2020年2月度外食産業売上プラス4.8%…4か月連続の前年比プラス

2020/03/25 15:44

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2020-0127日本フードサービス協会は2020年3月25日付で、同協会の会員会社で構成される外食産業の市場動向調査における最新値となる、2020年2月度の調査結果を公開した。それによると同月の総合売上は前年同月比でプラス4.8%を示した。該当月は日取りの上では前年同月と比べて休日・土曜日それぞれ1日ずつ多く、これが貢献する形となった(【日本フードサービス協会:発表リリースページ】)。

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今調査はファストフードやファミレス、パブレストランや居酒屋、ディナーレストラン、喫茶店などを対象としている。対象数は事業者数が205、店舗数は3万9662店舗。今回月は前回月と比較すると事業社数は増加、店舗数も増加している。

全業態すべてを合わせた2020年2月度売上状況は、前年同月比で104.8%となり、4.8%の増加を記録した。これは前回月から継続する形で4か月連続の増加。前年同月と比べると日取り(休日や土曜日の日数)の上では休日土曜日それぞれ1日ずつ多く、売上にはプラスの影響。さらに今年の2月はうるう年のため日数そのものが前年同月と比べて1日多く、これもプラス。気象環境では雨天日は東京は変わらず・大阪は多く、平均気温は東京・大阪ともに高めのため、客足への影響判断はいくぶんプラスに働いたと解釈できる。

業態別ではファストフードが大いに健闘、ファミリーレストランも焼き肉や中華が奮闘し、結果としては売上はプラス。

業態別に詳しく動向を見ると、ファストフードは全体では前回月から続く形で49か月連続のプラス(プラス9.8%)。ハンバーガーチェーン店がメインの洋風だが、そのメイン企業となるマクドナルドは、2014年夏からの相次ぐトラブルをきっかけとした多様な問題点の露呈による低迷から復活の動きを見せている。今回月では「引き続き期間限定商品やお得なランチメニューの好調に加え、テイクアウト、宅配、ドライブスルーなどが好調」とあり、「ちょいマック」の展開や、新型コロナウイルスの影響で外出・多人数が集まる場所への来訪・滞在を控える動きに絡み、テイクアウトなどのスタイルが大いに活用される形となったようだ。

その洋風は客単価がプラス5.6%、客数はプラス8.0%となり、売上高は14.0%のプラス。なおマクドナルド単体の2020年2月における営業成績はプラス14.7%(売上、既存店、前年同月比)とプラスを示している。

牛丼チェーン店を含む和風は、客数はプラス3.8%、客単価はプラス4.6%と成し、売上はプラス8.6%。「牛丼各社で電子決済の40%還元キャンペーンが好調」とリリースにはあり、電子決済での割引に釣られたようである。

ファミリーレストラン部門は客数ではマイナス0.6%、客単価はプラス2.7%、売上はプラス2.0%。洋風・和風合わせて「月後半を中心に新型コロナの影響で客数減が顕著だったものの、うるう年や休日増などの特殊要因に助けられ」とあり、新型コロナウイルスの影響で来客が大きく減ったことが足を引っ張ったようだ。見方を変えれば日取りが通常通りならばもっと大きなマイナスを示していたことになる。他方「焼き肉」は「店によりまちまちであったが、メディア露出や半額キャンペーンが奏功したところや、休日の多い曜日周りもあり」とコメントされており、客数はプラス27.2%となり売上もプラス24.4%と大きなプラスを示した。

パブ/居酒屋部門では、居酒屋の売上はマイナス4.8%、パブ・ビアホールの売上はマイナス9.6%。部門全体では売上はマイナス5.5%を示した。「立地や客層により新型コロナの影響に差があり、若年層やプライベート需要の多い店では影響が比較的少なかった一方、観光地立地や法人の宴会需要が多い店は月後半を中心に大きな打撃を受けた。自粛要請が出された2月最終週以降は、多くの企業で売上が落ち込んだが、うるうによる日数増等でいくぶん緩和され」と説明されており、新型コロナウイルスの影響を直接、間接的に大きく受けた形となった。こちらもファミレス同様、日取りが通常通りならばこれ以上に大きくマイナス値を出していたことになる。

ディナーレストラン(高級レストランに代表されるリッチスタイルな専門飲食店)は客数はマイナス3.2%、客単価はプラス0.7%で売上はマイナス2.6%を示した。「新型コロナの影響で観光地立地や法人の宴会需要が中心の店では集客減が目立ち」との説明がある。

