若年労働者の変化の実情をグラフ化してみる(2013年→2018年)(最新)

2020/01/19 05:17

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2020-0107先行するいくつかの記事で厚生労働省が2019年12月18日に発表した、2018年時点における若年層(15-34歳)の雇用実態を調査した結果「平成30年若年者雇用実態調査結果の概況」を基に、若年層の就業状況を確認した。この調査は不定期で今回発表分も含め5回実施されているが、前回は2013年に実施され、その結果が2014年以降に発表されている。そこで今回は、前回調査の結果と比較することにより、若年層の就業状況の変化ぶりを確認していくことにした(【発表リリース:平成30年若年者雇用実態調査の概況】)。

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今調査の調査要件、各種用語の意味については先行記事【若年労働者の割合などをグラフ化してみる】を参考のこと。

最初に示すのは、全就業者(就業者)に占める若年層の割合。例えば総数では2018年において27.3%とあるので、全就業者のうち3割近くは若年層、見方を変えれば7割以上は35歳以上で占められていることになる。4年の間にどれだけ若年層の比率が増えたか減ったかで、各産業の新陳代謝の度合い、高齢化、若い活力の混ざり具合が見えてくる。

↑ 就業者の若年就業者率(産業別)(2013年、2018年)
↑ 就業者の若年就業者率(産業別)(2013年、2018年)

今グラフは正社員も非正社員も合わせてのものだが、それでもなお総数では若年層の比率が1.3%ポイント落ちている。若年層の肩身が狭い、採用されにくくなっている、見方を変えれば中年層以上が居残っている、中途採用されている状況が見受けられる(あるいは一度定年退職した社員が嘱託として再雇用される事例もあろう)。

産業別に見ると、多くの産業で若年層比率が落ちているが、特に情報通信業や医師・福祉など、高度な技術を必要とする産業で大きな減少が確認されている。即戦力が求められている、技術的にはこれからの人の割合が多い若年層を育てる余裕が少ないということだろうか。

他方、鉱業・採石業・砂利採取業、建設業、電気・ガス・熱供給・水道業のような一部産業では2018年の方が高い値を示している、つまり若年就業者の率が上がっている。新陳代謝が進んでいるということだろうか。なお「サービス業(他に分類されない)」は具体的には廃棄物処理業、技術提供業(自動車整備業など)、労働者派遣サービス、コンサル、会員向けサービス、保守点検業などを指す。

続いて、若年層当事者にはむしろこちらの方が気がかりであろう、「若年就業者における正社員率」。要は各産業で働く若年層(就業者全体ではないことに注意)の何割が正社員かを示したもの。建設業なら94.4%と大部分が正社員として働いていることになる。

↑ 若年就業者の正社員率(産業別)(2013年、2018年)
↑ 若年就業者の正社員率(産業別)(2013年、2018年)

全体では5年前とほぼ変わらず6割強が正社員。元々正社員率が低い、そして状況的に兼業主婦や学生のパートやアルバイトの比率が高い宿泊業・飲食サービス業、複合サービス業、サービス業(他に分類されない)では大きく正社員率が減っている=非正社員率が増えている。若年層のアルバイトなどを積極活用していることが見て取れる。他方、運輸業・郵便業や不動産業・物品賃貸業をはじめ多数の産業で正社員率の上昇が見て取れる。技術が必要、あるいは人材不足が深刻なことから、正社員としての雇用で人材を引き留めようとする動きが生じているのだろう。

最後は直上のグラフとも関係があるが、年齢階層別や学歴別における、若年就労者における正社員率。学歴によって正社員として働いている人の割合にどれほど違いが生じているのか、そして5年でどのような変化が生じたか確認できる。

↑ 若年就業者の正社員率(調査時点で在学していない人限定、属性別)(2013年、2018年)
↑ 若年就業者の正社員率(調査時点で在学していない人限定、属性別)(2013年、2018年)

おおよその属性で正社員率の増加が見受けられる。就業条件の改善の一環として正社員化が進められ、その恩恵を受けているのだろう。特に15-19歳や20-24歳、高専・短大卒で増加ぶりが著しい。一方で30-34歳、中卒や高卒、大学院修了のような一部属性で正社員率が減っているのが気になるところではある。

人それぞれで置かれた環境は異なるため、非正社員の方が望ましいとする人もいるだろうが、長期にわたり安定的な就業状況を望む人が圧倒的多数を占めているのは当然の話であり、必然的に正社員率の増加は好ましい話に違いない。


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