米仏露韓の順…各国原発の発電量動向をグラフ化してみる(2013年)

2013/08/19 08:00

国際石油資本BP社が毎年発行・無料公開しているエネルギー関連の動向をまとめた白書「Statistical Review of World Energy」では、主要国の多彩なデータが盛り込まれている。記事執筆時点では2013年7月12日付で発表された【Statistical Review of World Energy 2013】が最新のものである。今回はこのデータを用い、各国における原子力発電所(原発)の発電量動向を見ていくことにする。

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トップはアメリカ、ついでフランス


今資料では2012年及び過去10年間における各原発の発電・消費量推移を、エネルギーとしての石油換算で算出し、計上している。今回の記事製作に当たっては、戻れるものは過去のデータを探してさかのぼり、1997年分までを確認、逐次抽出している。また数字が微量なもの・不明なものは元の表にも「誤差の範囲」として掲載されていない(例:イラン)。

なお今件は基本として「自国内で発電=消費した電力」に限定している。例えば【原発世界地図とヨーロッパの電力融通の図】にある通り、フランスでは自国内の多数の原発で大量の電力を生み出し、周辺各国に輸出しているが、この場合輸入先(好例としてイタリア)ではこの値は「原発由来の電力消費」としては勘案されない。あくまでも国内で生み出された電力のみの話である。

まずは直近2012年における発電・消費量。アメリカが群を抜いて多い。


↑ 原子力発電所発電による電力消費量(2012年)(100万トン(石油換算))(国内電力供給のみ)


↑ 原子力発電所発電による電力消費量(2012年)(世界総計シェア)(国内電力供給のみ)

続いて電力売り手としても名を知られているフランス、ロシアが続く。その次に韓国、ドイツ、さらには中国が名を連ねている。普段よく耳にする国以外でも、小規模ながらも発電をしていることに「え、あの国も?」と驚く人も少なくあるまい。

そして日本だが、2011年の震災に絡み政治的要因もあり、発電量は大幅に縮小。2011年の36.9から2012年は4.1(×100万トン・石油換算)となり、順位を大きく落としている。2012年時点では中国の1/5足らず、韓国の1/8足らずでしかない。

経年変化で主要国の動向を探る


次いでこの値を、上記にある通り過去1997年までさかのぼり、いくつかの注目すべき国について逐次確認をしたもの、さらにはそれぞれの前年比について算出したものをグラフ化する。主要国の原発政策・エネルギー政策もすけて見えてくる。


↑ 原子力発電所発電による電力消費量(1997-2012年)(100万トン(石油換算))(国内電力供給のみ)


↑ 原子力発電所発電による電力消費量(1997-2012年)(前年比)(国内電力供給のみ)

アメリカは前世紀末までは急速な伸びを見せていたが、今世紀に入ってから横ばい、むしろこの数年では漸減傾向にある。フランスも状況としては似たようなもの。一方でロシア、韓国、中国は確実に増加傾向にある。特に中国は絶対量が少なく、新設によって大きく跳ねることも合わせ、確実に、加速度的に増加を示している。この一、二年では伸び率そのものも増加している。

日本はといえば以前【天然ガスが伸びてます…日本の一次エネルギー供給推移をグラフ化してみる】でも示した通り、アメリカ・フランスよりも早い時期、前世紀末あたりから打ち止め、漸減傾向を示している。さらに2011年以降は大きな下げを継続し、グラフそのもののバランスを崩す形となっている。これは言うまでもなく震災とそれに続く「要請」に伴う、行政上の混乱の結果。

最初のグラフに挙げた国は全部で28だが、白書には微量・不明な発電量のものは未記載、あるいは「その他の国」でまとめられている。また、存在はしているものの稼働していない国、これから建設を始める国(ベトナムやトルコなど)も少なくない。

主要国ではどの国においても、エネルギー政策の柱の一つとして挙げられている原子力発電。日本の動向はもちろんだが、漸増を続ける中国・韓国、そして電力そのものを輸出する施策を継続しているフランスや、シェールガスの開発でエネルギーに関する方針に変化が生じているアメリカの挙動も気になるところ。2013年以降の動きも、逐次確認していくことにしよう。

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