前年同月の反動大きく食料品はマイナスだが…2021年4月度チェーンストア売上高、前年同月比プラス6.0%

2021/05/26 14:34

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2021-0526チェーンストア(スーパーマーケットやデパートなど)の業界団体である【日本チェーンストア協会】は2021年5月26日付で同協会公式サイトにおいて、チェーンストアの2021年4月度分販売統計速報(月報)を発表した。その内容によると2021年4月は前年同月における内食消費急増の反動を受ける形でマイナスとなったものの、衣料品・住関品ともに前年同月の大幅減の反動を受け、さらに衣料品は季節物に動きがあり、住関品もそれなりの堅調さを見せたため、売上総額の前年同月比はプラス6.0%(店舗調整後)を示す形となった(【同協会内発表リリース一覧ページ】)。

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今データは協会加入の56社・11804店舗に対して行われた調査結果によるもの。店舗数は前回月比で15店舗増、前年同月比で1034店舗増加している。売場面積は前年同月比107.0%となり、7.0%の増加。売場面積あたりの売上額は前年同月比でマイナス0.5%を示す形となった。

各主要分野別では前年同月比でそれぞれ次のような値を示している。数字はすべて店舗調整後(いわゆる「既存店」)。店舗の増減が売上に反映され、各店舗の実態を確認する際に状況が困難にならないよう、昨年同月の時点では存在していない店舗の分を除いた値で算出されている。

■総販売額……1兆0815億8782万円(前年同月比106.0%、△6.0%)

・食料品部門……構成比:67.2%(前年同月比96.8%、▲3.2%)

・衣料品部門……構成比:5.9%(前年同月比174.3%、△74.3%)

・住関品部門……構成比:21.2%(前年同月比116.2%、△16.2%)

・サービス部門…構成比:0.3%(前年同月比137.3%、△37.3%)

・その他…………構成比:5.7%(前年同月比106.9%、△6.9%)

※販売金額には消費税額は含まず

外出自粛環境と
感染拡大による
内食需要の喚起で
食料品は堅調だが
前年同月との比較で
マイナスに。
医療品・住関品は
前年同月の反動で底上げ。
さらに衣料品は季節物が
動いて堅調、
住関品は家電製品が堅調。
農産品はきゅうり、なす、ピーマン、筍、豆類、カット野菜などの動きはよかったが、キャベツ、白菜、大根、人参、長ねぎ、ブロッコリー、きのこ類などが不調。果物では輸入ぶどう、すいか、メロン、キウイフルーツ、カットフルーツなどの動きはよかったが、りんご、バナナ、ドライフルーツなどは鈍かった。 無駄を省く、手間をかけずに使えるカット系のセットは昨今のトレンドではあるが、個別商品の相場が高い時にはとりわけ人気が出る。そして相場安で農産品が不調な時にもカット野菜はよく動いており、野菜の相場動向を問わずに需要が高まっている感はある。最近は色々な野菜の組み合せをすることで種類も多様になっている。

畜産物は牛肉、豚肉、鶏肉すべて不調。鶏卵も加工肉も不調。精肉の好調さに関しては堅調さが続いており、消費性向的に肉食へのシフトが起きていると考えられる(今回月の不調は冒頭にある通り、前年同月における内食急増の反動によるものだろう)。

水産品は刺身盛合せ、刺身、まぐろ、かつお、サーモン、いか、うなぎ、しらす、魚卵、貝類などの動きはよかったが、まあじ、たこ、塩蔵加工品、漬け魚、海藻類などの動きはいまいち。惣菜では温惣菜は揚げ物、スナック、中華、焼き鳥は好調だった。要冷惣菜は、洋総菜・和惣菜ともにそこそこ。弁当、寿司は堅調。その他の食品では飲料、アイスクリーム、冷蔵麺、佃煮、豆腐、酒類、ノンアルコール飲料などは好調だったが、米、乳製品、牛乳、ヨーグルト、食パン、冷凍食品、パスタ類、ピザ類、粉類、麵類、調味料、缶詰、納豆、シリアルなどの動きは鈍かった。食料品全体では売上の数字そのものは堅調だったようだが、前年同月は新型コロナウイルスの日本国内での流行による外出自粛が本格的なものとなっていた月でもあり、その他食品の中でも保存性のあるものに特需が発生しており、それとの比較となるためマイナスを示してしまっている。

衣料品ではスーツ、フォーマル、ドレスシャツ、カジュアルシャツ、ポロシャツ、Tシャツ、スラックス、シャツブラウス、ニットなどが堅調。スラックス、トレーナー、スカートなどが軟調。

住関品では日用雑貨品はランドセル、マグボトル、弁当箱、TVゲーム、入学関連商品、すだれなどの動きは好調だが、ペーパー類、ウエットティッシュ、ペーパータオル、子供紙おむつなどが伸び悩み。家電製品では大型冷蔵庫、液晶テレビ、ブルーレイレコーダー、空気清浄機、扇風機などが堅調だが、エアコン、調理家電などの動きは鈍い。医薬・化粧品ではカウンセリング化粧品、洗濯用洗剤、オーラルケア、UVケア、マスク、防虫・除湿剤、芳香剤、殺虫剤などの動きがよく、体温計、ボディケア、メンズフェイスケア、台所用洗剤、漂白剤、住居用洗剤、ハンドソープ、除菌ジェルなどが軟調(前年同月に新型コロナウイルス流行直後に大きく動いた商品が、前年同月比の勘案上落ち込んでしまっているのがよく分かる)。

「その他」項目は前回月から転じる形で軟調さを見せ、マイナス7.4%。サービスはプラス37.3%と好調。サービスは旅行関係やチケット販売などが他の業種(多分にインターネット経由やコンビニ販売だろう)に奪われているのが実情だが、今回月は前年同月の反動の意味合いが大きいのだろう。

今回月となる4月は3月同様に新型コロナウイルスの流行という特殊要因があり、さらにその感染が拡大・状況の悪化が生じ、一部地域でのまん延防止など重点措置や緊急事態宣言などの再発出ということもあり、人々の行動抑制が強いものとなっている。衣料品や住関品の大幅プラスは、あくまでも前年同月に生じた外出自粛などによる客数減少や店舗の自主休業を起因とする大幅マイナスの反動でしかない。次回月の2021年5月も食料品の前年同月との比較による軟調さや、衣料品・住関品の反動によるプラスなど大勢に変化は無いだろう。


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