「あなたはLINEを使っていない、なぜだ!?」「不要だからさ」なLINE未使用事情

2014/09/15 10:00

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スマートフォンの普及と共に特に若年層の間で幅広く浸透しつつある、コミュニケーションアプリ「LINE」。しかし今なお使わずにいる、あるいは以前使っていたが使用を止めてしまった人も少なくない。今回はライフメディアのリサーチバンクが2014年9月3日に発表した調査結果から、「LINEを現在使っていない人の、その理由」について探りを入れていくことにする(【発表リリース:LINEに関する調査。】)。


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今調査は2014年8月21日から27日にかけてスマートフォン利用者に対してインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1300件。男女比、10歳区切りの世代構成比は均等割り当て。まさに直近のLINE事情を知ることができる調査結果といえる。

今調査に関する先行記事【スマホ利用者のLINE率7割強、10代女性は9割を超える】で解説の通り、今調査対象母集団におけるLINE利用率は71.7%に届いている。

↑ LINEを使っているか(スマホ利用者)(再録)
↑ LINEを使っているか(スマホ利用者)(再録)

一方で、ダウンロードしてかつては利用していたが、今は使っていない人は2.8%、LINEの存在は知っているがダウンロードしたことも無く、当然使っていない人は23.7%に達している。合わせて26.5%は「LINEとはどのようなものか知っていて、現在は使っていない」人になる。この26.5%の人に、なぜ(今は)LINEを使っていないのか、その理由を尋ねた結果が次のグラフ。最上位は「自分には不要なアプリだから」がついた。全体では57.7%。6割近い回答率となっている。

↑ なぜ今LINEを使っていないのか(使っていない人限定、複数回答)
↑ なぜ今LINEを使っていないのか(使っていない人限定、複数回答)

LINEを使ってその便宜性を実感している人の多くは、もはや生活から不可分的な存在として認識している人が多い。電話、あるいはテレビのような存在にさえ達しているだろう。一方で、コミュニケーションツールとしてのLINEに、その必要性を覚えない人が多いのも事実である。ツイッター、Facebook、電子メールなどで十分で、それらを上回る便宜性が無い以上、新たなツールを手に取る意味は無いからだ。

次いで「プライバシー面で不安」「セキュリティ面で不安」など、情報管理の上でのリスクを例に挙げる人が多い。LINEは他のコミュニケーションツール以上に個人=端末同士の結びつきが強いことから、何らかの問題が生じた時に個人情報が危うくなる可能性も高くなる。それを恐れるのは当然の話。

また、対人関係においてやり取りが頻繁となる、頻度の高い情報交換が成されやすいことから、(対人間の)「トラブルの恐れ」、さらにはmixiなどで問題視された「「既読」がいや」の問題も上位についている。人との交流が密接になるのは良いが、それ故に起きうるマイナス点への懸念から、LINEを手にしないという次第。

男女別では「自分には不要なアプリ」以外のほとんどの項目で、女性の方が高い回答率を示している。男性は他のツールを使う場合が多く、LINEの代替サービスを使っている場合が多いからだろう。一方女性は高頻度なやりとりをする場合が多く「『既読』がいや」、個人情報が漏えいした場合のリスクの大きさから「プライバシー面で不安」の項目で、男性よりも大きな値を示しているのが特徴的であり、同時に女性らしい動きと見ることが出来る。

これらの問題点、短所はLINE独特のものもあれば、コミュニケーションツール共通のものもある。いずれにしても何らかの形で解消できるものでは無く、LINEを使わない人が一定率で存在するのも、仕方がない話であることを改めて認識できるものではある。



やや余談になるが、リサーチバンクではLINEに関する調査を2012年から毎年実施している。今項目については2013年から採用しており、去年との値の比較をすることができる。

↑ なぜ今LINEを使っていないのか(使っていない人限定、複数回答)(経年)
↑ なぜ今LINEを使っていないのか(使っていない人限定、複数回答)(経年)

ほとんどの項目で前年から回答率が上昇している。LINEの未利用者率は前年から減っているので、未利用者の洗練化・先鋭化が成されてきたと見ることもできるが、特に「トラブルの恐れ」「『既読』がいや」といった、対人関係のごたごたに関する項目で大きな伸びを示しているのが気になるところではある。


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