3か月ぶりに上昇する市場観指標…野村證券、2017年1月分の個人投資家動向発表

2017/01/21 05:17

ノムラ個人投資家サーベイ野村ホールディングス(8604)のグループ会社野村證券の一部門であるグローバル・リサーチ本部は2017年1月20日、個人投資家の投資動向アンケート調査における結果報告書「ノムラ個人投資家サーベイ」の最新版(2017年1月分)を公開・発表した(【野村證券リリース一覧ページ】)。その内容によれば今後3か月後の株価見通しを調査対象母集団に尋ねた結果で算出される「ノムラ個人市場観指数」は、先月から転じる形で上昇し、37.4を示すこととなった。株価の先行きでは小規模な上昇を見通す意見が増え、小規模な下落を予想する意見が減っている。

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今調査は1000件を対象に(有効回答数が1000件に達した時点で締切)2017年1月10日から1月11日に行われたもので、男女比は82.1対17.9。年齢層は60代以上がもっとも多く38.6%、次いで50代が29.1%、40代が23.0%など。金融資産額は1000万円-3000万円が一番層が厚く28.9%、500-1000万円未満が18.5%と続いている。回答者の投資経験年数は20年以上が35.3%ともっとも多く、次いで10年-20年未満が31.2%。比較的長期間投資に携わってきた人が多い。

投資に対して重要視する点は、おおむね長期投資が最大値で47.4%と5割近くでもっとも多い。ついで配当や株主優待が25.5%と2割強。短中期間の売買に伴う売却益より、配当収入や優待確保などの中長期的な安定感を求める投資方針が多勢(7割強)を占めている。

詳細はレポートで確認してほしいが、概要的には次の通り。

・3か月後の株価見通しを示す投資指数は37.4ポイント。前回の31.4から6.0ポイントの上昇で先月から転じる流れ。この時期、日経平均株価は前月比で1000円強の上昇を示していたが、その時点において今後はさらに上昇を予想する人が増えた形となる。市場の上昇を勢いを受け、この状況はしばらく続くと考えた人が多かったものと考えられる。

・3か月後の日経平均株価の上昇を見込む比率は合計で68.7%。前月分の65.7%からは3.0%ポイント上昇。こちらも投資指数同様の動きを示している。「1000円程度上昇」「2000円程度下落」が増加し、「2000円以上上昇」「2000円程度上昇」「1000円程度下落」「2000円以上下落」が減少している。特に「1000円程度上昇」の回答率が大きく増加しており、もう一歩相場が先に進むとの市場観が強まっている様子がうかがえる。

・市場に影響を与え得る要因としては「国際情勢」が最大要因で、回答率は前回から大幅増加。「為替動向」はそれに続くが、回答率は減少。このツートップ状態に変化は無く、国内情勢は企業、政治、金利共に低回答率のまま。現在の市場観を如実に表している。

・魅力的な業種は「医薬品」「資本財・その他」「通信」「金融」「素材」「自動車」の順でここまでがDIではプラス。「電気機器・精密機器」「運輸・公共」「消費」がマイナス圏。「通信」は大きく伸びてプラス圏に転じたのが大きな動き。

・ドル円相場に対する見通しでは、やや円安ドル高を見込む声が大きくなっている。

・通貨への投資魅力は「アメリカドル」がトップで「日本円」が続く。次いで「オーストラリアドル」「カナダドル」がそれらの後に続き、そこまでがプラス。マイナス圏の通貨は大よそ前月からマイナス幅を縮小しているが、「中国元」は逆にマイナス幅を拡大しDIはマイナス49.8に。

・もっとも注目を集めた金融商品は「国内株式」。次いで「預貯金」「国内投資信託」「金」。

気になる「保有したい、注目していきたい銘柄」、つまり調査対象母集団における個人投資家が購入したいと考えている銘柄は、鉄板銘柄ともいえるトヨタ自動車(7203)がトップに。この鉄板ぶりは過度の円高の時期に同社株式が低迷した一時期をのぞけば、まさにダイヤモンドのごとし。

1位……トヨタ自動車(7203)
2位……ソフトバンクグループ(9984)
3位……みずほフィナンシャルグループ(8411)
4位……武田薬品工業(4502)
5位……三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)

トヨタ自動車以外も大よそ鉄板の銘柄ばかりで、変わった動きは特にない。為替レートの変動や金利動向を受けて、輸出産業や金融関連企業の順位が挙がっている・顔を見せているのが目立つ動き。



2016年は初頭から中国市場の急落、原油市場の低迷、さらに為替市場の急激な円高化と欧州における金融危機の再燃リスクの露呈、そしてイギリスのEU離脱の是非を問う国民投票の結果を受けた大規模な円高化、トルコにおけるクーデター未遂事案など、株式市場を大荒れさせる事象が相次ぎ、東京株式市場も不安定な状況が続いていた。11月の米大統領選挙が不安定要素の年末大売出しの最後で、後は円安化と株価上昇への動きに転じ、今年もそれが継続するかと思いきや、イギリスの「ハードブレグジット(強硬離脱)」懸念とその正式発表があり、再び市場は大きく揺れ動く形となった。また、米新大統領のトランプ氏の政策もまだ不透明感が強く、市場に与える影響も一喜一憂状態であることは否めない。

次回の調査時期にはある程度米国の方向性が見えてくるはずだが、市場はどのような反応を見せることになるのだろうか。


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