回復の兆しが見られる雑誌も…諸種雑誌部数動向(2019年4-6月)

2019/09/10 05:15

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2019-0908小規模・個人経営の書店が経営者の高齢化、インターネット通販の普及、高収益を見込める雑誌の売れ行き減少、少子化に伴う顧客減少で閉店した上で他業種店舗、あるいは一般住宅への改装が相次ぎ、それとともに雑誌などの供給場として注目を集めるようになったのがコンビニエンスストア。しかし、雑誌の集客効果は媒体力の下落とともに落ち、コンビニでもその領域と取扱い雑誌数は減っていく。雑誌コーナーは縮小され、その場にはイートインコーナーや電子マネーの販売スタンドなど、時代の需要にマッチした設備が配されていく。大型書店も最近は減少傾向にあり、雑誌を店舗で手に取り吟味する機会は減り、雑誌業界そのものも元気を無くしつつある。このような状況の中で、各分野の雑誌のうち一部ではあるが、複数の分野に関し、社団法人日本雑誌協会が2019年9月6日付で発表した「印刷証明付き部数」の最新値から、雑誌の部数における「前年同期比」を算出し、その推移を確認していくことにする。

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対象雑誌の前年同期比でプラス誌は無し…一般週刊誌


データの取得場所の解説や「印刷証明付部数」など用語が意味するもの、諸般注意事項、類似記事のバックナンバーは一連の記事をまとめ収録した【定期更新記事:雑誌印刷証明付部数動向(日本雑誌協会)】にある。詳しくはそちらを参照のこと。

まずは一般週刊誌のジャンルに該当する雑誌。写真を中心に記事を展開する、いわゆる写真週刊誌も含む。

↑ 印刷証明付き部数変化率(一般週刊誌、前年同期比)(2019年4-6月)
↑ 印刷証明付き部数変化率(一般週刊誌、前年同期比)(2019年4-6月)

↑ 印刷証明付き部数(一般週刊誌、万部)(2019年4-6月)
↑ 印刷証明付き部数(一般週刊誌、万部)(2019年4-6月)

今期では幸いにも脱落・追加雑誌は無し。また、印刷証明付き部数を収録している雑誌に限定しているとはいえ、最低でも10万部の印刷部数は確保されている…との言い回しがしばらく前まではテンプレート化されていたが、まず「サンデー毎日」が10万部を割り込んでしまい、その状態が今期も継続している。そして「AERA」も「10万部割れ倶楽部」の仲間入りをすることになった。特に「AERA」の衰亡ぶりは著しく、部数がほぼ一直線に減っている状態。今期はかろうして前期比でプラスとなったが。

↑ 印刷証明付き部数(AERA、部)
↑ 印刷証明付き部数(AERA、部)

2017年初頭でようやく下落が止まり底値を打ったかに見えたが、2017年末あたりからは再び前期比で下落の動きの中にある。今期の跳ね返りがそのままトレンド転換のきっかけになるか、単なるイレギュラーな動きなのか、次期以降の動向が気になるところだ。

それ以外の雑誌は、相応の需要は「今のところ」維持されていることになる。想定購読層が幅広い一般週刊誌ならではの値といえる。「SPA!」もやや危うい部数だが、同誌の部数はおおよそ横ばいを維持しているので、こちらは「10万部割れ倶楽部」への入会はなさそう。

↑ 印刷証明付き部数(SPA!、部)
↑ 印刷証明付き部数(SPA!、部)

ただしこの数期は微妙に前期比でマイナスを示し続けており、10万部のラインをぎりぎりで上回る状態になっている。何かアクシデントの類があれば、あっという間に「10万部割れ倶楽部」入りしてしまう可能性はある。

前年同期比でプラス領域にあるのは皆無。マイナス誌は1誌を除いた全誌で、誤差領域(5%幅)を超えての下げ幅を示しているのはそのうち8誌。あまりよい状況とは言い難い。かつては新聞同様、電車やバスなどの通勤・通学時の合間には欠かせない存在だった一般週刊誌も、その需要は確実にスマートフォンなどに奪われ、肩身の狭い想いをしている、さらに継続的なプレッシャーを受けていると見てよいだろう。ただし先行記事で言及の通り、少なからずは同時に電子雑誌版も刊行しており、その値は今件では勘案されていないため、そちらに読者を奪われている(=雑誌としてのコンテンツ力・訴求力は失われていない)可能性は否定できない。

