都市近郊はかえって通勤時間が長いらしい…通勤時間の移り変わりをグラフ化してみる(最新)

2020/02/26 05:24

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2020-0217職場で働く人にとって住居関連で気になる問題の一つが通勤時間。常に座れる電車での行き来ならば多少長くても有効にその時間を利用する手立てもあるが、満員電車に揺られる日々を過ごさねばならない場合、乗継が頻繁にある場合などは、労苦の時間の積み重ねとなり、ある意味就業以上の辛い時間ともなりうる。通勤時間は短いにこしたことはないが、職場に近い場所は概して地価も高く、物件を手に入れることは難しい。その兼ね合いは世間全般ではどのような状況なのか。総務省統計局が2019年4月26日に発表した、2018年時点における住宅・土地統計調査の速報集計結果から、いくつかの切り口で確認をしていくことにする(【発表ページ:平成30年住宅・土地統計調査】)。

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この数十年間通勤時間に大きな変化は無い


今調査の調査要項は先行記事【住宅の空き家率は13.6%で過去最高に(最新)】を参考のこと。

次に示すのは世帯主が雇用者(雇われている人)に限定した、通勤時間の状況を記したもの。データは1983年当時から確認できるので、それ以降調査毎の経年変化を記している。また棒グラフは2003年のみ平均時間だが、それ以外は中央値を指している。

↑ 世帯主の通勤時間(雇用者限定)
↑ 世帯主の通勤時間(雇用者限定)

↑ 世帯主の通勤時間(雇用者限定、中央値・2003年のみ平均時間、分)
↑ 世帯主の通勤時間(雇用者限定、中央値・2003年のみ平均時間、分)

1998年・2003年に多少の時間の伸びが確認できる。30分未満の各層が減り、それ以上の層が増えたことで、中央値・平均値もやや背伸びをした形となっている。しかしそれ以外の調査年では大きな変化は無く、30分以内(片道)の通勤時間の世帯が5割強、1時間未満までで区分すれば8割を超えている。片道2時間以上の通勤時間の世帯は1%前後でしかない。

中央値(平均値で算出が行われないのは、長時間の通勤時間回答者によって、平均時間が多分に引っ張られるからだろう)の動向を見るに、30分近くの値でほぼ横並び。交通機関は整備され、ダイヤも効率的なものとなり、移動もスムーズなものとなりつつあるのは事実だが、その分職場と居住地との距離が離れ、結局通勤時間そのものに大きな影響は生じていないようだ。あるいは居住地を決める、職場を決定する際の基準として、片道30分以内という内心的なガイドラインそのものが維持されているということだろうか。

地域別で見ると


今件に関して直近2018年における地域別の動向を確認したのが次のグラフ。興味深い結果が出ている。なお大都市圏の数字は中心市の値のみで算出している。

↑ 世帯主の通勤時間(雇用者限定、居住地域別)(2018年)
↑ 世帯主の通勤時間(雇用者限定、居住地域別)(2018年)

↑ 世帯主の通勤時間(平均時間、分)(2018年)
↑ 世帯主の通勤時間(平均時間、分)(2018年)

大都市圏は通勤時間が短いような印象があるが、実態としては逆。関東大都市圏や近畿大都市圏では通勤時間は全国平均よりかなり長い結果が出ている。特に関東大都市圏では1時間以上の通勤時間の世帯が2割超と、他のどの地域よりも多い結果となり、平均値も44.1分と全国の平均にくらべて11分強もの長さを示している。

大都市圏では職場からの距離は長くなり通勤時間も長時間となるが、居住地周辺の環境も整備されてさほど悪くないため、住むのに値するとの考えによるものだろう。元々関東大都市圏は他地域と比べて空き家率は低く、共同住宅率が高く、1住宅あたりの面積も小さいなど、居住環境はよいとはいえない。それでもその場に住む選択をする理由、魅力が特に関東大都市圏には存在すると認識されているのだろう。


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