もっとも空いているのは大阪府…賃貸用住宅の都道府県別空き家動向をグラフ化してみる(2014年)(最新)

2014/08/13 08:30

先日【空家数増加の実態をグラフ化してみる】において、総務省統計局が2014年7月29日に発表した、2013年時点における住宅・土地統計調査の速報集計結果を基に、空き家の詳しい状況について解説を行った。巷で騒がれている「空き家の増加」とされる状況は細かく見ていくと、賃貸用や売却用住宅の空き家はさほど増えているわけでは無く、税制上の問題などで半ば放棄されている、廃墟的住宅(「その他」区分)が増加しているというものだ。今回はそのような状況に関して、地域別動向を詳しく見るため、空き家の区分「二次的住宅」「賃貸用」「売却用」「その他」のうち、「賃貸用」の空き家について、都道府県別の現状などを確認していくことにする(【発表ページ:平成25年住宅・土地統計調査】)。

スポンサードリンク


全国平均では7.08%、最高値は大阪府の9.13%


今調査の調査要項は先行掲載した記事【住宅の空き家率は13.5%で過去最高に】を参考のこと。

まずは都道府県別及び3大都市圏区分における、賃貸用住宅の空き家率状況。これは全住宅において賃貸用住宅の空き家が何%くらいあるかを示している。例えば北海道は8.17%と示されているが、これは北海道にある居住用住宅全体のうち、8.17%が賃貸用住宅としての空き家であることを示している。無論周辺環境や面積などの考慮は無く、単純な戸数による算出であり、同じ数字が出ていても現状はケースバイケースである。また戸数そのものの都道府県別比較でも無いことに注意。

↑ 都道府県別・空き家率(全住宅比、賃貸用住宅限定)(2013年)
↑ 都道府県別・空き家率(全住宅比、賃貸用住宅限定)(2013年)

山梨や大阪のようにグンと突き抜けている地域もあるが、概して近隣地域は似たような空き家率を示しており、賃貸住宅の需要が地域単位で上下しているようすがうかがえる。低めの地域は宮城県や山形県などの東北、九州、鳥取などの中国地方か。他方、関東近辺や四国などでは賃貸住宅の空き家率がやや高めに見える。

これを都道府県別に、高率・低率それぞれの上位10位について、序列を基にグラフ化したのが次の図。最上位は大阪府の9.13%、次いで山梨県の8.86%、栃木県の8.65%と続く。

↑ 都道府県別・空き家率(全住宅比、賃貸用住宅限定)(2013年)(高率上位10位)
↑ 都道府県別・空き家率(全住宅比、賃貸用住宅限定)(2013年)(高率上位10位)

↑ 都道府県別・空き家率(全住宅比、賃貸用住宅限定)(2013年)(低率上位10位)
↑ 都道府県別・空き家率(全住宅比、賃貸用住宅限定)(2013年)(低率上位10位)

大阪府の賃貸住宅における空き家率の高さは少々意外な気がする。他の地域は近郊都市圏が多いが、大阪府は大都市圏そのままズバリに違いない。他の不動産系調査でも大阪府の賃貸住宅事情がやや悪化している話はあったが、その動向がここにも表れている。もっとも東京都も8.14%と高めに出ているので、大都市圏でも賃貸住宅にだぶつきが出ているのかもしれない(もちろん空き家の住宅の条件の良し悪しは別。古い賃貸住宅に空きが増えているのだろう)。

一方福島県や秋田県、島根県などでは賃貸住宅の空き家率は低い。元々賃貸住宅が少なめということも一因だが、仮にこれらの都道府県で新たに賃貸住宅を探す必要がある際には、良い物件を探すのに一苦労させられるかもしれない。

5年間の変移を探る


今調査は5年単位で行われているため、前回調査分は2008年のものとなる。震災をはさんでいることになり、大きな状況の変化がうかがえる。そこで前回調査時における賃貸用住宅の空き家戸数を抽出し、今回分と比較してどれだけ数字の変化が生じているのかを算出した結果が次のグラフ。「全住宅比の値における変化」ではなく、「賃貸用住宅の空き家戸数そのものの変化」であることに注意。

↑ 都道府県別・空き家動向(賃貸用住宅限定)(2008年から2013年への戸数推移)
↑ 都道府県別・空き家動向(賃貸用住宅限定)(2008年から2013年への戸数推移)

もっとも下げ率が大きい、つまり空き家戸数が減ったのは宮城県のマイナス45.06%。次いで福島県の40.00%。それ以外にも震災で大きな影響を受けた東北地方で空き家戸数の大幅な減退が確認できる。一方で東京近辺、愛知近辺などでは周辺地域がまとめて空き家戸数が増加しているようすがうかがえる。やはり1都道府県ではなく、地域的に賃貸用の空き家にはまとまった変化が生じているようだ。

空き家戸数が減っているということは、単純には賃貸住宅の居住率が上昇していることを意味する。先の震災の被災地では賃貸用住宅そのもの損壊の事例もあるが、持ち家を失い賃貸住宅に移り住む事例も多数報告されていることから(住宅・土地統計調査でも特記項目が設けられている)、需要が大きくかさ上げされ、結果として空き家率が減少したものと考えられよう。


■関連記事:
【50年余の民間・公営賃貸住宅の家賃推移をグラフ化してみる】
【賃貸住宅の空き室率推移をグラフ化してみる】
【時代は一戸建てから共同住宅へ・さらに高層化も進む】
【一人暮らし、住まいは借家・一戸建て? 単身世帯の居住スタイルをグラフ化してみる】

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2016 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー