アメリカでもじわりと、確実に減少する従来型メディアの信頼度

2014/09/23 14:09

経年劣化という表現があるが、従来型メディア(テレビや新聞、ラジオなど)への信頼度は少しずつその度合いを落としつつある。特に新しいメディアとしてインターネットを用いた媒体が登場して以降は、従来型メディアの情報が容易に、不特定多数によって検証されるように至り、その信頼性に大きな揺らぎが生じている。いわゆるメディア不信の高まりとも表現されるものだが、この状況は日本に限らずアメリカでも生じているようだ。先日アメリカの調査機関ギャラップ社が発表した長期定点観測としての、対メディア信頼度調査の結果からも、その現状をうかがい知ることができる(【発表リリース:Trust in Mass Media Returns to All-Time Low】)。

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一連の調査の最新部分については2014年9月4日から7日にかけて、RDD方式によって選定されたアメリカ国内に住む18歳以上の男女に対し電話による口述方式のインタビューで行われたもので、有効回答数は1017人。固定電話・携帯電話経由による回答がほぼ半数ずつ。調査結果は国勢調査のデータに基づくウェイトバックが施されている。

一般的にマスメディアと呼ばれる従来型のメディア、例えば新聞やテレビ、ラジオと呼ばれるものに対して、それらが伝える情報に関して、その信頼性(完全さ、正確さ、公平さ)はどの程度あると認識しているのかを尋ねた結果が次のグラフ。1972年から1976年までは2年おき、それ以降はしばらく飛んで1997年以降はほぼ毎年調査が行われている(2006年欠)。折れ線グラフは「とても信頼している」「それなりに信頼している」の合算値の推移。

↑ 新聞、テレビ、ラジオのようなマスメディアをどれ位信頼しているか(アメリカ)
↑ 新聞、テレビ、ラジオのようなマスメディアをどれ位信頼しているか(アメリカ)

↑ 新聞、テレビ、ラジオのようなマスメディアをどれ位信頼しているか(アメリカ、信頼派)
↑ 新聞、テレビ、ラジオのようなマスメディアをどれ位信頼しているか(アメリカ、信頼派)

1976年までとそれ以降には年数的にギャップがあるが、昔から今にかけて少しずつ「それなりに信頼している」人達が漸減し、その分「あまり信頼していない」「全然信頼していない」人が漸増している様子が分かる。直近の2014年ではまったく信頼していない人は1/4近くに達している。また信頼派の動向(年数が飛んでいるのでグラフは1997年以降に限定している)を見ても、少しずつ右下がりの動きを示しているのが分かる。

「全然信頼していない」人の割合はインターネットの普及状況とやや連動しているように見える。一方で「それなりに信頼している人」や「あまり信頼していない人」の動きはそれ以前から生じており、比率だけにスポットライトを当てると「従来型メディアの信頼面での凋落は以前からのもの」「インターネットの普及は強度な不信感を持つ人を増やし、それなりに信頼感を持つ人を削りつつある」と読むことが出来る。

次に示すのはニュースメディア全体の保守的傾向に関する設問。今件ではマスメディアなどの表現では無くニュースメディアと対象を示しており、また新聞やテレビといった具体例は挙げていない。インターネット提供のものも含めた、と考えて良い(もっともインターネット経由のニュースの大部分は、新聞やテレビ提供社による、ベースとなるメディア掲載のコピーなので、あまり深い事は考えなくてもよいのかもしれない)。

↑ ニュースメディアは一般的に自由主義的(リベラル)過ぎるか保守主義的過ぎるか(アメリカ)
↑ ニュースメディアは一般的に自由主義的(リベラル)過ぎるか保守主義的過ぎるか(アメリカ)

自由主義的が4割強、保守主義的が1割強、中庸が1/3程度。この傾向に大きな違いはない。ただし直近の2014年に限ると中庸・自由主義的過ぎると考えている人が減り、保守的過ぎると考える人が増えている。今世紀に入り、特にアメリカの予算周りで色々と問題が発生したりシェールガスの量産化が始まって以降、アメリカという国そのものが保守化しつつあるとの指摘がなされているが、ニュースメディアもそのような動きを見せ始めているのかもしれない。



やや蛇足ではあるが、支持政党別のマスメディア信頼度は次の通り。

↑ 新聞、テレビ、ラジオのようなマスメディアをどれ位信頼しているか(アメリカ、信頼派)(支持政党別)
↑ 新聞、テレビ、ラジオのようなマスメディアをどれ位信頼しているか(アメリカ、信頼派)(支持政党別)

直近では共和党・民主党双方の支持者とも大きく値を下げているのが気になるが、それ以外では概して民主党支持派は横ばい、共和党支持者・独立派は値をジワリと下げている。上のグラフにある通り、アメリカのメディアはリベラル色が強いことから、同じサイドにある民主党支持者はメディアをも信頼してきたという構図を見出すことが出来る。

それだけに、2014年における両政派から共に6%ポイントも信頼度が下がった状況は、大いに気になる所であり、また、従来型メディアの凋落を予見させる動きと見ることもできる。来年以降の動向に、大いに注目したいところだ。


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