「自宅に固定電話アリ」は8割強、20代なら6割を切る

2014/08/21 15:00

ライフメディアのリサーチバンクは2014年8月20日、固定電話に関する調査結果を発表した。それによると調査対象母集団においては、自宅で固定電話を導入している人は8割強に達していることが分かった。回答者の年齢が歳を経るほど高い値を示し、60代以上では9割を超える値を示している(【発表リリース:固定電話に関する調査】)。

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今調査は2014年8月6日から8月8日にかけて20歳以上の男女に対しインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1500件。男女比、10歳区切りの年齢区分(60代は60歳以上)で均等割り当て。

携帯電話の浸透と共にその必要性が問われ始めている固定電話。日本の場合は特に加入権の問題もあるため保有し続ける事例が多いが、それでも海外同様に携帯電話が代替機として世帯・個人ベースで使われるようになるに連れ、撤去する、さらには元から所有しない事例が増えている。

今調査対象母集団に対し、自分が所属する世帯・自宅で固定電話を導入しているか否かを聞いたところ、一般の固定電話以外にIP電話、その他の部類の固定電話も合わせ、導入していると答えた人は81.2%となった。固定電話が無い人は18.8%に達している。

↑ 自宅で固定電話を導入しているか
↑ 自宅で固定電話を導入しているか

回答者が世帯主であるとは限らず、所属世帯に回答者とは別の世代の人が居て、その人が世帯主である可能性もある。また、回答者が一人暮らしでないこともありうる。そのため、回答者の世代と、世帯主の世帯における固定電話導入率とは多少のずれが生じることもあるが、大よそ世帯動向に沿った値が出ている。つまり、若年層ほど固定電話導入率が低く、高齢層ほど高いということだ。

興味深いのは一般の固定電話導入率には大きな差異が無いこと。世代別の差異は精々最大で8%ポイント足らずでしかない。世代別の固定電話の保有の有無は、IP電話の利用をしているか否かで差が生じていることになる。「固定電話が必要だが一般のは費用が高いのでIP電話にする」「(携帯電話で十分なので)IP電話も含めて固定電話は要らない」。この2選択肢の境界線上にある人のうち、若年層では要らない派、歳を取るに連れてIP電話派が増えてくるように見える。

ではIP電話も含め、なぜ固定電話を導入しているのか。これは携帯電話オンリーの人には大いに気になる話ではある。

↑ なぜ固定電話を導入しているのか(導入者限定、複数回答)
↑ なぜ固定電話を導入しているのか(導入者限定、複数回答)

最上位は「通話のため」。いや、携帯電話でも通話は出来るではないかとする反論もある。あるいは回答者の多分は「携帯電話でも別にかまわないのだが、固定電話で通話できるし慣れているから、わざわざ撤去する必要はない」とする心境なのだろう。あるいは(IP電話はともかく)万一停電などの事態に陥っても、回線確保が成されていれば通話は出来る可能性が高いことを意味しているのかもしれない。また、通話を行う各関連方面に周知している電話番号を利用するためなどの意味もあろう(これは多分に「緊急連絡用に」にも重複該当する)。

続いて「FAX利用のため」。昨今では電子メールによる送信機会も増えてきたが、ビジネス利用を中心に、FAXの必要性はまだ高い。通話は携帯電話でも可能だがFAXは難しい、だから固定電話(回線)の維持が必要だとする意見。似たような理由は「インターネット回線利用のため」も当てはまる。こちらはxDSL回線を利用するためのもの。またケーブルテレビでインターネット契約を結ぶ際に、固定電話(この場合はIP電話となる)とのセットが前提となるもの、セットの方が価格が安くなる事案も該当する。

トップの「通話のために使っていて、わざわざ撤去する必要はない」に近いのが「加入権があるから」。せっかく持っているのだから使わない手はない、というものだ。

以前は固定電話所有が当たり前で、社会的・安定的地位の後ろ盾的な意味も有しており、何らかの契約の際に固定電話の番号を書かないと、受け付けを断られる場合が多々あった。昨今では固定電話を持たない世帯も増えてきたため、そのような事例は少なくなっている。とはいえ、今でも「信頼性のために」固定電話を保有している人も2割ほど確認できる。



「既存の仕組みをわざわざ無くすことは無い」「慣れているから」的な感覚で高齢者を中心に固定電話は利用され続け、最初から携帯電話に慣れ親しんでいる若年層は改めて別途回線を用意するまでも無いとの認識で、固定電話は使わない。電話利用のスタイルの変化がうかがえる。また固定電話は基本的に世帯単位、携帯電話は個人単位での利用であることから、電話などによるやり取り(さらにはそこから情報の伝達様式)が世帯間から個人間へとシフトする、社会的な変化も垣間見させてくれる。

ちなみにリサーチバンクでは2年ほど前の2012年3月にも同様の調査をしている。その時と今回の固定電話導入率とを併記したのが次のグラフ。

↑ 自宅で固定電話を導入しているか(2012/3、2014/8)
↑ 自宅で固定電話を導入しているか(2012/3、2014/8)

高齢層ではあまり変化が無く、むしろイレギュラー的に増えている世代もあるが、概して導入率は下がっている。特に30代から40代の減退率が大きい。今後もこの動きは漸次進んでいくのだろう。


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