持ち家と借家、銀行や病院への距離はどちらが近い?(2014年)(最新)

2014/08/09 14:00

住宅の住環境の良し悪しを決定する大きな要素の一つが、社会生活関連施設や公共機関までの距離。スーパーやコンビニが近くになければ日用品の調達に難儀するし、病院が遠いと何かトラブルがあった時のことを考えると不安になる。出来れば各種施設は自分の家のそばに欲しいが、考えることは皆同じで、そのような好立地の条件にある住宅には人気が集まるため、当然地価・家賃は高くなり、手が届きにくい。どこかで折り合いをつける必要が生じてくる。それでは一度購入したら多分の人はそこに一生住まうことになる持ち家と、持ち家と比べれば容易に転移が可能な借家それぞれにおいて、それらの住環境はどのような状態となっているのだろうか。総務省統計局が2014年7月29日に発表した、2013年時点における住宅・土地統計調査の速報集計結果から、項目をいくつかに絞った上で確認していくことにする(【発表ページ:平成25年住宅・土地統計調査】)。

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借家の方が周辺環境は良い!?


今調査の調査要項は先行掲載した記事【住宅の空き家率は13.5%で過去最高に】を参考のこと。

次に示すのは社会生活関連施設としてポイントが高い、近所にあれば絶対に便利な「郵便局・銀行」「医療機関」について、それぞれの住宅種類の何%がどれ位の距離内に収めているかを示したもの。例えば「郵便局・銀行」で「100メートル未満」は持ち家では6.8%なので、個人所有の居住住宅のうち6.8%は100メートル未満に郵便局か銀行があることになる。

↑ 最寄りの郵便局・銀行までの距離(住宅の所有関係別・主世帯数比率)(2013年)(最新)
↑ 最寄りの郵便局・銀行までの距離(住宅の所有関係別・主世帯数比率)(2013年)(最新)

↑ 最寄りの医療機関までの距離(住宅の所有関係別・主世帯数比率)(2013年)(最新)
↑ 最寄りの医療機関までの距離(住宅の所有関係別・主世帯数比率)(2013年)(最新)

郵便局・銀行だが、全般的に借家の方が近い距離に存在する。短距離の区切りは借家が、長距離では持ち家の方が回答率が高い。「500メートル未満」で仕切ると持ち家は45.6%なのに対し、借家では61.5%にまで達する。これは借家の方が好立地条件の環境に建てられていることが多いのが原因。「立地条件が良い」「居住者が集まりやすい」「借家ビジネスが成り立ちやすい」「賃貸業が盛況となる」という次第。また好条件の場所では当然地価も高いため、持ち家を建てる・購入しようとしても高値となり、手が出しにくいのも大きな要因となる。

似たような状況は医療機関でも生じている。短距離の区切りは借家、長距離は持ち家の方が多い。同様に500メートル未満で仕切り直すと、持ち家では54.2%だが、借家では72.8%にまで達する。子供あるいはお年寄りがいる世帯では特に重要な要素となるため、高齢者が(立地条件の良い)賃貸住宅を選択する傾向があるのも理解はできる。

駅からの距離もやはり持ち家の方が遠い


医療機関や金融機関と並び、むしろ就業者が居る世帯ではそれ以上に重要視されるのが、最寄りの鉄道駅までの距離。住宅情報誌でも「駅からの距離」は最重要項目として必ず載っているし、その項目がソート内容となっていることも多い。鉄道駅に近ければ容易にその鉄道を使って遠出(通勤・通学含む)もできるのに加え、駅前の商店街など商業施設の利用も期待できる。

↑ 最寄りの鉄道駅までの距離(住宅の所有関係別・主世帯数比率)(2013年)(最新)
↑ 最寄りの鉄道駅までの距離(住宅の所有関係別・主世帯数比率)(2013年)(最新)

持ち家と公営借家は同程度の距離感で、他の賃貸住宅と比べて駅からは遠め。かろうじて公営借家の方が駅に近いというところ。公営借家の多くは高度経済成長期に建てられたもので、いわゆるニュータウン構想の一環として郊外に設置されることが多いのが要因。その分、多くの事例で駅と住宅を結ぶバス網が整備されている。持ち家か駅から遠いのは、上記にも示した通り価格との折り合いの結果。支払いに上限を設けなければ駅前にでも持ち家を建てることは不可能ではないが、大抵においては持ち家を取得すること自身が優先され、地価の安めな駅から離れた場所の物件を選ばねばならなくなる。

一番駅から近いのは民間住宅、ほぼ競る形で公社借家。やや遅れを取る形で給与住宅が続く。給与住宅が駅から遠めなのは、それを運用する企業側の懐事情の問題と、住宅の提供そのものの方が優先順位が高いのが要因。



自家用車を持ち使用する機会があれば、ある程度各種施設や駅までの距離は配慮のウエイトは低くなる。とはいえ、下準備をしなくてもすぐに歩きで行ける距離に、駅や病院、金融機関があるのは、やはり心強い。それだけ多くの人がその環境を望むため、家賃や地価が上昇するのも理解はできる。

今件住宅・土地統計調査では対象項目には挙げられていないが、例えばスーパーやコンビニもまた、「近くにあれば便利」な施設に違いない。コンビニの存在が住宅の点在度合いにどのような影響を及ぼすのか、資料があれば精査をしてみたいものだ。


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