食料品は内食需要増加が貢献、他方衣料品は苦戦、住関品は消費税率引き上げでの駆け込み需要の反動で軟調…2020年9月度チェーンストア売上高、前年同月比マイナス4.6%

2020/10/22 10:10

このエントリーをはてなブックマークに追加
2020-1022チェーンストア(スーパーマーケットやデパートなど)の業界団体である【日本チェーンストア協会】は2020年10月21日付で同協会公式サイトにおいて、チェーンストアの2020年9月度分販売統計速報(月報)を発表した。その内容によると2020年9月は新型コロナウイルスによる外出自粛やテレワークの急速な浸透という環境下で家庭内での食料品の消費需要が増え、食料品が増加。他方衣料品は外出自粛やイベトン中止の影響から苦戦、住関品は家電製品を中心に前年同月における消費税率引き上げ直前の駆け込み需要の反動があり軟調となった結果、売上総額の前年同月比はマイナス4.6%(店舗調整後)を示す形となった(【同協会内発表リリース一覧ページ】)。

スポンサードリンク


今データは協会加入の56社・10851店舗に対して行われた調査結果によるもの。店舗数は前回月比で4店舗減、前年同月比で336店舗増加している。売場面積は前年同月比104.1%となり、4.1%の増加。売場面積あたりの売上額は前年同月比でマイナス4.2%を示す形となった。

各主要分野別では前年同月比でそれぞれ次のような値を示している。数字はすべて店舗調整後(いわゆる「既存店」)。店舗の増減が売上に反映され、各店舗の実態を確認する際に状況が困難にならないよう、昨年同月の時点では存在していない店舗の分を除いた値で算出されている。

■総販売額……1兆0150億5425万円(前年同月比95.4%、▲4.6%)

・食料品部門……構成比:69.8%(前年同月比101.0%、△1.0%)

・衣料品部門……構成比:5.4%(前年同月比76.5%、▲23.5%)

・住関品部門……構成比:19.1%(前年同月比86.6%、▲33.4%)

・サービス部門…構成比:0.2%(前年同月比88.5%、▲11.5%)

・その他…………構成比:5.5%(前年同月比80.6%、▲14.0%)

※販売金額には消費税額は含まず

外出自粛環境を受けた
内食需要の喚起と
相場高で食料品は増加。
衣料品は客足の遠のきで
減少に。
住関品は消費税率引き上げ直前の
駆け込み需要の反動で鈍る。
農産品は玉ネギ、キャベツ、じゃがいも、人参、トマト、きゅうり、なす、ピーマン、長ネギ、長芋、かぼちゃ、アスパラガス、きのこ類、カット野菜などの動きはよかったがブロッコリー、ミニトマトなどが不調。果物ではぶどう、すいか、りんご、シトラス、バナナ、キウイフルーツ、オレンジ、アボカドなどの動きはよかったが、桃、梨、柿は不調。 無駄を省く、手間をかけずに使えるカット系のセットは昨今のトレンドではあるが、個別商品の相場が高い時にはとりわけ人気が出る。そして相場安で農産品が不調な時にもカット野菜はよく動いており、野菜の相場動向を問わずに需要が高まっている感はある。

畜産物は鶏肉、牛肉、豚肉ともに好調。鶏卵も加工肉も好調。精肉の好調さに関しては堅調さが続いており、消費性向的に肉食へのシフトが起きていると考えられる。

水産品は刺身、まぐろ、ぶり、たい、たこ、生鮭、切身、うなぎ、塩さば、魚卵、冷凍魚、ちりめん、干物などの動きはよかったが、生かつお、さんま、塩鮭、ししゃも、海藻類などの動きはいまいち。惣菜では温惣菜は不調、要冷惣菜は、洋・和惣菜ともに不調。弁当、寿司はまずまずの動き。その他の食品では乳製品、乳酸菌飲料、ヨーグルト、冷凍野菜、冷凍食品、麺類、鍋物関連、インスタント麺、ホットケーキミックス、パスタ類、納豆、漬物、練物、シリアル、はちみつ、調味料、インスタントコーヒー、珍味・菓子類、酒類などは好調だったが、米、飲料、牛乳、佃煮、豆腐、パン類、チョコレート、和菓子などの動きは鈍かった。

衣料品ではジャケット、カットアウター、長袖Tシャツ、カジュアルシャツ、パンツなどが堅調。スーツ、スラックス、ドレスシャツ、フォーマル、トップス、ボトムなどが軟調。住関品では日用雑貨品はキッチン用品、TVゲーム、文具、書籍、エコバッグ、ポリ袋、カセットボンベ、手芸・毛糸、たばこなどの動きは好調だが、ランドセル、ステンレスボトル、フライパン、ペーパー類、玩具、学需関連、タオルなどが伸び悩み。家電製品ではエアコン、サーキュレーター、調理家電、炊飯器、懐中電灯、乾電池・管球などが堅調だが、冷蔵庫、洗濯機、液晶テレビ、食器洗い機などの動きは鈍い。医薬・化粧品ではボディ・ハンドソープ、除菌ジェル・シート、マスク、芳香剤などの動きがよく、カウンセリング化粧品、スキンケア、シャンプー、衣料用洗剤・柔軟剤、防虫剤などが軟調。

「その他」項目は前回月から継続する形で軟調さを見せ、マイナス14.0%。サービスもマイナス11.5%と大不調。サービスは旅行関係やチケット販売などが他の業種(多分にインターネット経由やコンビニ販売だろう)に奪われているのが実情で、今回月は新型コロナウイルスによる外出自粛を受け、その類の需要そのものが減少している、さらには供給もまた減少しているのも大きな要因だろう。

今回月となる9月は8月同様に新型コロナウイルスの流行という特殊要因があり、それ以前と需給が大きく変化した結果が明確に出ている。さらに今回月は前年同月が、消費税率引き上げ直前月だったため、駆け込み需要の反動が生じ、住関品が大きなマイナスとなり、全体を引っ張る形となった。

10月は外出自粛・リモートワークといった状況に変わりはない。結果もさほど変わらず、食料品がけん引する形となるのだろう。また、消費税率引き上げ後最初の月との比較となるため、住関品は反動による底上げが期待できよう。


■関連記事:
【定期更新記事:チェーンストア(日本チェーンストア協会発表)】(過去記事一覧)
【スーパーやデパートの主要商品構成比の移り変わりをグラフ化してみる】
【スーパー・デパートの衣料品の移り変わりをグラフ化してみる】
【「卵が高値をつけているのは、円安のせいだ、政策のせいだ、政府のせいだ」とつまみ食い的印象論の怖さ】

スポンサードリンク


関連記事


このエントリーをはてなブックマークに追加
▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2020 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー|Twitter|FacebookPage|Mail|RSS