PCもモバイルも寡占状態な検索エンジン事情(2014年)

2014/08/27 11:30

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多種多様な情報に満ちあふれるインターネット界隈では、道を尋ねる際に足を運ぶことが多い交番のように、適切な道案内をしてくれる立ち位置の検索エンジンの利用が欠かせない。その検索エンジンのシェア状況について、総務省が2014年7月15日に公開した、2014年版となる最新の【情報通信白書】の公開情報を基に、現状を確認していくことにする。


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次のグラフは海外のアクセス解析サービスのStatCounter GlobalStatsのアクセス解析をベースにした各検索エンジンのシェア推移。要はどれだけ各検索エンジンが使われているかということだが、集計上特定地域にシェアが偏った検索エンジンは低めの値が出てしまうものの、Googleが圧倒的なシェアを占めている現状が確認できる。

↑ 世界の検索エンジンのシェア(パソコン)
↑ 世界の検索エンジンのシェア(パソコン)

タブレット型端末の浸透の際の奮闘で少しずつbingもその値を伸ばしているが、一方でYahoo!は減退。統計資料によってはGoogleとYahooが競り合う状況も見たことがあるが、少なくとも今件結果ではGoogleが8割から9割のシェアを有し、ほぼ独占状態にある。もっとも例えば中国国内で限定すれば、Baiduが似たような状況になるのだろう。また日本のみで調査すれば、Yahoo!がGoogleと同率か、あるいはパワーバランスが逆転しているかもしれない。

これをモバイルの分野で見ると、さらにGoogleの圧倒感が確認できる。

↑ 世界の検索エンジンのシェア(パソコン)
↑ 世界の検索エンジンのシェア(パソコン)

やはり最近に近づくに連れてbingが少しずつシェアを拡大しているが、それも事実上誤差の範囲でしかない。Googleが9割強を占めており、検索=Googleという実情がうかがえる。昨今ではスマートフォンを用いてインターネットへアクセスする人が急激に増えており、その点ではGoogleの検索方面におけるデファクトスタンダード化が見て取れる。

白書ではこの状況について「ネットワーク効果」、具体的には利用者が増えれば増えるほど利用対象の便宜性が増して価値が高まり、さらに多くの人を引き付ける魅力となる状況の結果、寡占状態が生じたと説明している。単独店舗よりも商店街化した方が集客効果が期待できるようなものである。

一方で商店街の場合は個々の店舗が独立しているので内部での競争や監視がかなうものの、今件のような場合は一社による寡占化のため、その弊害も生じていることは否めない。独善的な方向に走りやすいのもその一つ。

健全な市場、環境全体の進歩発展のためには、適度な競合の存在と競争による「共創」的状況が望まれるのだが、検索エンジンにおいては現状を見る限り、なかなか難しいと言わざるを得まい。


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