都市近郊はかえって通勤時間が長い? 通勤時間の移り変わりをグラフ化してみる(2014年)(最新)

2014/08/08 15:30

職場で働く人にとって住居関連で気になる問題の一つが通勤時間。常に座れる電車での行き来ならば多少長くても有効にその時間を利用する手立てもあるが、満員電車に揺られる日々を過ごさねばならない場合、乗継が頻繁にある場合などは、労苦の時間の積み重ねとなり、ある意味就業以上の辛い時間ともなりうる。通勤時間は短いにこしたことはないが、職場に近い場所は概して地価も高く、物件を手に入れることは難しい。その兼ね合いは世間全般ではどのような状況なのか。総務省統計局が2014年7月29日に発表した、2013年時点における住宅・土地統計調査の速報集計結果から、いくつかの切り口で確認をしていくことにする(【発表ページ:平成25年住宅・土地統計調査】)。

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通勤時間はこの数十年間あまり変化が無い


今調査の調査要項は先行掲載した記事【住宅の空き家率は13.5%で過去最高に】を参考のこと。

次に示すのは家計を主に支える人が雇用者(雇われ人)な世帯における、通勤時間の状況を記したもの。データは1983年当時から確認できるので、それ以降調査毎の経年変化が記してある。また棒グラフは2003年のみ平均時間だが、それ以外は中央値を指している。

↑ 家計を主に支える者の通勤時間(世帯数割合、雇用者限定)
↑ 家計を主に支える者の通勤時間(世帯数割合、雇用者限定)

↑ 家計を主に支える者の通勤時間(分)(世帯数割合、雇用者限定)(中央値、2003年のみ平均時間)
↑ 家計を主に支える者の通勤時間(分)(世帯数割合、雇用者限定)(中央値、2003年のみ平均時間)

1998年・2003年に多少の時間の延長が確認できる。30分未満の各層が減り、それ以上の層が伸びたことで、中央値・平均値もやや背伸びをした形となっている。しかしそれ以外の調査年では大きな変化は無く、30分以内(片道)の通勤時間の世帯が5割強、1時間未満までで仕切れば8割を超えている。片道2時間以上の通勤時間を有する世帯は1%前後でしかない。

中央値(平均値での算出がなされないのは、長時間の通勤時間回答者によって、平均時間が多分に引っ張られるからだろう)の動向を見るに、30分近くの値でほぼ横並び。交通機関は整備され、ダイヤも効率的なものとなり、移動もスムーズなものとなりつつあるのは事実だが、その分職場と居住地との距離が離れ、結局通勤時間そのものに大きな影響は生じていないようだ。あるいは居住地を決める、職場を決定する際の基準として、片道30分以内という内心的なガイドラインそのものが維持されているということだろうか。

地域別に見ると……!?


今件に関して直近2013年における地域別の動向を確認したのが次のグラフ。興味深い結果が出ている。

↑ 家計を主に支える者の通勤時間(世帯数割合、雇用者限定)(2013年、居住地域別)
↑ 家計を主に支える者の通勤時間(世帯数割合、雇用者限定)(2013年、居住地域別)

↑ 家計を主に支える者の通勤時間(分)(世帯数割合、雇用者限定)(中央値、3大都市圏のみ平均時間)
↑ 家計を主に支える者の通勤時間(分)(世帯数割合、雇用者限定)(中央値、3大都市圏のみ平均時間)

大都市圏は印象的に通勤時間が短いように見えるが、実態としては逆。中京大都市圏はそのイメージ通りだが、関東・近畿ではむしろ長いとの結果が出ている。特に関東大都市圏では1時間以上の通勤時間を有する世帯が3割近くと他のどの地域よりも多い結果となり、中央値も44.9分と全国の中央値にくらべて17分強もの長さを示している。

居住地周辺の環境も整備されてさほど悪くないため、職場からの距離は長くなり通勤時間も長時間となるが、それでも住むのに値するとの考えによるものだろう。元々関東大都市圏は他地域と比べて空き家率は低く、共同住宅率が高く、1住宅当たりの面積も小さいなど、居住環境は良いとはいえない。それでもその場に住む選択をする理由、魅力が関東大都市圏にはある、と見るべきだろう。

3大都市圏「以外」では3大都市圏と比べると通勤時間が短い。30分未満の世帯が約7割に達している。わざわざ遠い職場に出勤することなく、地元の企業などに勤めている人が多いのが主要因だろう。比較的狭い領域のエリアに、居住地・職場がまとまっている感がある。



今件は冒頭で触れたようにあくまでも単純な通勤時間の動向であるため、その内容までは精査されておらず、どれほどの自由度があるか否かは考慮されていない。同じ通勤時間でも、ずっと座ったままで目的地まで居眠りなり独自学習が出来る時間の人もいれば、ラッシュの電車やバスの中で窮屈なまま時間を過ごす人もいるし、緊張感が続くドライブをしなければならない人もいる。

今通勤時間はあくまでも目安の一つとして覚えおくのと共に、大よそ30分が基準であり、それは昔も今も変わらないと理解しておくと、色々な場面で役に立つことだろう。


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