花王のトップ継続、商品別では携帯関連が上位にぎっしり(民放テレビCM動向:2014年8月分)(最新)

2014/09/12 08:30

学生たちのライフスタイルも通常の就学時期のものに戻り、お昼時のテレビ視聴者もシニア層や主婦層の割合が増える昨今。映像音声検索技術「AVマーカー」などの各種同社技術を活用して計測された、テレビCMのメタデータを提供するゼータ・ブリッジは2014年9月9日に、そのテレビCMにおける、2014年8月度分の関東民放5放送局(日本テレビ、テレビ朝日、TBS、テレビ東京、フジテレビ)のオンエアランキングを公開した。今回はその公開データを用いて、昨今のテレビCMの動向をチェックし、また気になるCMを「公式動画を用いて」確認していくことにする(【ゼータ・ブリッジ公式サイト】)。

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花王の群抜きトップは先月同様、企業別では自動車が躍進


データの取得場所や、各種データの語彙、今件記事が関東地域のみを対象としている状況の解説、同カテゴリーのバックナンバーは、【定期更新記事:関東民放テレビCM動向(ゼータ・ブリッジ)】でまとめて掲載中。

発表資料では「出演者ランキング」をはじめ、複数項目の観点で集計されたランキングが公開されている。詳細はそのリリースで確認してほしいが、最初に今記事でチェックを入れるのは、そのうち「企業別オンエアランキング(放送回数順位)」。掲載20位のうち上位10位に厳選して抽出し、当サイト側でグラフとして生成したのが次の図。

↑ 企業別放送回数ランキング(2014年8月、上位10位)
↑ 企業別放送回数ランキング(2014年8月、上位10位)

5月以降先月の7月までは「花王がトップで日本コカ・コーラがそれに続く」のツートップ体制が続いていた。花王はトイレタリーや化粧品など夏に向けた季節商品が多いこと、日本コカ・コーラはやはり夏に炭酸飲料のセールスが伸びることから、一挙に攻勢をかけたのが順位にも反映されていたようだ。しかし今月は花王の群抜きトップこそ変わらないものの、日本コカ・コーラは第6位にまで後退している。夏も後半に入ったことから、少々セーブに入ったということだろうか。

今回計測月では日産自動車、トヨタ自動車と自動車関連企業が2社も入っている。携帯電話関連企業はソフトバンクモバイルのみでやや寂しさを覚えるが、同社のイメージキャラクタの「お父さん」の奮闘は続いている。


↑ ソフトバンクモバイルの繰り越しアピールのCM。ぎっくり腰を起こしたお父さん放置状態。【直接リンクはこちら:ソフトバンク CM 白戸家「ぎっくり腰」篇】

第3位のリクルートホールディングスは「とらばーゆ」などがメイン。軽いテンポの曲でつい視線をテレビに向けてしまう。


↑ リクルートの「とらばーゆ」のCM。明るいノリと軽快なBGMではつらつとした気分が伝わってくる。【直接リンクはこちら:とらばーゆCM 次のわたしに(バス停)篇/本田翼】

やや珍しい企業としては第9位の東宝。該当月ではあの「GODZILLA ゴジラ」がメイン。


↑ 東宝の「GODZILLA ゴジラ」のCM。ダイナミックな画面展開が観る者の心を引き付ける。【直接リンクはこちら:「GODZILLA ゴジラ」TVCM60秒】

同社では前後して「ルパン三世」(実写版)や「寄生獣」(実写版)などの展開も行っており、来月も上位に顔を見せそうな雰囲気ではある。

これら上位10位の企業のCM出稿量に関して、各放送先のテレビ局ごとに細分化した上で再構築したのが次のグラフ。普段テレビCMを視聴している際には、よほど繰り返されるものでない限り、どの程度の量が放映されているか、どの番組でいかなるCMが流れているかまでは気に留めていないが、このような形で図式化すると、思った以上に偏りが生じているのが分かる。

↑ 企業別放送回数ランキング(2014年8月、上位10位)(局別)
↑ 企業別放送回数ランキング(2014年8月、上位10位)(局別)

