学歴・業種別などの若年労働者の変化をグラフ化してみる(2009年→2013年)(2014年)(最新)

2014/10/03 11:47

先行するいくつかの記事で厚生労働省が2014年9月25日に発表した、2013年時点における若年層(15-34歳)の雇用実態を調査した結果「平成25年若年者雇用実態調査結果の概況」を基に、若年層の就労状態を確認した。この調査は不定期で今回発表分も含め4回実施されているが、前回は2009年に実施され、その結果が2010年に発表されている。そこで今回は、前回調査の結果と比較することにより、若年層の就労状況の変化ぶりを確認していくことにした(【発表リリース:平成25年若年者雇用実態調査の概況】)。

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今調査の調査要件、各種用語の意味については先行記事【若年労働者の割合などをグラフ化してみる】を参考のこと。

最初に示すのは、全就業者に占める若年層の割合。例えば全体では2013年において28.6%とあるので、全就業者のうち3割近くは若年層、見方を変えれば7割以上は35歳以上で占められていることになる。4年の間にどれだけ若年層の比率が増えたか減ったかで、各産業の新陳代謝の度合い、高齢化、若い活力の混ざり具合が見えてくる。

↑ 産業別労働者割合(若年層率)(2009年-2013年)
↑ 産業別労働者割合(若年層率)(2009年-2013年)

今グラフは正社員も非正社員も合わせてのものだが、それでもなお全体では若年層の比率が4.2%ポイント落ちている。若年層の肩身が狭い、採用されにくくなっている、見方を変えれば中堅層以上が居残っている、中途採用されている状況が見受けられる(あるいは一度定年退職した社員が嘱託として再雇用される事例もあろう)。

産業別に見ると、全産業で若年層比率が落ちているが、特に情報通信業や学術研究・専門・技術サービス業、医師・福祉など、高度な技術を必要とする産業で大きな減少が確認されている。即戦力が求められている、技術的にはこれからの人の割合が多い若年層を育てる余裕が少ないということだろうか。

続いて、若年層当事者にはむしろこちらの方が気がかりであろう、「若年就労者における正社員率」。要は各産業で働く若年層(就業者全体では無いことに注意)の何割が正社員かを示したもの。建設業なら94.3%と大部分が正社員として働いていることになる。

↑ 産業別若年労働者割合(正社員率)(2009年-2013年)
↑ 産業別若年労働者割合(正社員率)(2009年-2013年)

全体では4年前とほぼ変わらず6割強が正社員。元々正社員率が低い、そして状況的に兼業主婦や学生のパートやアルバイトの比率が高い宿泊業・飲食サービス業、生活関連サービス業・娯楽業では大きく正社員率が減っている=非正社員率が増えている。若年層のアルバイトなどを積極活用していることが見て取れる。似たような事例は運輸業・郵便業でも確認できる。一方で金融保険業や情報通信業など、そして例として挙げた建設業など技術が必要、あるいは人材不足が深刻な産業では、正社員比率が上昇しているようすが確認できる。

最後は直上のグラフとも関係があるが、世代や学歴別における、若年就労者における正社員率。学歴によって正社員として働いている人の割合にどれほど違いが生じているのか、そして4年でどのような変化が生じたかが確認できる。

↑ 年齢階級・最終卒業学校、就業形態別若年労働者割合(調査時点で在学していない者のみ)(正社員率)(2009年-2013年)
↑ 年齢階級・最終卒業学校、就業形態別若年労働者割合(調査時点で在学していない者のみ)(正社員率)(2009年-2013年)

全体としては大きな変化は起きていない。一方で世代別では20歳未満、学歴別では専門系学校や大学で正社員率が減退しているのが確認できる。特に20歳未満の減少具合はイレギュラーの範ちゅうを超えており、さらに今グラフに限っては「調査時点で在学していない者のみ」、つまり「学生アルバイトは除く」状態の数字であることから、専門系学校を卒業したばかりの新卒組が、非正社員として就職する割合が大きく増加したことを意味することになる。



2009年といえばリーマンショックの影響の真っただ中にあり、就業状況もきわめて厳しい状態。その時期と比べればかなり雇用市場は改善の動きを示しているが、それでもなお若年層には厳しい世の中であることに違いはない。特に一部産業で新陳代謝が遅れていること、専門系高校や大学の卒業生で正社員率が下がっている結果には、注意を払いたい。

もちろん中には進んで非正社員の道を歩む人もいる。しかし多分に「正社員を望んだが叶わずに非正社員として働くことになった」実態は、先の今調査に関する記事からも明らかだからである。


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