温暖化、進んでる? 東京や大阪などの気温動向をグラフ化してみる(最新)

2018/07/20 05:05

2018-0719昨今ではあまり話題に上らなくなったものの、現在でも進行中であるとされている地球温暖化。地球規模で無くとも「昔と比べて今の夏はもっと暑い」との感覚を覚える人は多いはず。冷房施設内での生活に慣れてきた、ヒートアイランド現象(緑地や水面の減少、アスファルトなどに覆われた地面の増大、人工物からの排熱の増大、風通しの悪化により温度が上昇する現象。【ヒートアイランド現象(気象庁)】)により都市部での気温上昇を体感する機会が増えてきたなど、さまざまな環境的要因があるものの、温度そのものが上昇しているのでは無いかと考えている人も多いはず。そこで今回は気象庁の公開データベースの値を用い、東京や大阪の長年にわたる平均気温を抽出してその動向を確認し、「昔と比べて今は暑くなった」のが錯覚なのか否かを確認していくことにした。

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140年あまりで2度強上昇…東京の場合


使用したデータは気象庁の公式サイト内【過去の気象データ・ダウンロード】に収録されている値。抽出対象を東京として、毎月の平均気温などを抽出し、そのうち夏場の7月と8月、冬場の12月と翌年1月における、月次平均気温の推移をまとめてグラフ化したのが次の図。

↑ 平均気温(東京、度)(7月・8月)
↑ 平均気温(東京、度)(7月・8月)

↑ 平均気温(東京、度)(12月・1月)
↑ 平均気温(東京、度)(12月・1月)

「100年も生きているわけでは無いし、子供の頃の温度など覚えていないが、少しは上昇してるかもしれないな」との感はあったが、いざ実際に温度の上昇ぶりを確認すると、あらためて驚かされる。もちろんこれは単純に気温そのものの全体的な上昇によるものだけでなく、東京(千代田区大手町 東京管区気象台。以下地名は各地名における気象台を指す)周辺の開発進行に伴い、ヒートアイランド現象が影響力を強めたものも多分に考えられる。どれか一つの要因のみで無く、複数の要因が積み重なった結果に違いないが、ともあれ東京ではこの140年あまりの間に夏は平均で2度強、冬は4度ほど平均気温が上昇していることになる。

ちなみにほんの少しでも雪が積もっている日について、1月と2月における日数をカウントしたのが次のグラフだが、日数があまりにも少なすぎて経年変化の特性が見られない。

↑ ゼロセンチ以上の積雪日(東京、日)(1月・2月)
↑ ゼロセンチ以上の積雪日(東京、日)(1月・2月)

積雪に関しては東京では温暖化の影響は無さそうだ。

東京よりもやや穏やかだが…大阪の場合


大阪も同じように確認してみたが、状況は東京とほぼ変わらず。夏は2度ほど、冬は3度前後と、東京よりもいずれも抑え気味ではあるが、平均気温が上昇している。上昇分の違いは、都市開発の度合いがそのまま反映されているのかもしれない。

↑ 平均気温(大阪、度)(7月・8月)
↑ 平均気温(大阪、度)(7月・8月)

↑ 平均気温(大阪、度)(12月・1月)
↑ 平均気温(大阪、度)(12月・1月)

いずれにせよ、東京同様に大阪においても、ある程度の起伏を経ながら平均気温が上昇していることは確かである。

一方積雪日だが、大阪では東京と異なり、ある程度それらしい動きが確認できる。

↑ ゼロセンチ以上の積雪日(大阪、日)(1月・2月)
↑ ゼロセンチ以上の積雪日(大阪、日)(1月・2月)

2月はともかく1月はこの50年ばかりの間に、積雪日が随分と少なくなっている。記録の限りでは1998年以降は2014年までゼロ日が続いていた。それ以降は2015年と2017年にそれぞれ2日が計上されている。元々の日数が少ないのでぶれの可能性も否定できないが、気温の上昇による影響が生じている可能性は低くない。

気温は上昇、雪は積もりっぱなし…札幌の場合


最後は札幌。こちらは夏冬ともに2度ほどの上昇が確認できる。

↑ 平均気温(札幌、度)(7月・8月)
↑ 平均気温(札幌、度)(7月・8月)

↑ 平均気温(札幌、度)(12月・1月)
↑ 平均気温(札幌、度)(12月・1月)

東京・大阪と比べて穏やかではあるが、明らかに上昇していることに違いは無い。なお積雪日は札幌の場合、1月・2月ともに全期間において全日となるので、動向を推し量ることはできず、グラフは省略する。



少なくとも大都市圏においては、確実に気温の上昇が確認できたというのが今回のリサーチ結果。しかしその気温上昇が、全体的な気温の上昇に伴うものなのか、それとも何度か触れているヒートアイランド現象など他の要因によるものなのかまでは特定できない。

なお気象庁が2004年以降毎年監視・検証の上で報告している【ヒートアイランド監視報告】の最新報告書「ヒートアイランド監視報告2017」によれば、都市部において長期的な気温の上昇傾向がみられ、特に都市化が進んでいる地点ほど気温の上昇率が大きいと言及している。他に、冬日の減少や熱帯夜・猛暑日・真夏日の増加、日中最低気温の上昇、乾燥化の進行が進んでいるとのこと。また、東京では1950年代後半から1970年頃にかけて、気温が大きく上昇したと説明している。

ちなみに「都市圏以外」の例として、北海道・網走の動向をグラフ化したのが次の図。観測データの都合で1890年以降のものしか無いが、大よその状況は把握できる。変移が分かりやすいように、近似曲線も併記した。

↑ 平均気温(網走、度)(7月・8月)
↑ 平均気温(網走、度)(7月・8月)

↑ 平均気温(網走、度)(12月・1月)
↑ 平均気温(網走、度)(12月・1月)

大きな上昇は確認できない。冬季にいくぶんの上昇が生じているかな、という程度。また計測データが戦後のもののみであることから単純比較はできないため掲載は略するが、南鳥島の場合60年余りにおける明らかな平均気温の変化は確認できなかった。

気象庁の報告書の内容も併せ考えると、少なくとも日本における気温の変化は人口増加・都市化に伴うもので、人口密集地帯ではヒートアイランド現象によるところが大きいと見た方が、道理は通りそうだ。


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