今回月で36回目となるプレミアムフライデーの影響だが、解説コメントでは一切そのフレーズは確認できなかった。

↑ 外食産業前年同月比・全店データ(2020年2月分)
↑ 外食産業前年同月比・全店データ(2020年2月分)

新型コロナウイルスの
影響は業態によりけり。
長時間閉鎖空間に滞在を
するスタイルの業態が
おおよそ軟調に。
ただし焼き肉だけは別扱いで
大きな伸びを示す。
2014年4月の消費税率改定に伴う消費性向の減退影響も直接的にはあまり生じなかった外食産業だが(今件各種公開値は税抜比較で行っているため、消費税率引き上げに伴う「税込の」売上上昇は、公開される業績動向には直接は影響を与えない)、2014年夏における天候の悪化、そして中国産鶏肉食材問題と2つのイレギュラー的なマイナス要素が足を引っ張り、むしろ状況は2014年夏以降は低迷感をぬぐえない状態が続いていた。特に後者は食材問題自身の影響に加え、それをきっかけとして業界の一部部門(ファストフード・洋食)における根本的な問題が露呈する形となった。大きな社会問題化した異物混入事件まで加わり、2014年夏以降大きなシェアを有するマクドナルドに相次いでいる状況に、ファストフード部門、さらには外食産業全体が多分に振り回されている感はあった。

2015年7月からは軟調化開始から1年が経過することもあり、該当事業の「前年同月比における」マイナス幅は縮小。そして昨今ではヒット作も相次ぎ、数字の上でも明らかに復調している。現在はかつて自他ともに認められていた「洋風、そしてファストフード全体のけん引役」の立場に戻り、月次で毎月のように売上高の前年同月比1割前後のアップを示している。今後どこまで良好な数字を見せ、さらには外食全体の機関車的役割を果たすのか楽しみではある。

ファストフード内の和風のメインとなる牛丼チェーン店だが、吉野家を中心にこれまでの廉価店の店舗イメージから少しずつ、そして確実に、ワンステップ上の価格帯における商品展開を行う業務スタイルにシフトしている。客数の減退と客単価の上昇が連動して起きる状況が継続し、中期的戦略転換が数字となって表れている。

ファミレスは2016年以降は、雰囲気的にそれまでのような好調さとは異なる様相が見えつつある。中食に多分に客を奪われている感はあるが、もう少し状況を眺めたいところ。客数の伸び悩みが顕著ではある。報告書でも「客足が伸びない最近の傾向」との表記があるほど。しかし焼き肉だけは例外で、客数が伸び続けており、ファミレス部門におけるトレンドが変化しているのだろう。チェーンストアでも精肉部門は堅調なことから、食生活の変化の波に乗っているようだ。

吉呑み現在は可処分所得の減少、中食へのシフト、お酒を飲む機会の変化など、居酒屋にはマイナスとなる環境の変化の真っただ中にある。もっとも居酒屋の業態そのものが時代に取り残されたわけでは無い。牛丼チェーン店の吉野家が運用している「吉呑み」が堅調さを示し、適用店舗数を続々と増やしている。最近ではスマートフォンのアプリと連動する形でのボトルキープなる手法も導入し、さらに注力度を高めている。

牛丼業界の動きやディナーレストランの動向を併せ見ると、外食産業でも消費の二極化が進んでおり、中庸的なポジションの市場が縮小している感は否めない。また消費者の中食志向の拡大や高齢化により、客の一部が奪われている・遠のいている雰囲気も見受けられる(特に持ち帰りができないファミリーレストラン)。吉野家やマクドナルドが夕食メニューに力を入れているのも、高齢化に併せた動きの可能性も否定できない。さらにこれらの動きは総じて、客単価の引き上げという戦略目標にもつながっているとの解釈もできる。客単価の引き上げはファミリーレストランにも生じており、こちらも結果としては売上維持、さらには売上増につながる成果を示している。

なお新型コロナウイルスの影響だが、全体概況のコメントでは「業態、立地等によって明暗が分かれた。FFが好調な持ち帰り需要に支えられ上振れした一方、DR・居酒屋業態は、インバウンドや宴会需要の減少から、月の後半、特に政府から大規模イベントなどの自粛要請が行われた最終週以降は、客足が減少し売上への打撃が目立った」とある。次回月の3月ではさらなる二極化が顕著な形で生じることだろう。


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