相場高で農産品が堅調、住関品も伸びを示す…2016年10月度チェーンストア売上高、前年同月比プラス0.6%

2016/11/22 05:07

チェーンストア(スーパーマーケットやデパートなど)の業界団体である【日本チェーンストア協会】は2016年11月21日付で同協会公式サイトにおいて、チェーンストアの2016年10月度分販売統計速報(月報)を発表した。その内容によると2016年10月は相場高の影響を受けて農産品が好調、衣料品は高気温を受けて冬物が伸び悩み、詳細区分すべてでマイナスを計上したが、住関品が健闘を見せてプラスを示したこともあり、売上総額の前年同月比はプラス0.6%(店舗調整後)を示す形となった(【同協会内発表リリース一覧ページ】)。

スポンサードリンク


今データは協会加入の57社・9424店舗に対して行われた調査結果によるもの。店舗数は先月比で2店舗増、前年同月比で118店舗増加している。売り場面積は前年同月比100.3%となり、0.3%ポイントの増加。売り場面積あたりの売上額は前年同月比でプラス0.8%ポイントを示す形となった。

各主要分野別では前年同月比でそれぞれ次のような値を示している。数字はすべて店舗調整後(いわゆる「既存店」)。店舗の増減が売上に反映され、各店舗の実態を確認する際に状況が困難にならないよう、昨年同月の時点では存在していない店舗の分を除いた値で算出されている。

■総販売額……1兆0828億2238万円(前年同月比100.6%、△0.6%)

・食料品部門……構成比:65.1%(前年同月比101.5%、△1.5%)

・衣料品部門……構成比:8.6%(前年同月比93.7%、▲6.3%)

・住関品部門……構成比:20.1%(前年同月比101.0%、△1.0%)

・サービス部門…構成比:0.2%(前年同月比81.0%、▲19.0%)

・その他…………構成比:6.0%(前年同月比101.7%、△1.7%)

※販売金額には消費税額は含まず

高気温のため
冬物商品が伸びず
衣料品はかなりの苦戦。
他方相場高で
食料品は大いに伸び
住関品も意外に健闘
全体としてはプラスを計上。
食料品では白菜や大根、たまねぎ、じゃがいも、人参などの根菜類やカット野菜は好調だったが、キャベツやレタスなどの葉物、トマトやブロッコリーは不調。果物ではかんきつ類やりんごなどは良い動きを示した。畜産物は加工品以外は大よそすべて堅調で、鶏卵も好調。精肉の好調さはここ数か月変わらない動き。消費性向的に肉食へのシフトが起きている可能性が高い。水産品は刺身の盛り合わせ、マグロなど比較的単価の高い商品が堅調なものの、さんま、いかなどは鈍い。惣菜は列挙された区分わけすべてが堅調で、精肉類と共に昨今のトレンドとしての総菜の動きの良さが感じ取れる。コンビニ業界の月次報告でもここしばらくは惣菜の堅調さが特記事項として記されており、中食需要が喚起されている感は強い。その他の食品では米、乳酸菌飲料、酒類、冷凍食品になどが好調。麺類は苦戦。

衣料品では気温の高さを受けてか冬物系が全般的に不調。セーターやニットなど、この時期から動き出す秋冬物で男女子供向けを問わず苦戦している。住関品は冬に動きやすいエアコンやホットカーペットは鈍いが、それ以外は大よそ堅調。家電商品でも冷蔵庫、洗濯機、レコーダー、掃除機、ホットプレート、電池などが売れている。

「その他」項目は前月から転じて堅調さを見せ、プラス1.7%。一方でサービスは19.0%と大きなマイナス幅を示し、旅行関係やチケット販売などが他の業種(多分にインターネット経由やコンビニ販売だろう)に奪われ、厳しい状態にあることがうかがえる。

なお今回月の比較対象となった1年前の2015年10月ではサービス部門・その他以外はプラスを計上し、上げ幅も1.8%から4.5%とそれなりに大きなものとなっている。その反動がある中で、衣料品はともかく食料品と住関品は引き続きプラスを示しており、堅調な様子がうかがえる。他方、気象状況に大きな影響を受けたとはいえ、衣料品のマイナス7.0%は、前年同月のプラス4.5%の反動を超えた下げ幅であり、その軟調度合いが懸念視されるところではある。

今回計測月では天候不良や自然災害による野菜などの高騰の影響が生じている時期の結果となるが、売り上げはプラスとなった。高値感に伴う少なからぬ買い控えは生じているはずだが、食料品は一定量は必要不可欠となるため、値上がりによる売り上げアップの方が大きな影響として現れたようだ。

今年は平年と比べて気温が高めな一方で、北海道や九州など一部地域では雨量が多く、また台風の数が少ないとの懸念が生じた直後に相次ぎ台風が到来するなど、不安定な天候状態にある。季節感にあった気候状況となれば、その季節向けの商品はセールスを伸ばすが、タイミング次第では次の季節の商品のセールスが落ち込んでしまう。また、梅雨時の雨や、秋口の台風、天候不順のように、客足を引っ張る≒売り上げを落とす要因となるものもあり、天候で大きな影響を受けるビジネスの難しさを体感させる。

次回分となる11月分は、野菜の高騰は続いているが、その一方で寒さも厳しさを覚えるものとなっていることから、冬物もそれなりに動きを見せ、衣料品の売り上げも相応の背伸びを見せるのものと思われる。他方、天候悪化となれば客足が遠のくため、全体の売り上げが頭打ちを見せるかもしれない。


■関連記事:
【定期更新記事:チェーンストア(日本チェーンストア協会発表)】(過去記事一覧)
【スーパーやデパートの主要商品構成比の移り変わりをグラフ化してみる】
【スーパー・デパートの衣料品の移り変わりをグラフ化してみる】
【「卵が高値をつけているのは、円安のせいだ、政策のせいだ、政府のせいだ」とつまみ食い的印象論の怖さ】

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2016 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー