ソフトハード合わせて国内市場規模は3867億円、プラスダウンロードが168億円…CESA、2017年分の国内外家庭用ゲーム産業状況発表(最新)

2018/07/27 04:41

2018-0726社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)は2018年7月23日、「2018 CESAゲーム白書(2017 CESA Games White Paper)」の発刊を公知するとともに、2017年における日本国内外の家庭用ゲーム(据え置き型に加えて携帯型も含む)市場の概要を発表した。それによると2017年の日本国内ゲームメーカーによる家庭用ゲームの市場規模(ハードとソフト双方)は3867億円であることが分かった。またそれとは別にダウンロードゲームソフトウェア市場は168億円であると推計されている。今回は発表されたデータを基に、各種状況を確認していくことにする(【発表リリース:「2018CESAゲーム白書(2018CESA Games White Paper)」発刊!】)。

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国内外市場規模としてのハード・ソフト別金額動向


CESAゲーム白書内では各種詳細なデータが記述されているが、誰もが閲覧できるリリース上では、ごく一部のみの値が明らかにされている。また2014年発表分(2013年分データ)からは2013年発表分(2012年分データ)までのように出荷額と市場推計規模では無く、市場規模のみを掲載、さらに調査手法、設定、定義などを大幅に変更したため、2013年分以降のデータとそれ以前との単純比較はできなくなっている。2012年分までの累計データは【国内5000億円割れ・額面上で縮小続く市場…2012年の家庭用ゲーム総出荷額は1兆2334億円】を参考のこと。今回発表された2017年分は、新様式としての5年目の計測値となる。

まずはソフト・ハード別の市場規模。全体に占める比率も算出できるので、そちらもグラフ化を行う。なおこれらのグラフ上の値は、すべてリリースからの数字を基に再計算をしているため、末尾1ケタの値がリリース上のと異なる場合があることに留意してほしい。また、日本国内のソフトにはパッケージソフト1942億円に、ダウンロードゲームソフトウェア市場168億円を加算してある。

↑ 家庭用ゲーム市場規模(ソフト・ハード別、国内外合計、億円)
↑ 家庭用ゲーム市場規模(ソフト・ハード別、国内外合計、億円)

↑ 家庭用ゲーム総出荷額比率(ソフト・ハード別、国内外合計)
↑ 家庭用ゲーム総出荷額比率(ソフト・ハード別、国内外合計)

基準変更後のみのデータを抽出したため、多少間が抜けたグラフとなってしまった。2013年では大きく影響しそうな据え置き型ハードとしてはプレイステーション4が2013年11月15日から海外で、Wii Uが2012年11月から12月にかけて世界各国で発売されているものの、ハードによる市場規模は約4割に留まっている。他方2014年では日本で2014年2月22日からプレイステーション4が、2013年11月22日からは日本を除く世界各国でXbox Oneが、日本では2014年9月4日から発売されている。また携帯型ハードとしては、2014年には10月に日本で、11月にはオーストラリアで相次ぎNewニンテンドー3DS(LL)が登場しており、これが大きな底上げの材料となっている。

2016年では2015年に続き据置型では(当時の)現行世代機のWii U、プレイステーション4ともに新世代機への展開は無く、ソフト・ハード双方とも前年から下げ幅は大きなものとなった。そして直近となる2017年では、Wii Uの後継機にあたるNintendo Switchが3月に発売され、大いに市場は盛り上がり、ハードの市場規模は前年比で拡大。ソフトの売上の減少ぶりも最小限に留まった。結果、ハード対ソフトの市場規模比率は半々近くにまでハード側が伸びる形となった。

国内外別の市場動向


続いてソフト・ハードを合わせた国内外別の動向。こちらも全体に占める比率も当方で独自に算出し、ともにグラフ化を行い精査対象とする。

↑ 家庭用ゲーム市場規模(国内外別、ソフト・ハード合計、億円)
↑ 家庭用ゲーム市場規模(国内外別、ソフト・ハード合計、億円)

↑ 家庭用ゲーム市場規模比率(国内外別、ソフト・ハード合計)
↑ 家庭用ゲーム市場規模比率(国内外別、ソフト・ハード合計)

海外の市場規模の大きさが改めて浮き彫りとなる結果が出ている。2017年は2016年と比べ国内外ともに市場規模は拡大したが、全市場に占める日本の市場比率は1.1%から12.6%と、1.5%ポイントの拡大を示す形になった。

日本の家庭用ゲーム市場の縮退が一目でわかるのが、今回の各種公開値をひとまとめにしたもの。同一基準で比較できる値が今回の2017年分も含めて5年分の経過のみだが、日本の市場規模の動向も併せて一目瞭然。

↑ 家庭用ゲーム市場規模(国内外別、種類別、億円)
↑ 家庭用ゲーム市場規模(国内外別、種類別、億円)

日本ではハード・ソフトともに規模縮小を続けているが、2017年ではハードが飛躍的に増加。いかにNintendo Switchが日本国内のゲーム市場に火をつけたのか、その実情が分かる。そのNintendo Switchの火は海外でも同様で、ハードが大きく飛躍している。

もっともそのNintendo Switchのパワーもソフト市場にまで同様の威力は及ばなかったようで、日本ではソフト市場も前年比でプラスを計上したものの、海外ではマイナスのまま。他方、日本国内に限ればダウンロード市場は前年比で大きく伸び、計測史上最大の値を示すなど、興味深い動きを示している。



家庭用ゲームの国内市場規模に関して2017年は2016年と比べ、Nintendo Switchの発売により、大きな躍動を見せた年となったのは言うまでも無い。特にハード市場の拡大ぶりは注目に値する。もっとも、これだけ新ハードが大きな売上を計上しても、ソフト市場の伸びが今一つ、海外に至っては前年比でマイナスを示しているのは、家庭用ゲーム市場が難しい局面にあることを認識するのには十分な材料に違いない。そしてそれが、主な客層である若年層における急速なスマートフォンの普及が最大の原因であることは明らか。

同プレスリリースでもさり気なくスマートデバイス(スマートフォンおよびタブレット型端末)のゲームアプリ市場規模の推計値が出ているが、それによると日本国内だけで2017年では1兆3192億円。2016年は1兆1699億円だったことから、約13%もの成長ぶりを見せている。またこの額は日本国内の家庭用ゲームにおけるソフト・ハード、さらにはソフトのダウンロードを合わせた市場規模の約3.3倍に相当する。

有力タイトルも多数発売されている。2017年に限っても、ミリオンセラーは6タイトルも登場しており(100万本以上の出荷。同日発売で別バージョンのものは複数で1タイトルと換算)、決して勢いが減じているようには見えないのだが、総売り上げが落ちている現状からは、二極化と全体の縮小が同時に起きている感はある。

家庭用ゲーム機ならではの面白さ、楽しいひととき、話題を提供する機会はまだまだ多分にあり、スマートフォンやタブレット型端末にゲーム領域のすべてを家庭用ゲーム機が奪われるとは考えにくい。家庭用ゲーム機ならでは、家庭用ゲーム機だからこそできることも多い。

家庭用ゲーム機が市場、需要の動向を見極め、今後いかなる進歩を遂げ、形を変えていくのか。そのかじ取りの仕方により、今後の規模の縮小・拡大の動き方も変わってくるのだろう。

一方で「ポケモンGO」の展開のように、家庭用ゲーム機メーカーも積極的にスマートフォンなどへのソフト提供へのかじ取りを見せる動きもある。少なくとも今後数年において、家庭用ゲーム機業界は、これまでとは異なる変化を見せるに違いない。それはデジタル系のエンタメそのものの変化とも表現できよう。


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