51.2%は「正社員を希望します」…非正社員な若年労働者の希望就労をグラフ化してみる

2010/10/25 07:00

「正社員を希望します」厚生労働省は2010年9月2日、2009年時点における若年層(15-34歳)の雇用実態を調査した結果「平成21年若年者雇用実態調査結果の概況」を発表した(【該当ページ】)。これは各企業における若年層の雇用状況などを把握し、各種若年者雇用対策の資料として用いるためのもので、現状の雇用情勢の一端を推し量るのに有意義な内容となっている。今回はそのデータの中から、若年労働者のうち「正社員以外」の立場で働いている人たちが、今後どのような職のスタイルを望んでいるのかについてデータを抽出し、グラフ化してみることにした。

スポンサードリンク


今調査は2009年10月1日から15日(個人調査は11月30日まで)の間に調査票配布・郵送返信方式にて行われたもので、有効回答数は事務所調査が9457、個人調査が15124人。なお各種用語においては次のように定義されている。

「若年労働者」…15-34歳の労働者
「常用労働者」…期間を定めずに雇われている、1か月を超える期間を定めて雇われている、日々・一か月以内の期間を定めかつ2009年8月-9月の双方で18日以上雇われているのいずれかに該当
「正社員」…直接雇用関係のある労働者のうち、正社員・正職員など
「非正社員(元資料では正社員以外の労働者)」…直接雇用関係のある労働者のうち、正社員・正職員などとされている”以外”の者(例 パート・アルバイト、契約社員等)
「フリーター」…家業(自営・農業など)、通学または家事のいずれも行っていない15-34歳の者で、かつ、当該事業所への応募前の1年間に、就職はしていたが、勤め先の呼称がアルバイトまたはパートである者

さてまずは、調査母体全体のうち「非正社員(正社員以外の労働者)」で現在在学していない人に対し、今後どのような働き方を望んでいるかを尋ねた結果が次のグラフ。52.1%が「今後は正社員として働きたい」と回答している。

↑ 今後の働き方別正社員以外の若年労働者割合(調査時点で在学していない者のみ)
↑ 今後の働き方別正社員以外の若年労働者割合(調査時点で在学していない者のみ)

現在就労している会社か否かは別として、非正社員の立場のままで働き続けたい人は1/4程度でしか無い。残り1/4は独立事業・家業引き継ぎ、そしてその他個人個人の様々な理由。

これを個々の属性別に見ると、それぞれの属性の事情や現状が透けて見えてくる。

↑ 今後の働き方別正社員以外の若年労働者割合(調査時点で在学していない者のみ)(男女・年齢階層別)
↑ 今後の働き方別正社員以外の若年労働者割合(調査時点で在学していない者のみ)(男女・年齢階層別)

・男性は正社員願望が強く、女性は非正社員を望む声が強い(が、正社員派の方が上)
・10代は多種多様な事情があるようで「その他」回答が多い。さらに「今勤めている会社”以外”で正社員」という人の割合が他と比べて大きい
・20歳以上はどの階層でも「今の会社で正社員として」の希望者が一定率いるが、歳を経るにつれて「別会社で正社員」の希望者率は減り、「正社員以外」を望む人が増えてくる

三番目の傾向については、年齢階層が上の非正社員では自らの意志でその立ち位置にいる人が多くなるせいか、「非正社員の状態を継続したい」とする人の割合が増えるようだ。

問題は10代。「その他」の比率がかなり高めなことは個人ベースの事情なので仕方ないとしても、「”別の会社で”」正社員を望む人の割合が極めて高いのが目に留まる。逆に考えれば「現在の会社での正社員化を望んでいない」。【大卒正社員率は82.7%…学歴や年齢別の若者労働者の正社員・非正社員割合をグラフ化してみる】にあるように、この年齢層の非正社員割合は38.4%と他の階層と比べても高めで、多くの人たちにおいて(会社側・本人自身側の責は別として)現在就労している会社の状況がかなりキツいことが想像できる。

最後に、現在勤めている事業所の規模別に見たもの。やはり大規模≒安定度が高い企業へ正社員として勤めたいという意見が強い。

↑ 今後の働き方別正社員以外の若年労働者割合(調査時点で在学していない者のみ)(事業所規模別)
↑ 今後の働き方別正社員以外の若年労働者割合(調査時点で在学していない者のみ)(事業所規模別)

他の区分の比率はほぼ変わらないのに、事業所の規模と共に「現在の会社で正社員として勤めたい」人の割合が増え、「非正社員として勤めたい」人が減るあたり、非常に素直な結果といえよう。



【ニート・フリーター問題対応策は「自助努力」が最多意見、無職は「わらにもすがりたい思い」】【ニート・フリーター問題は社会のせい? 自分のせい? 立場で異なる責任所在への意見】などにもあるように、自ら望んだ人以外の非正社員に対する考え方は多種多様。まさに「あちらを立てればこちらが立たず」のような問題が生じているのが「非正社員」という立ち位置に関する問題と言える。

特に今後は若年層の雇用市場がますます悪化することが容易に予想されるため(働き口の海外移転や、高齢者の低賃金による再就職で求人が奪われる可能性)、若年労働者の非正社員問題はさらに大きなものとなる。「これから」を創る若年層達の方を向いた政策を切に願いたいものだ。

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2017 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー