首都圏の強い値下がり継続中…賃貸住宅の成約家賃動向をグラフ化してみる(2013年12月発表分)

2014/01/17 14:00

賃貸住宅の管理会社で構成される協会「日本賃貸住宅管理協会」では半年ごとに同協会公式サイトにて、【賃貸住宅景況感調査日管協短観】を更新・公開している。その最新版「賃貸住宅景況感調査日管協短観・2013年度上期(2013年4月から2013年9月)」が2013年12月6日付で公開された。今回はこの公開値などを基に、賃貸住宅管理会社が管理する物件で賃貸契約が成約した際の、家賃の動向について状況の確認をしていくことにする。

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各種調査要項などに関しては先行する記事【紙媒体の軟調続く…メディア別賃貸住宅業者への反応の変化をグラフ化してみる(2013年12月発表分)】にて記載済み。そちらで確認してほしい。

賃貸物件を間取りで「1R(ワンルーム)-1DK(1部屋+ダイニング+台所)」「1L(リビング)DK-2DK」「2LDK-」の3タイプに区分し、それぞれの物件で個々の管理会社における成約時の家賃が「前年同期」(今回ならば2012年上期)と比べてどのように変化したかを尋ねた結果が次のグラフ。全体的には「減少」回答者が多く、3割を超える結果が出ている。

↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(全国)(2013年度上期、前年同期比)
↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(全国)(2013年度上期、前年同期比)

個々の管理会社で賃料が増加、つまり上がった状態で契約した事例が前年同期と比べて多数を占めたとの回答は16.7%。減少回答は34.3%を占め、流れとしては家賃の下落現象が見受けられる。基資料でも「全体的にはマイナス」とコメントしており、需給の観点では供給過多による値下げ傾向が続いていることが分かる。見方を変えれば「借り手市場」。

間取り別では前半期では小型住宅の賃料減退が目立ったが、今回は特に面積別の動きは見られない。中堅どころ、1LDKから2DKの賃料がわずかだが他の区分と比べれば増加している位だろう。

これを首都圏・関西圏にスポットをあて、値を確認したのが次のグラフ。

↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(首都圏)(2013年度上期、前年同期比)
↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(首都圏)(2013年度上期、前年同期比)

↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(関西圏)(2013年度上期、前年同期比)
↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(関西圏)(2013年度上期、前年同期比)

緑よりもオレンジ部分が長い、つまり「家賃増加」よりも「家賃減少」とする回答が多く、家賃の下落が起きていることには違いない。ただし首都圏の方がオレンジの面積が広く、緑の面積が狭い。つまり首都圏の方が賃料下落が著しいことが分かる。その首都圏では面積が広い物件の方が減少回答値が小さく、ファミリー向けの物件の方が、需要が大きいことがうかがえる。首都圏における小型物件の大幅下落は前半期から続く傾向で、単なるイレギュラー的動きではなさそうだ。

イレギュラーといえば関西圏の1LDKから2DKでは、唯一「増加」>>「減少」という動きが見られる。原因は不明で基資料にも説明は無い。次半期も継続すれば何らかの特徴的な変化とも見られるが、今件ではまだその確証は持てない。

これらの動きを分かりやすくするため、DI値(「増加」から「減少」を差し引いた値)を算出したのが次のグラフ。関西圏の中庸どころの物件がイレギュラーとなっているのがよくわかる。

↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(DI値)(2013年度上期、前年同期比)
↑ 賃貸住宅管理会社における物件の成約賃料の変化(DI値)(2013年度上期、前年同期比)

関西圏の1LDK-2DKの特異値を除けば、概して家賃はマイナス値、つまり減少傾向にある。ただし前半期と比べると下げ幅は大幅に縮小しており、「減少は継続しているが、下げ幅は縮小中」の状況となっている。少しずつブレーキがかかっている雰囲気か。

一方今回期のみで動向を見ると、前回期同様、やはり首都圏の方が下げ方が大きい。つまり賃料は首都圏の方が大きく下落している。元資料でも「首都圏で『減少』回答の割合が高い」と言及しており、首都圏では多分に供給過多が続いていることが推測できる。

少しずつ状況は沈静化の方向に進んではいるが、今なお家賃が下落を継続していることに違いは無い。別記事で触れている通り既存物件がある程度さばけ、新築物件の需要も増えてきたことから、そろそろ需給のバランスが取れてきそうな気はする。


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