もっとも空いているのは大阪府…賃貸用住宅の都道府県別空き家動向をグラフ化してみる(最新)

2019/09/07 05:21

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2019-0826先日【空き家数増加の実態をグラフ化してみる】において、総務省統計局が2019年4月26日に発表した、2018年時点における住宅・土地統計調査の速報集計結果を基に、空き家の詳しい状況について解説を行った。巷で騒がれている「空き家の増加」とされる状況は細かく見ていくと、賃貸用や売却用住宅の空き家はさほど増えているわけでは無く、税制上の問題などで半ば放棄されている、廃墟的住宅(「その他」区分)が増加しているというものだ。今回はそのような状況に関して、地域別動向を詳しく見るため、空き家の区分「二次的住宅」「賃貸用」「売却用」「その他」のうち、「賃貸用」の空き家について、都道府県別の現状などを確認していくことにする(【発表ページ:平成30年住宅・土地統計調査】)。

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全国平均では6.90%、最高値は大阪府の9.71%


今調査の調査要項は先行掲載した記事【住宅の空き家率は13.6%で過去最高に(最新)】を参考のこと。

まずは都道府県別における、賃貸用住宅の空き家率状況。これは全住宅の数に対して賃貸用住宅の空き家が何%くらいあるかを示している。例えば北海道は7.26%と示されているが、これは北海道にある居住用住宅全体のうち、7.26%が賃貸用住宅としての空き家であることを示している。無論周辺環境や面積などの考慮は無く、単純な戸数による算出であり、同じ数字が出ていても現状はケースバイケースである。また戸数そのものの都道府県別比較でも無いことに注意。

↑ 空き家率(全住宅比、賃貸用住宅限定、都道府県別)(2018年)
↑ 空き家率(全住宅比、賃貸用住宅限定、都道府県別)(2018年)

山梨県や大阪府のようにグンと突き抜けている地域もあるが、概して近隣地域は似たような空き家率を示しており、賃貸住宅の需要が地域単位で上下しているようすがうかがえる。低めの地域は秋田県や山形県などの東北、九州、島根県などの中国地方か。他方、関東近辺や四国などでは賃貸住宅の空き家率がやや高めに見える。

これを都道府県別に、上位陣・下位陣について、序列を基にグラフ化したのが次の図。最上位は大阪府の9.71%、次いで栃木県の9.01%、山梨県の8.42%と続く。

↑ 空き家率(全住宅比、賃貸用住宅限定、上位陣、都道府県別)(2018年)
↑ 空き家率(全住宅比、賃貸用住宅限定、上位陣、都道府県別)(2018年)

↑ 空き家率(全住宅比、賃貸用住宅限定、下位陣、都道府県別)(2018年)
↑ 空き家率(全住宅比、賃貸用住宅限定、下位陣、都道府県別)(2018年)

大阪府の賃貸住宅における空き家率の高さは少々意外な気がする。他の地域は近郊都市圏が多いが、大阪府は都市圏そのままズバリに違いない。他の不動産系調査でも大阪府の賃貸住宅事情がやや悪化している話はあったが、その動向がここにも表れている。もっとも東京都も7.54%と高めに出ているので、大都市圏でも賃貸住宅にだぶつきが出ているのかもしれない(もちろん空き家の住宅の条件の良し悪しは別。古い賃貸住宅に空きが増えているのだろう)。

一方島根県や秋田県、山形県などでは賃貸住宅の空き家率は低い。元々賃貸住宅が少なめなのも一因だが、仮にこれらの都道府県で新たに賃貸住宅を探す必要がある際には、よい物件を探すのに一苦労させられるかもしれない。

5年間でどのように変わったか


今調査は5年単位で行われているため、前回調査分は2013年のものとなる。そこで前回調査時における賃貸用住宅の空き家戸数を抽出し、今回分と比較してどれだけ数字の変化が生じているのかを算出した結果が次のグラフ。「全住宅比の値における変化」ではなく、「賃貸用住宅の空き家戸数そのものの変化」であることに注意。

↑ 空き家数(賃貸用住宅限定、都道府県別、2013年から2018年への戸数変化率)
↑ 空き家数(賃貸用住宅限定、都道府県別、2013年から2018年への戸数変化率)

もっとも下げ率が大きい、つまり空き家戸数が減ったのは熊本県のマイナス15.76%。次いで広島県の15.41%。一方で福島県の55.83%や宮城県の46.22%など、東北地方で空き家の大幅な増加が確認できる。

空き家戸数が減っているのは、単純には賃貸住宅の居住率が上昇していることを意味する。逆に増えているのは居住率の減少。東北以外では四国や九州でもまとまった形で増加していることから、これらの地域では賃貸住宅の需要が減少し、空き家が増えているのだろう。


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