30歳前半の働き人、三人に二人は転職経験あり

2010/10/29 12:00

転職厚生労働省は2010年9月2日、2009年時点における若年層(15-34歳)の雇用実態を調査した結果「平成21年若年者雇用実態調査結果の概況」を発表した(【該当ページ】)。これは各企業における若年層の雇用状況などを把握し、各種若年者雇用対策の資料として用いるためのもので、現状の雇用情勢の一端を知る有意義な内容となっている。今回はそのデータの中から、初めて就職した会社に調査時点でも勤めているかいなかについてデータを抽出してグラフ化してみることにした。【中卒は過半数・高卒は3割近くが1年内外で離職…学歴別に卒業後1年間と今現在の働き方の相違をグラフ化してみる】よりも一層ダイレクトに、各区分における企業への定着率が読みとれるはずだ。

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調査要項、及び「若年労働者」「常用労働者」などの用語の定義は先行する記事【社内若者や非正社員はどれくらい居るの? 若年労働者の割合などをグラフ化してみる】で解説している。

さて、個人の諸般事情がある場合(資格取得のための腰かけ的就業や、家業を継ぐ予定があるためにそれまでの就業など)は別にして、多くの人は初めて勤めた会社に一生勤務し続けたいと考えている。また、非正社員はともかく正社員を雇用する企業側も、前提は企業自身が継続する限り、定年退職まで雇用し続けるつもりで新人を雇い入れる(だからこそ定年規定や退職金規定が存在する)。しかし現実には働く側、あるいは企業側の事情により、最初に就職した企業から離職せざるを得ない人は少なくない。

今調査では全体の5割近くが「初めて勤めた会社に今も勤務している」、5割強が「最初勤めた会社には今現在は勤務していない」と回答している。若年労働者(34歳未満)で限っても、これほどまでの離職経験率の高さが出るとは、正直驚かざるを得ない。

↑ 性・年齢階級、初めて就職した会社に現在も勤務しているかどうか別若年労働者割合(調査時点で在学していない者のみ)
↑ 性・年齢階級、初めて就職した会社に現在も勤務しているかどうか別若年労働者割合(調査時点で在学していない者のみ)

また、年齢階層別にみると、当然ながら歳を経るに連れて「最初の会社に今も勤めている」人の割合は小さくなる。しかし10代でもすでに1割強が離職を経験している。そして30-34歳になると33.3%。表現を変えれば、「現在働いている30-34歳の人の三人に二人は転職を経験している」ということになる。これが自らの意志によるものか、あるいは会社都合によるものかまでは今数字からは読みとれないが、「終身雇用」という言葉は少なくとも若年層では事実上終結を迎えつつあると考えても良い。

これを最終学歴別に見たのが次のグラフ。

↑ 最終卒業学校、初めて就職した会社に現在も勤務しているかどうか別、若年労働者割合(調査時点で在学していない者のみ)
↑ 最終卒業学校、初めて就職した会社に現在も勤務しているかどうか別、若年労働者割合(調査時点で在学していない者のみ)

やはり【中卒は過半数・高卒は3割近くが1年内外で離職…学歴別に卒業後1年間と今現在の働き方の相違をグラフ化してみる】でも触れているが、学歴が高い就労者ほど会社内での立ち位置が安定的であることがうかがえる。

最後に正社員か否かによる区分。当然といえばそれまでだが、正社員よりも非正社員の方が離職率が高い。

↑ 就業形態、初めて就職した会社に現在も勤務しているかどうか別若年労働者割合(調査時点で在学していない者のみ)
↑ 就業形態、初めて就職した会社に現在も勤務しているかどうか別若年労働者割合(調査時点で在学していない者のみ)

就労年数まではこのグラフでは考察できないが、単純計算で「初めて勤めた会社に対する定着率は、非正社員では正社員の1/3に過ぎない」ことが見て取れる。



転職別途改めて精査するが、最初に勤めた会社を離職する理由は多種多様で、しかも複数にまたがっている場合がある。総計では「労働条件が良くない」「仕事が合わない」など、ハードな仕事に耐えきれなくて職を離れる場合が多い。ただし「はじめから想定していたが実践してみると想定以上だった」のか、「これほどまでにキツいのは聞いてなかった・思ってもいなかった」なのか「勤めていくうちに段々とキツくなって、限界を超えた」なのかは不明。

ともあれ、本人の事情・意志以外により離職は、生活基盤をはじめとする多種の立ち位置(社会的、経済的、精神的…etc.)を危うくするもの。もう少し定着率を高められないかと思わずにはいられない。

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