昨今何かと世間を騒がせている「週刊文春」だが、前年同期比でマイナス6.1%、参考までに前期比を算出するとマイナス0.3%。よい状況とは言い難い。絶対部数の多さに支えられてはいるものの、中長期的な低迷感の中にあることは否定できない。

↑ 印刷証明付き部数(週刊文春、部)
↑ 印刷証明付き部数(週刊文春、部)

↑ 印刷証明付き部数(週刊文春、万部)(過去5年間)
↑ 印刷証明付き部数(週刊文春、万部)(過去5年間)

部数はゆるやかな下落傾向が継続している。昨今の動向はある意味、低迷のテコ入れ的な活動との解釈もできよう。

大きく落ち込んだ雑誌のラインアップを再確認すると、「サンデー毎日」「週刊新潮」「週刊アサヒ芸能」といった、男性向けの大衆誌、あるいはゴシップ系雑誌が多分におよぶ。似通った内容に個性を出しにくくなってしまったのか、あるいは対象年齢階層の趣向そのものに変化が生じているのかもしれない。また写真を記事構成のメインとする「FLASH」「FRIDAY」も減少度合いが著しい。速報性が高くビジュアルも豊富なスマートフォン経由のニュースの方が、価値は高いとの認識による結果だろうか。

二誌追加…育児系など


続いて育児系雑誌。育児系雑誌では「エデュー(edu)」の休刊による脱落後に、祥伝社の「ニナーズ(nina's)」を新たに「動向を追いかける該当誌として」加えていた。同誌は10代後半向けの女性ファッション雑誌「ジッパー(Zipper)」の増刊として発行されたものが元となった主婦向けのライフ&ファッション誌。2005年12月からの創刊されている、偶数月発売の隔月誌。印刷証明付き部数のデータベースでは「マタニティ・育児誌」に区分され、部数は2016年7-9月期分から公開されていた。

ところが同誌は2018年12月7日発売の1月号をもって休刊してしまう。休刊理由は「情報ツールが多様に変化する中、媒体のあり方を見直すことにした」とのこと。紙媒体版の基幹誌には終止符を打つものの、今後はウェブ版を基幹とし、ムックや書籍などから情報展開を行うとのこと。当然印刷証明付き部数も2018年10-12月期から非公開に。

そして前期では「PHPのびのび子育て」が非公開化した。雑誌そのものは現在でも刊行中だが、同じPHP研究所のビジネス系雑誌「THE21」が同じタイミングで非公開化されていることから、出版社単位における方針転換があったのかもしれない。

結果として精査対象誌は現状では6誌となるわけだが、前年同期比では1誌がプラスで5誌がマイナス、うち3誌が誤差領域を超えた大きなマイナス圏との結果となった。

↑ 印刷証明付き部数変化率(育児系雑誌、前年同期比)(2019年4-6月)
↑ 印刷証明付き部数変化率(育児系雑誌、前年同期比)(2019年4-6月)

↑ 印刷証明付き部数(育児系雑誌、万部)(2018年10-12月)
↑ 印刷証明付き部数(育児系雑誌、万部)(2018年10-12月)

少子化は育児系分野の市場縮小の一要因。しかしその市場動向の多くは単純な子供の人数の減り方をはるかに超えるスピードで縮小している。そして核家族化などを考慮すれば、口頭伝達の教え手となる祖父母が身近にいる育児世帯は数を減らしていき、育児情報の需要は増えることから、切り口次第ではチャンスは多い。もちろん同時に主婦層にもインターネット、中でもスマートフォンやタブレット型端末の普及が進み、子育て層に向けた情報・コミュニティサービスの利用者も増えており、それらのライバルが多い中で雑誌ならではの提案が求められる。例えば蓄積性、専門性、正確性、実物品の提供などが思い浮かぶ。

盛況を博していた「ベビモ(Baby-mo)」だが、最近は姉妹誌の「プレモ(Pre-mo)」とともに低迷気味。同誌は充実した冊子内容と有益な付録が好評を博しており、毎号大きな話題を集めていた。「ベビモ」の中期的な動向を確認すると、育児系だけに限らず、雑誌全般でも注目に値する堅調さを示していた。確かな支持層を確保し、信頼を得ることで口コミにより新たな読者層が逐次生まれ、さらにそのような状況に甘んじること無く常に改善を模索し、それが功を奏していたように解釈できる。しかしながら2015年後半から大きな失速を見せている。何らかの方針転換がなされ、それが読者の動きにつながったのだろうか。

