2015年度Q4の純増数トップはNTTドコモに、続いてau、ソフトバンクの順(2016年3月末携帯電話契約数)(最新)

2016/05/15 11:11

かつて電気通信事業者協会(TCA)が毎月月初に公開してきた、日本国内における携帯電話やPHSの契約数動向だが、【TCAの携帯電話事業者別契約数の動向、四半期ペースに変更へ】での解説にもある通り2014年4月分以降は四半期単位での更新、しかも各企業が四半期決算短信の発表の際に公知する値の取りまとめによるスタイルとなった。また確認した限りでは短信資料では一部公開内容が省略されている、あるいは精度が荒くなった値もある。そこで2014年6月末時点分からは四半期単位の更新ペースとし、TCAにおける総括値が出た時点で状況解説を行うことにしている。今回はその四半期単位での状況報告・精査の8回目にあたるが、2016年3月末時点の携帯電話の契約数は主要3社合計で1億5648万0700件となり、前四半期比で1.3%のプラスを示した。純増数ではNTTドコモが136万1900件の増加(3か月単位)で、主要3グループ中トップの座を確保することとなった。au(KDDIなど)は66万8700件の増加で第2位、ソフトバンクは3万0700件の増加で第3位のポジションについている(【発表リリース:事業者別契約数一覧(TCA)】)。

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大きく変化するパワーバランス


2016年3月末時点の主なデータは次の通り。なお冒頭で説明の通り、現時点では各社の(四半期)決算短信に掲載された値ではなく、その後TCAで発表される値で確認・精査をしている。

・携帯電話3社全体……1億5648万0700件
・事業者別
 NTTドコモ……7096万3500件(+136万1900)
 au(KDDIなど)……4590万9600件(+66万8700)
 ソフトバンク……3960万7600件(+3万0700)
 ワイモバイル(イー・アクセス)……(非開示)→ソフトバンクに吸収合併

↑ 携帯電話契約件数(万台)(-2016年3月)(2014年4月以降は3か月単位の情報公開)
↑ 携帯電話契約件数(万台)(-2016年3月)(2014年4月以降は3か月単位の情報公開)

↑ 携帯電話契約件数(増減)(-2016年3月)(2014年4月以降は3か月毎・3か月分の情報公開
↑ 携帯電話契約件数(増減)(-2016年3月)(2014年4月以降は3か月毎・3か月分の情報公開

↑ 携帯電話契約件数(増減)(2016年1月-3月期、件数)
↑ 携帯電話契約件数(増減)(2016年1月-3月期、件数)

上記グラフの描写様式が変わる2014年では冒頭で解説の通り、各社の契約者数における月次動向発表取りやめが一つ目の大きな動きといえる。説明によれば契約者数の動向自身にこれまでのような価値はあまり見られなくなったことや、それにも関わらず過度の競争を煽りかねないことを理由に挙げているが、NTTドコモのiPhone参入から間もなく方針変換が成されたことから、業界全体の内情を色々と推測する筋もある。

四半期単位の発表シフトに伴い、MNP(ナンバーポータビリティ)の関連値も完全に非公開化され(一部企業は大よその傾向について公知しているが)、流れの把握が不可能となっている。この動きは今四半期でも変わらず、MNPの流れは確認できない(「解約率」は公開されているものの、各社で基準が異なるために比較は不可能)。月次公開が成されていた時の各社のはしゃぎ様は何だったのかと、首をかしげる人も少なくあるまい。

また2015年度第1四半期(4月から6月分)では、それら発表様式の変更以外にいくつかの大きな動きがあった。これまで「ソフトバンクモバイル」と表記していた会社が「ソフトバンク」に変更。これは2015年4月以降の各種状況変化に伴うもので、記事に関係する部分を箇条書きに示すと、

・2015年4月…ソフトバンクモバイルがソフトバンクBB、ソフトバンクテレコム、ワイモバイル(旧イー・アクセス)を吸収合併

・2015年7月……ソフトバンクモバイルが商号をソフトバンクに変更

となる。これにより、2014年第4四半期まで非開示扱いだったワイモバイルの契約数がソフトバンクモバイルに加算されることになり、前四半期比が大幅に増加、さらに名前がソフトバンクモバイルからソフトバンクに変更となった次第である。該当四半期で増減グラフにおいてソフトバンクの前四半期比がダイナミックに、グラフの全体形状を崩すほどに増加しているが、突然同社の携帯電話の新規契約者数が大幅に増加したのではなく、別会社扱いだった非開示契約者数分が加算されたまでに過ぎない。

