしなければならない状態が続いている。これでは駅売店で出版物の売り上げを伸ばすというのも無理なお話。

なおこの事態を打開するため、最近では鉄道会社とコンビニ各社が提携を結び、駅構内に独自のコンビニを展開するという事例も見受けられるようになった。【近鉄の駅ナカ売店など、ファミリーマートに転換へ】で紹介した「TOMONY」が良い例である。



駅売店での販売額減少の最大の原因は、冒頭でも触れた通り電車内での時間の過ごし方が大きく変化したのが要因。電車内での時間を有意義に、少なくとも暇なまま過ごすことの無いよう、駅売店で雑誌などを購入したものだが、最近では自前の携帯電話でソーシャルメディアへアクセスしたり、ゲームで遊んだり、ニュースを確認するなど、多種多様の有意義な時間消費ができるため、駅売店での出版物購入の必要性が低下している。

↑ 一人で電車に乗っている時、何をしているか(複数回答)
↑ 一人で電車に乗っている時、何をしているか(複数回答)。【男性読書、女性は? …男女で異なる「電車乗車時にしていること」】から再録

上記で挙げた運営戦略上のミスの他に、電車利用者の行動性向の変化が需要と供給のバランスを崩し、駅売店数を減らし、販売機会が減ることでさらに販売額は減少していく。時代の流れとはいえ、少々もの悲しいところがあるのも否めない。


■関連記事:
【「駅の売店では新聞・雑誌が売れないらしい」を確かめてみる】

※各グラフで最新年度以外の数字が表記されていませんが、これは資料提供側の指示によるものです。何卒ご理解ください

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