一方で「プレモ(Pre-mo)」は今期においては大きく健闘している。

↑ 印刷証明付き部数(プレモ(Pre-mo)、部)
↑ 印刷証明付き部数(プレモ(Pre-mo)、部)

「プレモ(Pre-mo)」は季刊のマタニティ専門誌で該当発行誌は1誌。部数が伸びている原因には色々と理由が考えられるが、付録のよさや情報の適切かつ読者の需要にマッチした集約のされ方が受けているのかもしれない。

「初めてのたまごクラブ」は要注目。

↑ 印刷証明付き部数(初めてのたまごクラブ、部)
↑ 印刷証明付き部数(初めてのたまごクラブ、部)

「初めてのたまごクラブ」は季刊誌で該当発行誌は1誌。「妊娠がわかったばかりの「わからないこと」「不安なこと」を解消する情報をこの1冊にぎゅっとまとめました。医師監修の信頼できる情報満載で、あなたの妊娠生活を応援します」のコピーにある通り、不安を持つことの多い妊娠したばかりの女性に様々な観点から情報の提供を行っている、教本的な存在。通常版は電子版も展開し、またハンディサイズ版(B5変型判、内容は同じ。通常はA4判)も存在する。特別付録の母子手帳ポーチやマタニティマークストラップも嬉しいところ。

部数動向の限りでは2016年7-9月期で大きく上昇を示し、それ以降は安定した部数動向に移行している。何らかの方針転換があり、それが功を奏しているのだろうか。掲載情報への評価が極めて高いことから、口コミでよさが広まっているのかもしれない。

続いて食・料理・レシピ系雑誌。健康志向の高まり、一人暮らし世帯の増加、食の多様化に伴い、レシピや家事テクニックの情報需要は増加しているはずだが、インターネットの普及、料理系をはじめとする家事情報に関するサイトの乱立により、紙媒体の専門誌の立場は思わしく無い。

今ジャンルでは2018年7-9月期から「クックパッド プラス」が新たに部数公開誌として加わえていた。クックパッド監修・セブン&アイ出版の月刊誌で、「『仕事や家事で忙しくても快適に暮らしたい』と考える30代-40代女性に向けた『料理と暮らし』を提案する雑誌」というコンセプトによるもの。2018年9月1日に創刊されている。

ところがその次の期以降は今期も含め部数は非公開。2019年3月と4月の合併号で一度発行を休止し、2019年6月1日の夏号以降は季刊誌としての展開となっている。今期ではまだ部数は未公開のままだが、次期からは公開されるはず。

今期からは今ジャンルに「上沼恵美子のおしゃべりクッキング」と「dancyu」が加わっている。「上沼恵美子のおしゃべりクッキング」はテレビ朝日系列で放送されている料理番組で、トーク番組のような構成をしている。他方「dancyu」は美食探訪を取り上げるグルメ雑誌だが、調理に関する記事も多い。雑誌名は「男子厨房に入るべからず」が由来とのこと。

↑ 印刷証明付き部数変化率(食・料理・レシピ系、前年同期比)(2019年4-6月)
↑ 印刷証明付き部数変化率(食・料理・レシピ系、前年同期比)(2019年4-6月)

今期では1誌がプラスで残りはマイナス。誤差領域超えのマイナスは4誌、「レタスクラブ」「きょうの料理」「きょうの料理ビギナーズ」「上沼恵美子のおしゃべりクッキング」。

唯一プラス誌となった「dancyu」だが、2015年1-3月期をピークに大きな伸びを示した後に失速、それ以降は10万部強の部数を維持している。むしろもみ合いを見せながら少しずつ底上げしている感すらある。

↑ 印刷証明付き部数(dancyu、部)
↑ 印刷証明付き部数(dancyu、部)