今四半期は会社の合併などによる変化も無く、ほぼ各社の状況を表す値が算出されている。なお前四半期で大きく値を下げたソフトバンクでは、全体値(契約数)と主要回線・通信モジュールなど・PHS別の各種値を計上する際に、これまで通信モジュールに仕切り分けしていた「タブレット型端末などと共に販売されたSIMカード」を該当四半期から主要回線に変更しており、その主要回線に限ると前四半期比ではプラスを示した(プラス7.5万件)としている(TCAで発表されている契約数は主要回線と通信モジュールなどを合わせた値のため、大きなマイナスが生じた)。

ともあれ今回発表された値などを元に、前年の同四半期の前四半期からの契約数「増減」と、今四半期の増減を比較すると、NTTドコモはプラス4万0400件、auはマイナス43万1300件、ソフトバンクはマイナス33万4500件となる。これは1年間における四半期単位の契約数の増減に係わる勢いの変化を表すことになる。例えばドコモの場合は昨年同期と比べ、契約数の増加がより加速したことになる。

↑ 携帯電話契約件数(増減)(2016年1月-3月期、前年同期比、件数)
↑ 携帯電話契約件数(増減)(2016年1月-3月期、前年同期比、件数)

auとソフトバンクは前年同期からは増加の勢いが大きく減じていることが確認できる。

三社間のシェア現状


上記にある通りMNPに関しては完全に非公開化されたこともあり、動向が確認できなくなっている。この非公開化といった方針転換の観点でも、携帯事業者各社が契約者数動向に対するウェイトを大きく減じる認識を抱くようになったことが分かる。

一方契約数そのものは公開が継続されており、それを基に3社間のシェアに関する現状を算出したのが次のグラフとなる。

↑ 2016年3月時点での3社間契約者数比率
↑ 2016年3月時点での3社間契約者数比率

NTTドコモが最大数を維持しているのは以前から変わりないが、過半数はすでに割っており、SBMとauが合わさればNTTドコモを超える値を示す状況に至っている。四半期前の状況と比較すると、NTTドコモがプラス0.2%ポイント、auがプラスマイナスゼロ%ポイント、ソフトバンクがマイナス0.3%ポイントとなっている(小数点第二位以下は四捨五入されるため、すべてを足し引きしてもゼロにはならないこともある)。今四半期では上記解説の通り、NTTドコモが大きく伸び、ソフトバンクの契約数にさほど変わりが無かったことから、それぞれシェアもその動きに合わせた増減が成された次第である。



契約者数動向が四半期単位への公開へと変更されたことで、新機種動向との連動推移観測も難しくなり、単純に数字を追いかけるだけとなったこと、加えて公開・取得可能な指標も減少したことから、記事の記述様式も簡略化せざるを得なくなった。

各社とも品質の向上化や料金体系の魅力底上げ、さらには多様なスマートフォンの利用形態の提案など、多方面でのアピールを行い、自社への集客を推し進めている。一方、選択肢の増加に伴い、初心者が色々と頭を痛める状況は増え、必要のない機能や契約を付随させられてしまう事案も増えている。今後従来型携帯電話からスマートフォンへのシフトが進む、特に中堅層以降に広まるに連れ、操作や契約に絡んだ問題はさらに増加するだろう。

また【「負担が増えているので携帯電話の料金安くならないかしら」とその内情】【「携帯電話料金は高い」との話でもやもやと】などでも伝えている通り、昨今では携帯電話の利用料金が家計への負担となっているとの指摘もあり、値下げ論が活発化している。もっとも状況はそれほど単純でも無く、携帯電話の普及浸透に伴う低所得者層の利用性向の高まりによる相対的な負担増、複雑な料金体系により利用者がベストのプランを選択しにくいことなど、多角的な視点で状況を見定め、最適化を図る必要がある。

他方【従来型携帯の料金プランを使える新型Android搭載の従来型携帯がドコモから登場】でも伝えている通り、従来型携帯電話レベルの機能で十分との需要に応えた、いわゆる「ガラホ」も各社共に展開し始めており、今後の動向が気になるところ。話によれば中堅層から壮齢層に人気のようで、今後各社のシェア拡大に貢献しそう(【スマホ一巡、次は「ガラホ」 1000万台規模の市場 ドコモ「40-50代に好評」】)。また、仮想移動体通信事業者(MVNO)によって提供されるSIMカードを白ロム端末やSIMロックフリー端末に用いてスマートフォンとして使用する「格安スマホ」も急速に利用者が増加しており、今後はスマートフォン市場に小さからぬ影響を与えそうだ。

今件の「携帯電話契約件数」も「重要な各社の勢力動向を示す指数」から「各社の勢力動向を示す指数の一つ」程度にまでウェイトが下がった感は否めない。しかし値が公開され続ける限り、継続してその流れを追いかけることにしよう。


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