出稿数ではトップを行く花王は、日本テレビとフジテレビに多めの配分。また類似商品を展開する興和はテレビ朝日への出稿量が多く、P&GはTBSテレビへの出稿量がずば抜けている。これは主に提供番組があるのか否かがその理由となる。

一方、トヨタ自動車に代表されるような、局毎の出稿回数にほとんど差が無い企業も少なくない。提供番組が無い、商品内容として局ごとのウェイトをかける必要が無いなど、理由はさまざま。放送されるCMの内容によっても番組や局の偏りが生じることがあるので、テレビを観る際には番組そのものだけでなく、CMにも注意をしながら観ると良いだろう。番組を観そうな層が興味を引く商品やサービスのCMが多いことに気が付くはず。

8月は携帯電話が大盛り上がり!?


企業別の区切りではなく、個別商品のCM別に算出したランキングは次の通りとなる。

↑ 商品別オンエアランキング(放送回数、2014年8月)
↑ 商品別オンエアランキング(放送回数、2014年8月)

企業区分ではダントツトップの花王も、商品区分では上位10位以内に自社商品は皆無。これは同社のCMが幅広い商品に向けて展開しているからに他ならない。むしろ積極的に多種多様な商品のサービスを推し進め広めることで、企業ブランドイメージそのものを底上げしようとする雰囲気を覚える。

今回計測月では馴染み深いサービスや初見のものまで含め、携帯関連の商品が多数を占めている。トップの「ワイモバイル(Y!mobile)」は6月からイー・モバイルが社名を変更したもので、夏休みにかけて一挙に知名度アップを狙ったものと考えられる。安く利用できると話題に登っているスマートフォンの展開をはじめ、多種多様な魅力的なサービス・商品を取りそろえているが、知名度が足りなければ……との判断によるものだろう。


↑ Y!mobileのCM。紹介されている商品同様、スタイリッシュ感を覚える構成。【直接リンクはこちら:Y!mobile|スマートフォン STREAM S】

「Gunosy(グノシー)」は相変わらず上位入りしているが、これと似たような立ち位置のアプリとして「スマートニュース(スマートニュース)」も上位に入っている。


↑ スマートフォン向けニュース集約配信アプリ「スマートニュース」。相撲とニュースでは無い。【直接リンクはこちら:SmartNews(スマートニュース)TVCM(30秒)】

その仕様ゆえに色々と物議を醸すところも大きいが、現在のところは飛躍を続けているようだ。

スマートフォンといえばヒット作の創生で大きく命運が好転したミクシィの「モンスターストライク」が確認できるが、似たようなイメージのゲームとして「コロプラ(白猫プロジェクト)」が第2位についている。


↑ 指先一つで遊べるRPG、コロプラの「白猫プロジェクト」のCM。【直接リンクはこちら:白猫プロジェクト CM 秘密会議(反抗)編】

「ワンフィンガーRPG」という名称からも分かる通り、シンプルなインターフェイスが売りのゲーム。最近はこのスタイルのゲームがスマートフォンにおけるトレンドなのだろう。

これらをはじめ携帯電話、厳密にはスマートフォン関連の商品CMがずらりと並んでおり、逆に非スマホ系のCMとなると、興和のキューピーコーワゴールドαプラスぐらいしかない。季節柄、清涼飲料水やトイレタリー系、あるいは企業順位では上位に食い込んでいる自動車系がもう少し顔を連ねても良いように思えるが、スマートフォンの勢いには叶わないようだ。ある意味、時代を象徴した結果ともいえよう。



企業ランキングはともくか商品ランキングでは季節感を感じさせない形となったが、これも時代の流れというものだろう。9月に入ると季節も秋に切り替わるため、商品・サービスのラインアップも変化していく。ただし携帯電話関連企業は季節感とは縁があまり強くないので、むしろ各商品のプッシュ具合で変化を見せることになる。

9月は8月以上にスマートフォン関連のCMがずらりと並ぶ形になるのだろうか。


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