「テレビを観ながらインターネットをする」はどこまで浸透しているのだろうか(最新)

2019/11/06 05:14

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2019-1028最近では双方向性のテレビ受像機による番組も提供される機会が増えてきたが、今でもテレビ(放送)はそのほとんどが一方向性、視聴者は放送される番組を観るだけの「提供される」タイプのメディアであることに変わりは無い。直接のリアクションを求められないことから、いわゆる「ながら」行為が容易なメディアでもある。その特性を活かし、食事をしたり雑誌や新聞を読みながらテレビを観るスタイルも数多く見受けられたが、昨今では携帯電話(従来型携帯電話とスマートフォンの双方を含む。以下同)などを用いた「テレビを観ながらインターネットをする」様式が増えており、それを前提としたビジネスや構成の番組も登場するようになった。それでは実際に、テレビのリアルタイムでの視聴とインターネットを併用した利用はどれほどまでに行われているのだろうか。情報通信政策研究所が2019年9月13日に発表した「平成30年度 情報メディアの利用時間と情報行動に関する調査」から確認をしていくことにする(【情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査】)。

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テレビ観ながらインターネットな人はどれぐらい、どの時間帯に


調査要項などは今調査に関する先行記事【主要メディアの利用時間をグラフ化してみる】を参考のこと。また今件において「テレビ(生)」とはテレビ(テレビ受像機に限らず、パソコンのチューナー接続によるものや、モバイル端末でのワンセグ視聴も含む。要はテレビ番組の視聴)で番組を放送中に視聴すること、「インターネット利用」とは機種・用途を問わずインターネットを使ったサービスを活用することを意味する。

先行する記事の通り、テレビの行為者(連続して10分以上の利用)率は朝食時、昼食時、夕食時とその後の3つの時間帯でピークが生じる。

↑ テレビ(生)の時間帯別行為者率(平日、年齢階層別)(2018年)(再録)
↑ テレビ(生)の時間帯別行為者率(平日、年齢階層別)(2018年)(再録)

それでは冒頭で触れたように、テレビ番組と相性がよいと言われているインターネットの利用を「併用」している、つまり「テレビ視聴とインターネット利用の並行行為」者率、言い換えれば「テレビ番組を観ながらネットを使っている」人の割合はどのような推移を示しているのだろうか。それぞれの時間帯の全体比を、年齢階層別で見たのが次のグラフ。当然、まずはテレビを観ていなければ回答には該当しないので、テレビ行為者率そのものの変移と大きな連動性が生じる。

↑ テレビのリアルタイム視聴とインターネット利用の並行行為者率(平日、年齢階層別)(2018年)
↑ テレビのリアルタイム視聴とインターネット利用の並行行為者率(平日、年齢階層別)(2018年)

↑ テレビのリアルタイム視聴とインターネット利用の並行行為者率(休日、年齢階層別)(2018年)
↑ テレビのリアルタイム視聴とインターネット利用の並行行為者率(休日、年齢階層別)(2018年)

まずは平日。全体的な流れとして3つのピーク時間帯が生じる動きに変わりは無い。一方でテレビ視聴そのものは若年層よりもむしろ高齢層の方が高い行為者率を示しているが、インターネットを利用する割合が低いことから、高齢層の並行行為者率は低め。むしろ若年層の方が高い値を示している。若年層におけるテレビとインターネットの相性のよさがうかがえる。

またよく中身を見ると、10代はお昼時は学校にいることが多いために低めにとどまるが、朝と夕方以降夕食前、そして夜は高め。朝は50代までが押しなべて高い値が出るが、夜は20代から40代で突出する傾向が見えているのが興味深い。特に40代は朝昼晩と積極的に「テレビを観ながらインターネット」なのがうかがえる。

休日となると、就学・就業のしばりが無くなり、テレビ視聴そのものの自由度も高まることから、「ながら利用」の値も大きく変化する。午前中では朝食時のピークが1-2時間ほど後ろにずれる。

午後に入るとテレビ視聴そのものが減ることもあり、並行行為者率も減る。そして夜半は夕食時とそれ以降に高い値を示すものの、ピーク時間帯は突出しており継続することなく値が落ちていく。10代は19時台、20-30代と50-60代は20時台、40代のみが21時台と明確にピークが生じているのは興味深い。ただし年齢階層とピーク時間帯との関連性は無さそうだ。翌日が平日となるため、早寝をしなければならない10代のピーク時間帯が早めになっているという程度か。

テレビ鑑賞者のうちどれぐらいの人がインターネットを?


それでは全体に占める「テレビ観ながらインターネット」率では無く、「テレビを観ている人のうち、インターネットも同時にしている人の比率」はどれぐらいなのだろうか。いわばテレビの「インターネットながら率」ともいえるこの値だが、そもそも論としてインターネットを利用していなければ「ながら利用」は不可能なため、若年層の方が高い値を示している。またテレビ・インターネットそれぞれの行為者率が低い時間帯では誤差が大きくなることから、2018年分は双方の値が高めに出る19時台から22時台限定での値のみが公開されている。

↑ テレビのリアルタイム視聴にインターネット並行利用が占める割合(平日、年齢階層別)(2018年)
↑ テレビのリアルタイム視聴にインターネット並行利用が占める割合(平日、年齢階層別)(2018年)

↑ テレビのリアルタイム視聴にインターネット並行利用が占める割合(休日、年齢階層別)(2018年)
↑ テレビのリアルタイム視聴にインターネット並行利用が占める割合(休日、年齢階層別)(2018年)

おおよそ「若年層ほど高い値」「高齢層ほど低い値」との傾向がある。10代がやや低めなのは、インターネット利用端末を持っていない場合があるため(今件調査の10代における下限年齢は13歳)。直上の通りインターネットの利用機会の多い少ないも一因だが、テレビとインターネットの相性は年齢階層の全体人数に占める割合だけで無く、テレビの観賞者に限った割合においても、若年層の方が相性はよいようだ。いわゆるテレビ視聴の「実況」が若年層に流行っていることを裏付ける材料の一つとして挙げられよう。

また見方を変えると、50代以降はテレビ視聴の際にインターネットを併用することはあまりなく、テレビに集中していることになる。ライフスタイルのギャップの一様式といえるかもしれない。



テレビとインターネットの相性のよさを認識してか、最近では生放送などで連動企画の類をよく見かけるようになった。現在はまだ試行錯誤の雰囲気が強いが、賢明な企画によって視聴者の関心を引く構成を創り上げることができれば、双方のメディアの特性を活かし、大いに盛り上がりを見せることになるだろう。

特にテレビ離れが進んでいると言われている若年層への効果が期待できることから、今後の企画担当者の腕の見せ所でもあることは言うまでもない。


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