その電気、何から作られてるの? …主要国の電源別発電電力量の構成をグラフ化してみる(2013年)

2013/08/13 10:38

電気は色々な形に変換しやすいエネルギーとして重宝され、現代社会には欠かせない存在である。それゆえに、「自国内で原材料を算出できるか否か」「輸出でまかなえるものか否か」「工業構造や政治上との関連性、リスクの高低」など、多種多様な影響を受けやすいのも特徴。視点を変えれば、電気の電源別発電電力量構成を見ることで、個々の国の経済・政治体系がすけて見えてくる。今回は主要国における、電源別の発電電力量の構成をグラフ化し、その実情を推し量ることにした。

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今件記事に関して一次資料となるものはIEA(国際エネルギー機関:International Energy Agency)が毎年発行している「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES」と「ENERGY BALANCES OF NON-OECD COUNTRIES」。しかしこれは有料(しかも高額)資料なため、今サイトの趣旨としては用いることができない。これを元に探したところ、電技事業連合会が発行している【原子力・エネルギー図面集】の最新版2012年版内「第4章「原子力発電の現状」」において、2012年版(データの中身は2010年分)のものを見つけることができた。早速この値を用い、グラフを生成する。

今グラフは電気の発電様式を主要な発電方法、具体的には石炭・石油・天然ガス・原子力・水力・その他に区分し、それぞれの発電「量」(瞬間時の能力を示した「能力」ではない)を総計電力量比で示したもの。


↑ 主要国の電源別発電電力量の構成(2010年)

特徴を箇条書きにすると

・カナダ、ブラジルは水力発電の比率が高い。自然をフルに活用できる環境を有効に活かしている
・イタリアには原子力が無い。国策による結果
・イギリス、イタリア、ロシアなど欧州地域は天然ガスに寄るところが大きい。5割前後を占めている
・中国やインドなどの新興国では石炭傾注度が高い
・フランスでは約3/4を原子力に頼っている

などが挙げられる。

各国のエネルギー事情は別記事でも解説しているが、

・イタリアは1987年に脱原発政策が国民投票で決定してから、原発ゼロを貫いる。現在では方針転換を二度繰り返し、結局原発ゼロは継続)

・フランスはエネルギー面でも独立独歩的な政策を現実のものとするため、他国に関与されにくい原発を促進している。一時的に大きな方針転換が行われる可能性が出てきたが、現在ではその動きも沈静化している

・中国は電力の約8割を石炭から得ているが、これは石炭が安価で経済性に優れているから。ただし環境面での負担も大きい

などがある。それらが電力量構成にそのまま反映されている。

ちなみに石油のほとんどを輸入に頼っている日本だが、電力発電用としての比率はさほど高くはない(コスト、環境負荷の面で、石油による電力発電は抑えられている)。むしろ主要国の中では「2010年時点で」一番バランスが取れている感はある。

当然のことながら電気そのものは目に見えないし、コンセントを見ても「原材料は●×です」と書かれているわけではない。発電の原材料で電気の質に違いが生じるわけでもない。インフラがしっかりと安定的に整備されている中で日々を過ごせる、「当然のように繰り返される日常」、そのインフラを絶えず支えている関係者に感謝をしつつ、電気が作られた「素」に想いを馳せることをお薦めしたい。

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