帰省の連絡、何を使う? 電話がトップに変わりはないが……

2014/08/08 14:30

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お盆休みに突入し、自家用車や鉄道などの各種交通機関を用いて実家に帰省をする人も増え、ニュース映像でもいわゆる「帰省ラッシュ」の動向が伝えられる昨今。帰省先となる実家、地元への連絡はどのような手段で行われるのだろうか。昨今では携帯電話の普及でインターネットへのアクセスに関するハードルも下がり、日常的に実家とのコミュニケーションをネット経由で行う事例も増える中、気になる要件ではある。今回はソニー損害保険が2014年8月4日付で発表した「お盆の帰省に関する調査」の結果から、その実情を探っていくことにする(【発表リリース:ソニー損保、「お盆の帰省に関する調査(2014年)」】)。


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実家・親への連絡は圧倒的に電話(音声)


今調査は2014年7月4日から8日にかけて、自家用車を所有し自分で運転を行う20代から30代の男女で、かつ今年のお盆に帰省する予定がある人に対し、インターネット経由で行われたもので、有効回答数は1000件。男女比、10歳区切りの世代構成比は均等割り当て。調査機関はネットエイジア。

冒頭でも解説した通り、お盆休みの帰省の際に、行き先となる実家・親元への連絡方法だが、今調査対象母集団では94.0%が何らかの形で事前に連絡を入れるとしている。そしてもっとも多い連絡手段は「電話(通話)」。8割超の人が電話で事前連絡を入れるとしている。

↑ 帰省予定を連絡する方法(実家・親への連絡)(複数回答)(2014年)
↑ 帰省予定を連絡する方法(実家・親への連絡)(複数回答)(2014年)

今件選択肢では固定電話との限定は無く、携帯電話による音声通話の可能性も多分にある。いずれにせよ帰省先で電話そのものが存在しない、連絡が取れない状況は想定しにくく、確実に相手との間に連絡を取るには、音声によるやり取りが一番なのだろう。

次いで多いのは電子メールで33.1%。各種コミュニケーションアプリを使っていない人でも、電子メールならば使える場合は多い。特にシニア層ではその傾向が強いため、音声以外の連絡手段として電子メールが多用されるのは理解できる。他方LINEやSNS(ツイッターやmixi、Facebookなど)の利用は8.1%・2.0%でしかない。冒頭の事例の通り、昨今では実家との間でLINEやツイッターなどによるやり取りの事例も多数見聞きしているが、全体から見ればまだまだ少数派ということ。

これを回答者の世代別で再整理したのが次のグラフ。

↑ 帰省予定を連絡する方法(実家・親への連絡)(複数回答)(2014年)(回答者世代別)
↑ 帰省予定を連絡する方法(実家・親への連絡)(複数回答)(2014年)(回答者世代別)

回答者の年齢が上がるほど電話(音声)の利用率が増え、その他デジタル系のツールは押し並べて減る。回答者年齢が上になるほど、実家に住まう親の年齢も高くなるため、デジタル系ツールを使いこなしている確率は下がる。回答者自身が使えても、相手(この場合は親)が使っていなければ意思疎通は不可能であることを考えれば、この傾向は理解できる。

一方若年層回答者では電子メールやLINEの利用率が高いのにも注目したい。20代から30代では4割強が電子メールで、20代では2割がLINEで実家に「帰省するよ」と連絡を入れている。違和感を覚える人もいるかもしれないが、時代の流れを感じさせる結果ではある。

地元の知人に対しては……?


やや余談的な話になるが、帰省先の実家にいる親にではなく、地元の友人に対する連絡方法は次の通りとなる。親が相手の場合は自分よりも年上なため技術的世代間格差が生じ得るが、有人の場合にはその差があまり生じないためか、あるいは音声による電話に気兼ねを覚えるのか、デジタル系ツールの利用値が高いものとなっている。

↑ 帰省予定を連絡する方法(地元の友人への連絡)(複数回答)(2014年)
↑ 帰省予定を連絡する方法(地元の友人への連絡)(複数回答)(2014年)

↑ 帰省予定を連絡する方法(回答者世代別)(地元の友人への連絡)(複数回答)(2014年)
↑ 帰省予定を連絡する方法(回答者世代別)(地元の友人への連絡)(複数回答)(2014年)

最上位回答は電子メール、そしてその次に音声電話が付く。20代に限ると電子メールとほぼ同率でLINEが上位につき、30代でもLINEは音声電話と同率の利用率が示されている。地元の友人との間では、20代や30代に限ればLINEによるコミュニケーションが随分と進んでいるように見受けられる。

また、歳を経るに連れて「帰省する際にその旨を地元の友人に伝えることは無い」とする意見が増えていく。サプライズ的に足を運ぶつもり、というよりは、実家に帰ってもその際に友人と顔合わせするつもり、時間は無いということなのだろう。



実家自身、地元の友人共に、意外に使われていないのがSNS(Facebookやツイッターなどのソーシャルメディア)。LINEとは大きな違いである。サービスそのものの利用性向は高いにも関わらず、連絡手段として使われないのは、多分にSNSを介して交流する相手に、実家の親そのものや地元の友人が含まれていないことを意味する。SNSでは「自分のリアルでの知り合い」との間での意思疎通が多いとの調査結果も複数確認できるが、その対象には普段は対面する事が無い郷里の親や友人は含まれない。興味深い話ではある。


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