全体平均18万円足らず、男性19万円・女性17万円…将来もらえると予想する年金額

2014/08/21 11:30

高齢化社会の進展と共に、大きな社会問題として物議をかもしているのが年金問題。現在年金を受給している人と、年金保険料を支払っている人との間に生じる、生涯支払額と受取額の差異に関する不公平感は、事あるごとにクローズアップされ、テレビの視聴率を上げ、経済誌のセールスを伸ばし、新聞系・一部煽動系サイトのアクセス数をうなぎ上りにさせる。それでは現実問題として、年金受給を間近にひかえた、あるいは手が届く範囲の年齢にある人たちは、自分達がどれほどの年金を受給できると考えているのだろうか。内閣府が2014年6月13日に発表した、高齢期に向けた「備え」に関する意識調査の結果から、実情を確認していくことにする(【発表リリース:高齢期に向けた「備え」に関する意識調査】)。

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今調査は2013年11月28日から12月31日にかけて、層化二段無作為抽出法によって選ばれた全国の35歳から64歳の人に対し、郵送配布・郵送回収方式で行われたもので、有効回答数は2707人。

調査対象母集団に回答者自身が高齢期に達した時、自分の「世帯」では国から公的年金を月額幾らぐらい受給できるか、その目論見を尋ねた結果が次のグラフ。各種公的資料やウェブサービスで試算する手段はあるが、その試算を知り得る、さらに社会情勢の変化による仕組みの変更も個別で考慮した上での話。また、回答者は一人暮らしや夫婦生活者など多彩な世帯構成だが、それらを全部まとめての結果であることに注意。

↑ 自分が高齢期になったら、自分の世帯では国から年金(国民年金・厚生年金等)を毎月どれ位受け取れると思うか。
↑ 自分が高齢期になったら、自分の世帯では国から年金(国民年金・厚生年金等)を毎月どれ位受け取れると思うか。

ボリュームゾーンは10万円台から20万円台前半。現在の支給額は想定状況で多種多様な形となるが、高齢者世帯の平均的な家計収支の観点で見た場合、単身世帯は11万円強、夫婦世帯は20万円強なので、大体現状に合った金額といえる。

一方、上記でも触れている通り、社会情勢の変化に伴い受給ルールが変わることを予想し、あるいは年金保険料の支払いを滞る・不十分な人もいることから、それより低い額面を提示している人も少なくない。さらには「分からない」「受取れない」との回答者もそれなりに確認できる。

これを多様な属性別に仕切り直して集計し、その平均額を算出したのが次のグラフ。

↑ 自分が高齢期になったら、自分の世帯では国から年金(国民年金・厚生年金等)を毎月どれ位受け取れると思うか。(平均、万円)
↑ 自分が高齢期になったら、自分の世帯では国から年金(国民年金・厚生年金等)を毎月どれ位受け取れると思うか。(平均、万円)

現状から察するに、時代の経過と共に受給額が低下することを予想する人が多いからか、現在の年齢が若い人ほど受給予想額が低くなっているのが特徴。また女性よりも男性、独身者よりも配偶者がいる・いた人の方が高めの値が出ているが、これは制度上の問題。

同じ既婚者でも配偶者が死別した場合と離別した場合とでは死別した方が高い額が予想値として出ているが、これも現在の年金制度に沿ったものによるもの。詳細は関連する組織などに問い合わせるなり調べてほしいが(この話だけで一つの記事が出来てしまうほどで、しかも現在関連制度の改変の真っ最中の状態である)、一般の人における認識としてはこのような形となる。

受取時の物価などは今から予想が出来ないが、これだけの金額で生活資金が充足できるかと考えれば、正直難しい。現状の年金生活においてですら取り崩しが前提となっていることを考えれば、明らかなのは言うまでもない。



ちなみに「自分が高齢期になった時点で年金がもらえない」と考えている人の割合は次の通り。国民年金保険料を支払っていない人も含むが、多分に社会環境の変化で年金制度が大きな変化をきたし、自分は貰えなくなるのだろうと考えている人はこれだけいることになる。

↑ 自分が高齢期になったら、自分の世帯では国から年金(国民年金・厚生年金等)を毎月どれ位受け取れると思うか。(もらえないと考えている人)
↑ 自分が高齢期になったら、自分の世帯では国から年金(国民年金・厚生年金等)を毎月どれ位受け取れると思うか。(もらえないと考えている人)

大よそ若年層の方が回答値は高く、40代前半ですら1割強の人は「自分が年金を受給できる歳になっても、年金はもらえないだろう」と答えている。報道や経済評論家らによる「啓蒙」の成果と呼ぶべきなのか、高齢化の進行など社会情勢の結果といえるのか、評価は多様だが、由々しき状況として把握しておくべきだろう。


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