落ち着いた高級感の雰囲気を覚えさせる表紙や内部デザイン、とことんこだわりを見せる美食への追及、身近なテーマで憧れを覚えさせる料理達への誘い、さらに憧れのメニューが自分でも作れるレシピの紹介と、食に興味を持つ男性へのアピール感がフルスロットルの一冊となっている。出版不況のさ中において、さらに電子版も並行販売されているにもかかわらず、この部数の維持度合いは評価に値できるものといえよう。

まだまだ厳しいエリア情報誌、だが


エリア情報誌。スマートフォンのGPS機能を活用して地図を確認しながら、さまざまな周辺環境の状況を確認していくのが当たり前となった昨今では、かじ取りが極めて難しい状態。

↑ 印刷証明付き部数変化率(エリア情報誌、前年同期比)(2019年4-6月)
↑ 印刷証明付き部数変化率(エリア情報誌、前年同期比)(2019年4-6月)

↑ 印刷証明付き部数変化率(エリア情報誌、万部)(2019年4-6月)
↑ 印刷証明付き部数変化率(エリア情報誌、万部)(2019年4-6月)

↑ 印刷証明付き部数(東京ウォーカー・関西ウォーカー、万部)
↑ 印刷証明付き部数(東京ウォーカー・関西ウォーカー、万部)

今期では「東京ウォーカー」のみがプラスで、それ以外はマイナス。

四半期単位の動向を見るに、「東京ウォーカー」「関西ウォーカー」は2015年に入ってから下げ幅を縮小した、横ばいに転じたそぶりも見せたが、その後再び下落に。特に「東京ウォーカー」の下げ方が顕著。ところが「東京ウォーカー」は2018年10-12月期で大きな跳ねを示した。

これは【崖っぷち「東京ウォーカー」は刷新で再起可能か?(読売新聞)】にもある通り、2018年11月号から大幅なリニューアルを図ったことによるもの。表紙のデザインが一新したことからも分かる通り、これまでのグルメやお出かけ情報以外に住まいやお金、コミックエッセーなど若年層向けのコンテンツを増やし、「東京は、一人でも楽しい」をコンセプトに掲げるようにした。2018年10-12月期は心機一転ということで増部刷りをしたのだろう。それ以降は今期も含め部数は安定化しており、とりあえず下げ基調にはストップをかけられたようだ。一方で今期では「関西ウォーカー」もこれまでとは異なる部数動向を示しており、今後の動向が気になるところ。

今期では前年同期比は示されていないものの、【横浜ウォーカーと九州ウォーカーが再度月刊化】にもある通り、同系列のエリア情報誌として「九州ウォーカー」が再登場する形となり、実際に2019年1-3月期以降は「九州ウォーカー」が部数を再公開する形になった(以前は2009年1-3月期で公開終了)。今後継続して公開されることになれば、前年同期比の上でも精査を行うことになる。

全般的に軟調なエリア情報誌だが、今後観光に係わる動機づけがプラスの方向に働くのは容易に想像できるので、紙媒体ならではのメリットを活かす施策を盛り込めば、あるいはエリア情報誌の苦境からの回復も有り得よう。見方を変えれば、この好機を逃せば、中長期的な回復は難しいともいえる。編集・取材の経費が多額に及ぶ雑誌のスタイルを鑑みると、存続そのもの危機ですらある。「東京ウォーカー」のリニューアルが吉と出るか凶と出るか、今後のエリア情報誌全体の試金石的存在でもあるだけに、大いに気になるところだ。

なおウォーカーシリーズはすでに電子化されており、そちらに読者の一部を食われている可能性はある。利便性を考えれば、電子版の方がはるかに使いやすいこともあり、是非とも利用者数を知りたいところなのだが。

愛玩動物として筆頭に挙げられる、犬と猫をテーマにしたペット専門誌「いぬのきもち」と「ねこのきもち」。書店での一般売りは無く、通販専用の雑誌。書店のレジでサンプルが配されていることが多く、その表紙からわきあがる愛らしさに惚れた人も多いはず。

↑ 印刷証明付き部数変化率(いぬのきもち・ねこのきもち、前年同期比)(2019年4-6月)
↑ 印刷証明付き部数変化率(いぬのきもち・ねこのきもち、前年同期比)(2019年4-6月)

↑ 印刷証明付き部数(いぬのきもち・ねこのきもち、万部)
↑ 印刷証明付き部数(いぬのきもち・ねこのきもち、万部)

