「チンする」9割、「サボる」8割強、しかし世代間格差も…!? 「●●る」「●●する」形の動詞の利用状況

2014/09/28 14:15

時代の流れの中で言葉は少しずつ、そして確実に変化を遂げていく。新たに生まれた物事に係わる言葉は昔の人なら知りようが無いのは当然だが、昔から存在していた言葉が変わり、新しい様式で用いられることも少なくない。昨今において、外来語や擬音、状況を示す名詞に「る」「する」をつけて、その状況を成す動詞として表現する方法もその一つ。例えば電子レンジを使う時の言い回しとして使われる「チンする」が好例である。今回は文化庁が2014年9月24日に発表した「国語に関する世論調査の結果」の最新版を基に、それら新しい様式の動詞の利用状況を確認していくことにする(【発表リリース:国語に関する世論調査の結果について】)。

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冒頭でも触れた通り、昨今では主に外来語や状況を示す単語の一部に「る」「する」をつけて、その状況を実行する動詞として使う事例が増えている。一方でこのような言い回しは正式なものではない、知らない人も多いとの理由から、公的な発言で利用したり、ビジネス文章をはじめとした第三者への文面では使うべきでないとの認識も強い。要はスラング的な扱いを受けている次第である。

それではそれらの言い回しはどの程度認知されているのか。具体例を10個挙げ、それらについて「聞いたことが無い」「聞いたことはあるが使うことは無い」「使うことがある」「分からない」のいずれかを答えてもらった結果が次のグラフ。

↑ 「-る」「-する」形の動詞について(2013年度)
↑ 「-る」「-する」形の動詞について(2013年度)

列挙された項目中では「チンする(電子レンジで加熱する)」(電子レンジの調理終了の合図音「チン」が由来)の利用率がもっとも高く、90.4%に達している。使ったことは無いが聞いたことがある人は8.3%。聞いたことも無い人は1.2%に留まり、ほぼ誤差の範囲。「サボる(なまける)」(サボタージュが由来)も86.4%とほとんどの人が用いている。

「お茶する」は報告書では「喫茶店やカフェなどに入る」と説明されているが、状況次第では多分に「男女間でデートをする」をも意味する言い回し。またその状況が多分に陳腐に見えることから、「聞いたことはあるが使ったことは無い」とする意見が1/4を超えている。もっとも認知度の点では「チンする」「サボる」とさほど変わりはない。

「愚痴る」はもう少し多くの人が使っている印象があるが、実際には5割足らず。「パニクる」とさほど変わらない。「お茶する」同様、多分に陳腐さのイメージがある「告る」、言い回し的にやや無理な印象がある「タクる」は利用率が低く、「タクる」「ディスる」に至っては聞いたことが無いとの意見が7割超との結果が出ている。

これらの言い回しは多分に若年層が使う傾向が多いことから、世代別の利用率が気になるところだが、報告書では「パニクる」「タクる」「ディスる」「お茶する」の4項目につき、世代別の動向を掲載している。

↑ 「-る」「-する」形について「使うことがある」回答率(2013年度)
↑ 「-る」「-する」形について「使うことがある」回答率(2013年度)

「パニクる」「お茶する」は中堅層の利用がもっとも多く、シニア層になると急激に利用率が落ちる。さらに「タクる」「ディスる」は特異な動きを示し、前者は20-30代、後者は10-20代のみで多く使われている。「ディスる」はとりわけインターネット上のスラングとして使われる場合が多いことから、特定の利用環境内で特に周知されている言い回しであることが推測される。



昨今では特定のウェブサービスを動詞的に扱う表現を、やはり「●×する」「●×しておいて」などとして使う事例が増えている。サービスを指す名詞がそのまま動詞的に使われている次第である。省略されている文言が無くとも相手に伝わること、そもそも言葉とは相手に意思疎通をするためのツールであることを考えれば、問題は無いのだが、抵抗感を覚える人も少なくないし、誤解釈のリスクもある。

「チンする」「サボる」のように、より多くの人に認知され、利用されるようになれば、それらの言葉もいつしか、ごく普通の一般的な言い回しとして用いられるようになるのだろう。


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