じんわり増える夫の家事お手伝い率(2014年)(最新)

2014/09/11 11:30

兼業主婦の増加に伴い、夫の家事参加への機運が高まりつつある。一方で古来からの習慣や就業時間の関係から、夫の家事の手伝いを敬遠する向きがあるのも事実。それでは実際、夫はどの程度家事に参加しているのだろうか。国立社会保障・人口問題研究所が5年おきの定点観測調査の最新版として2013年に調査を実施し、2014年8月8日に発表した第5回分の結果から、その実態を確認していくことにする(【発表リリース:全国家庭動向調査】)。

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夫の家事参加率は増加中


今調査の調査要項は先行記事の【夫婦別姓賛成派4割強、反対派は過半数】を参考のこと。

次に示すのは、夫が週に1回から2回以上、家事(今件では育児は含まれない)を行ったとする回答率を経年で記したもの。「週に1回から2回以上」なので、例えば平日は手がけなくとも土日に実行すれば該当するため、「平日は就業で忙しいから家事の手伝いはしないが、土日は積極的に家事をしてくれる」といったパターンの場合、該当することになる。なお空白部分はその当時、まだ該当項目の調査は実施していなかったことを意味する。

↑ 家事の種類別に見た、週1-2回以上家事を遂行した夫の割合
↑ 家事の種類別に見た、週1-2回以上家事を遂行した夫の割合

比較的高い技術が要求され、場合によっては家事の手伝い、担当をするつもりが余計に手間を増やすだけという悲劇を呼び起こすことになりかねない「炊事」は横ばいだが、それ以外の家事は概して値は上昇を続けている。つまり夫の家事手伝いが年々積極的になりつつあることを意味する。

値が特に高いのは「ゴミ出し」「日常の買物」「食後の片づけ」「風呂洗い」などで、これらは時間がかかる、移動が必要になる、体力を要求されるものの、技術的なハードルは低め。夫が手掛けてもそれなりにこなしやすく、失敗によるリスクも低い。夫の家事参加としては適したテーマではある(「炊事」や「洗濯」とは対照的)。もっとも最近では洗濯機の性能の向上などを受けてか、「洗濯」も高い値を示しつつある。それだけ妻の負担が減る機会が高まっていることになる。

一方見方を変えると、週一から二回程度の「ゴミ出し」ですら、4割程度しか夫は手伝っていないことになる。作業ハードルを考えると、まだまだ低いと評せざるを得ない。

世代や夫の帰宅時間別に見ると……


夫の家事手伝い率に関しては、いくつかの属性区分による集計結果も掲載されている。そのいくつかを確認していく。まずは妻の年齢別。間接的には(歳が離れた夫婦はあまり想定できないことを考えれば)夫の世代でもあると見ても良いだろう。

↑ 妻の年齢別に見た、週1-2回以上家事を遂行した夫の割合(2013年)
↑ 妻の年齢別に見た、週1-2回以上家事を遂行した夫の割合(2013年)

「部屋掃除」は例外的に世代間格差は無いが、それ以外の項目では一様に「若年層ほど高い」「歳を経るほど低い」傾向にある。理由はいくつか考えられるが「高齢世代ほど夫は仕事が忙しく割ける時間が無い、または休日も疲れて家事をしたくない」「年上ほど夫は古い価値観にとらわれて家事を敬遠する」などが挙げられる。夫婦間の付き合い方、ライフスタイルそのものにおける世代間格差が生じているのも一因として挙げられよう。

「夫が忙しく、疲れてしまい、家事を敬遠する」との可能性は、次の夫の帰宅時間別の集計結果からも推測できる。

↑ 夫の帰宅時間別に見た、週1-2回以上家事を遂行した夫の割合(2013年)
↑ 夫の帰宅時間別に見た、週1-2回以上家事を遂行した夫の割合(2013年)

上記にある通り平日は仕事で時間が割けなくとも、土日に手掛ければ「週1-2回以上」のハードルはクリアできるはずなのだが、それでもなお帰宅時間が遅いほど、夫は家事手伝いをしなくなる傾向がある。土日も残業や仕事上の付き合いがあるのか、疲労困ぱいで休んでいるのかは今件調査項目だけではつかみきれないが、仕事の忙しさが家事手伝い率と大きな相互関係にあることは否めまい。

唯一「ゴミ出し」は帰宅時間が遅いほど、手伝い率は高い。あるいは早朝も早く出かけるのでゴミを出しやすいからだろうか。



単純作業に近く、技術をあまり要しない家事ならば、夫でも容易に手伝いをすることは可能。あとはいかに時間を抽出できるかと、やる気にかかっている。ちょっとした配慮、分担でも、妻には大いに役立つはず(逆に仕事を増やすようなヘマばかりをしたのでは問題だが……)。

「ゴミ出し」ですら6割以上の夫が、週1回から2回ですらしていないのは、やはり妻にとっては「もうちょっと、手伝ってくれないかな?」と愚痴をこぼさざるを得ない状況には違いない。


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