空き家問題最大の「その他の空き家」動向は…「その他の住宅」の都道府県別空き家動向をグラフ化してみる(2014年)(最新)

2014/08/14 14:00

先日総務省統計局が2014年7月29日に発表した、2013年時点における住宅・土地統計調査の速報集計結果を基に分析をした記事の一つ【空家数増加の実態をグラフ化してみる】において、色々と世間を騒がせている「空き家」問題に関し、即入居可能な売却用・賃貸用の住宅の空き家では無く、金銭上、税制上の問題から放置せざるを得ない状態に陥っている住宅がカウントされる「その他の住宅の空き家」が急増している実態について触れた。今回は住宅・土地統計調査の詳細値を精査し、空き家の区分「二次的住宅」「賃貸用」「売却用」「その他」のうち、問題となる「その他」区分の空き家に関して、都道府県別の現状などを精査していくことにする(【発表ページ:平成25年住宅・土地統計調査】)。

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意外? やっぱり?! 一番低いのは東京都


今調査の調査要項は先行掲載した記事【住宅の空き家率は13.5%で過去最高に】を参考のこと。

まずは都道府県別、そして3大都市圏区分における、「その他の住宅」の空き家率状況。これは全住宅の中で「その他の住宅」区分の空き家が何%くらいあるかを示している。例えば千葉県は4.64%と示されているが、これは千葉県にある居住用住宅全体(空き家のみではない)のうち、4.64%が「その他住宅」区分の住宅としての空き家であることを示している。

なお「その他の住宅」区分の住宅とは、「別荘や一時的宿泊場のような二次的住宅」「賃貸用」「売却用」では無い住宅。具体的には「転勤・入院などで居住世帯が長期にわたって不在となった住宅」「建て替えなどのために取り壊すことになっている住宅」「建て壊し・撤去費用が捻出できずに放置されている住宅」「税金対策のために放置されている住宅」などを意味する。昨今問題視されている「空き家問題」では、この「その他住宅」のうち後者2つ、金銭的問題で半ば放置されている住宅(放置的空き家とでも呼ぶべきだろうか)の増加が問題視されている。

↑ 都道府県別・空き家率(全住宅比、売却用住宅限定)(2013年)
↑ 都道府県別・空き家率(全住宅比、売却用住宅限定)(2013年)

無論「その他の住宅」の空き家すべてが「放置的空き家」ではない。しかし少なくとも第三者がすぐに入居できない空き家には違いない。そのような空き家が全国では5.25%、地域によっては1割を超えているのが確認できる。

全体としては一定地域毎に高い地域が発生しており、大都市圏、特に関東大都市圏では低い値が示されている。また概して東日本より西日本の方が高めで、10%超えは和歌山、高知、鹿児島とすべて西日本圏に属する(和歌山はやや微妙だが)。

これを値の高低順に並べ替え、上位・下位それぞれ10位ずつの序列でグラフ化したのが次の図。

↑ 都道府県別・空き家率(全住宅比、その他の住宅限定)(2013年)(高率上位10位)
↑ 都道府県別・空き家率(全住宅比、その他の住宅限定)(2013年)(高率上位10位)

↑ 都道府県別・空き家率(全住宅比、その他の住宅限定)(2013年)(低率上位10位)
↑ 都道府県別・空き家率(全住宅比、その他の住宅限定)(2013年)(低率上位10位)

全体のグラフでも触れているが、鹿児島、高知、和歌山などの西日本地域で1割を超える値を示している。これは全住宅のうち1割以上が「即時居住可能”ではない”空き家」として存在していることを意味する。全部が全部「放置的空き家」では無いだろうが、居住地域の空洞化が懸念される。

他方東京都の2.07%は飛び切りの低さだが、それ以外でも神奈川や埼玉などの関東圏、大阪府や静岡などの大都市圏では比較的低い値に留まっている。立地条件も良いことから、「放置的空き家」的な状況に追い込まれたとしても、賃貸住宅などへの建て替え需要も多分に生まれるからだろう。

極端な結果が出ている5年間変移


今「住宅・土地統計調査」は5年おきに行われている調査で、今件2013年の前は2008年に実施されている。当然その結果も公開されており、「その他の住宅」の空き家数などを抽出できる。そこで2008年から2013年における「その他の住宅」の空き家数の変移(空き家全体に占める、あるいは住宅全体に占める比率の変移ではないことに注意)を算出した結果が次のグラフ。マイナスは東京都のみ。関東大都市圏がマイナスを示しているのも、東京都の下落の結果。

↑ 都道府県別・空き家動向(売却用住宅限定)(2008年から2013年への戸数推移)
↑ 都道府県別・空き家動向(売却用住宅限定)(2008年から2013年への戸数推移)

繰り返しになるが「その他の住宅」の空き家のすべてが「放置的空き家」では無い。しかし第三者が即入居出来ない住宅がこれだけ増加していることに違いは無く、また「転勤・入院などで居住世帯が長期にわたって不在となった住宅」「建て替えなどのために取り壊すことになっている住宅」が5年間でこれほどまでに増加する理由は見当たらず(高齢化により一人暮らしの高齢者が入院する事例、建築ラッシュで建て替えが促進される事例などを考慮すると、増加の事由はゼロでは無い。しかし1割から3割もの増加事由としては考えにくい)、やはり「放置的空き家」が値を底上げしているものと考えて問題は無い。

地域別動向を見ると新潟県が53.16%と5割以上の増加を示しているのをはじめ、香川県や愛媛県、高知県などの四国、佐賀県や宮崎県などの九州で大きな値が確認できる。一方で近畿圏や東日本ではいくぶん低めに推移しているようだ。

「住宅・土地統計調査」でも空き家全体の傾向として甲信・四国地方での高さを指摘している。
四国は賃貸用住宅の空き家率は他地域とさほど変わらず、売却用住宅の空き家率はむしろ低めであることを考えると、「放置的空き家」の四国における比率の高さが改めて理解できるというものだ。

先の記事の通り、今後「空家等対策の推進に関する特別措置法案」が提出、成立すれば、とりわけ四国で大きな変化が生じるかもしれない。


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