「いぬのきもち」「ねこのきもち」発行元のベネッセにおける大規模情報漏えい問題に絡み、部数を大きく減らした2014年からはすでに数年が経過している。「ねこのきもち」はほぼその時の下げを回復するレベルにまで復調し、その後の下落も緩やかなスピードだが、「いぬのきもち」はリバウンド後に失速し、さらに減少度合いは加速気味。結果として犬猫で大きく異なる結果が出てしまっている。ここ半年ばかりの間は「ねこのきもち」が持ち直しを見せ、今期では「いぬのきもち」も前期比でプラスを示す動きを見せたのが気になるところ。

以前【猫の飼育数は犬を上回る現状】でも伝えたように、関連団体による試算ではあるが、日本国内のペット数動向では犬が減少し猫には大きな変化は無いとの結果が出ている。両誌の動向もそれに連動した動きと考えれば納得がいく。

直近では「いぬのきもち」が約6.7万部、「ねこのきもち」が約8.1万部。ペットとしての犬猫の需要にも浅からぬ関係があるだけに、大いに注目したい。

残るは一誌…幼稚園・小学生向け雑誌


最後に小学生向けなどの雑誌。「小学●年生」スタイルの雑誌は半年前の時点では「小学一年生」と「小学二年生」のみだった。かつて存在していた「小学三年生」などはすでに休刊。そして【小学二年生の休刊が公式に発表、残るは小学一年生のみ】でも伝えたが、2016年12月発売号をもって「小学二年生」が休刊となり、残りは「小学一年生」のみ。代替誌的な存在として「小学8年生」が不定期刊として発刊されているが、これは印刷証明付き部数の上で確認できていない。そこで幼稚園向けの雑誌も合わせての精査となる。

昨今では少子化に加え、競合的立場にある各種教材も含めた通信教育的なサービスが好評を博し、厳しい値が出るのが常だったのだが、「妖怪ウォッチ」特需が発生し、各誌とも大きくプラスを計上する期が続いた。しかしその特需も終わり、今はむしろその特需の反動期が到来している。

↑ 印刷証明付き部数(「小学●年生」シリーズ+α、前年同期比)(2019年4-6月)
↑ 印刷証明付き部数(「小学●年生」シリーズ+α、前年同期比)(2019年4-6月)

今期では「小学一年生」「幼稚園」が誤差領域を超えるプラス、「学習幼稚園」が誤差領域を超えるマイナス。極端な結果が出ている。特に「幼稚園」は部数動向の上でも明らかに跳ねた動きを示している。これもひとえに毎号のように繰り出される話題性にあふれた付録によるものだろう。今期では「ガチャマシン」「やきにくリバーシ」「アイスじはんき」といずれもインターネット上でも大いに話題に上った付録達が名を連ねている。
↑ 印刷証明付き部数(幼稚園、万部)
↑ 印刷証明付き部数(幼稚園、万部)

婦人誌の一部が付録をメインとして大きなセールスを挙げている実情を見るに、小学生向け雑誌が似たような方向性を示すのもあながち間違いとは言えまい。とはいえ、雑誌のかじ取りには十分な注意を払わないと、小学生向けという主旨が揺らいでしまいかねないのは言うまでもない。



今記事では多様なジャンルを網羅していることもあり、多様な変動が見受けられるが、複数か所で変化を覚えさせる流れが見受けられる。その流れは多様だが、中期的な方向性が見える動きなだけに、今後の動向には大いに注目したい。

元々一般雑誌の多くはすき間時間を埋めるために用いられることが多く、現在はスマートフォンに代表されるモバイル端末に役割を奪われている。駅売店の雑誌コーナーにおいて、言葉通り飛ぶように一般週刊誌が売れ、駅ホームなどのゴミ箱や電車内の棚に読み捨てられた多数の雑誌が目に留まる情景は、もはや過去のものとなっている。

他方、本文でも言及しているが、今ジャンルでも多分に電子化が行われており、電子版に読者が奪われたため、今件の紙媒体としての印刷部数が減っている可能性はある。単に紙媒体部数が減っているだけのか、雑誌そのものの訴求力が減っているのか、見極めが難しいのが実情ではある。

ともあれ今後はそれぞれの雑誌が自らの立ち位置を明確に分析し、得意な分野、手法で読者の需要をつかんで離さず、さらにその手を広範囲に広げる発想が求められよう。


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