2013年8月の熱中症での病院搬送者、8月では過去2番目に多い2万7632人に

2013/09/14 15:00

総務省消防庁は2013年9月13日付で、同年8月の熱中症を起因とした全国の救急搬送の状況(確定値)を発表した。それによると同年8月における熱中症による救急搬送者は2万7632人となり、同庁が熱中症に関する調査を開始した2008年以来8月では、2010年の2万8448人に次ぐ過去2番目に多い数字となった。また6月から8月までの合計搬送者数は5万5596人となり、これは毎年6月からの調査を開始した2010年以降では、最多の値を示している(【消防庁:発表リリース一覧ページ】)。

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今年の8月は一か月を通して太平洋高気圧が日本の南海上から西日本付近にかけて勢力を強めていたため、北日本を除く各地域では晴れて暑い日が多く、平均気温も高めに推移した。特に中旬は厳しい暑さが続き、多数の観測地点で猛暑日を記録。中でも12日には高知県四万十市の江川崎で最高気温が41.0度を記録し、世間を大いに騒がせる形となったのも記憶に新しい。さらにリリースには記載されていないが、節電要請による気兼ね、電気代の値上げによるエアコン稼働への躊躇も、小さからぬ要因と考えられる。

今回の発表によれば、2013年8月の全国における熱中症による救急搬送人員(救急車で医療機関に搬送された人)は2万7632人となり、昨年2012年の8月における1万8573人と比較すると48.8%増という大幅増の値になった。


↑ 熱中症搬送人員(2009-2013年、各8月、人)


↑ 熱中症搬送人員(2009-2013年、各8月、人数比)

昨年と比べるとすべての年齢区分で人数は大きく上昇し、特に成人・高齢者で増加率が著しい。最多増加率を占める高齢者(65歳以上)(プラス52%)の増加原因としては、高齢者そのものの人数増加に加え、一人暮らし世帯の増加に伴う熱中症の発症時における発見までの遅延リスク、皮ふなどの老化に伴う気温の変化への反応の遅れ、そして「節約のため」とエアコンの稼動を躊躇することによる発症の増加が考えられる。週次報告でも気温が高くなり環境が悪化するに連れ、他世代と比べて高齢者の比率は上昇する傾向にある。

人数の上では「観測史上もっとも暑い夏」として知られている猛暑となった2010年にほぼ匹敵する値を見せているが、搬送者数の年齢構成比ではその2010年よりもさらに高齢者比率が増加している。単に高齢化による該当年齢層人数の増加というよりは、電気周りの問題が深く影響しているものと考えられる。

搬送時の初診傷病程度は次の通り。2010年以降は漸減傾向にあった中等症以降の重い病症率が漸増に転じている(軽症比率が減少)。高齢者の一人身世帯において、発見時に容体悪化が進んでいた状況が想像される。


↑ 熱中症搬送人員初診時傷病程度(2010-2013年、各8月、人)


↑ 熱中症搬送人員初診時傷病程度(2010-2013年、各8月、人数比)

ちなみに各症状の具体的内容は次の通りとなる。
軽症:入院を必要としない程度
中等症:重症または軽症以外の病状
重症:3週間の入院加療を必要とするもの以上
死亡:医師の初診時に死亡が確認されたもの

「中等症」とは「3週間未満の入院を必要とするもの」と判断できる。重症ほどではないが、搬送時には相当状態が悪化し、入院措置が必要な事態に追いやられていたことになる。本人が無理をしていた、または気を失うなどで第三者による発見が遅れたことが想定できる。

「入院の必要性」で見れば、「軽症」「中等症」両者の差は大きい。患者全体に占める高齢者の比率が高ければ、軽症が減り、中等症以上が増える結果となる。2013年においても軽症率が減り、中等症率が増えたのも納得がいく。

自分自身への注意を怠りなくするのと共に、異常を感じたらすぐに水分補給や涼しい場所への移動など各種対応を行うのは当然の話。一方で身の回りに体力の不安な人、身体の衰えで適切で素早い反応が期待できない人が居る場合、積極的に声をかけるなどして、熱中症の発生を極力防ぐ努力をしてほしい。

過去の事例で確認すると、9月に入ると夏の暑さのピークは過ぎ、8月と比べれば搬送者数は大いに減少する。しかしゼロでない以上、全国各地で熱中症により救急車のお世話になる人がカウントされることになる。


↑ 熱中症による救急搬送状況(週単位・速報値・2012年・人)(5月28日から9月30日)(再録)

今年は気温や熱中症搬送者などの動向を見るに、2010年の猛暑に近いパターンで推移しているのが分かる。節電要請期間が終了する9月末までは、暑い日がぶり返す可能性は多分にある。水分補充や体調管理などを怠らず、注意と配慮を忘れずに。


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