炎上やハラスメント、大学選択にどれほど影響?

2014/08/11 15:30

特定の権限を用いて必要以上、常識的な観点では想定できないような物事を強要する、あるいは我慢させることを概してハラスメントと呼び、昔から社会問題化されてきた事象である。一方でインターネットの普及に伴いコミュニケーションが多様化するにつれ、その過程の中で多方面から非難を浴びるような状況と化した、あるいはそのような事態に陥る事案が露呈することを炎上と呼ぶ。いずれにせよ、対象となる存在への信頼感が薄らぐ状況には違いない。それでは大学でそれらハラスメント行為の実態が見聞きされたり、不祥事や炎上行為が発覚した場合、受験生はどのような想いをいだくのだろうか。受験意思決定にどれほどの影響が生じ得るのか。ネットエイジアが2014年7月24日に発表した報告書【大学選びに関する調査2014】から、その現状を探ることにする。

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女性が高めな「ハラスメントのうわさで志望意欲減る」


今調査は2014年6月19日から25日にかけて携帯電話によるインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1167人。そのうち463人は高校生・浪人生で大学などへの進学を志望している人、残りは現在大学生・短大生。

大学とて人間の集まりである以上、何らかの不祥事やハラスメント行為発生の可能性はある。ハラスメント行為が表ざたになることは滅多にないが、噂はよく見聞きされる。その噂が確かなものか否かは別とし、そのような噂があった場合、また大学教授や教員、さらには昨今よく見聞きするように学生が不祥事や炎上騒ぎを起こしたことが耳に入った時、進学希望者たちはその大学にどのような想いを抱くだろうか。たまたま自分の志望校だった場合、それでも行きたい気持ちに変化はないのか、それとも志望校から外すか、行きたくない気持ちになるのか。

それら各種問題行為を見聞きした場合、「絶対に行かない(志望校から外す)」「行きたくない気持ちになる」「行きたい気持ちは変わらない」いずれかの気持ちになるか、3択で選んでもらい、前者2つを「志望意識減退」としてその値を足したのが次のグラフ。例えば「アカデミックハラスメントの噂」は84.6%となっているので、進学希望者と現役大学生合わせて84.6%は「アカハラの噂が自分の志望大学に確認されたら、行く気が削げるか志望校から外す」と考えていることになる。

↑ 第一志望校に次の出来事が起きたらその大学に行きたい気持ちはどうなるか(進学希望者は第一希望校を決めている人限定、現役大学生は入学前を想定して)(志望意識減退率)
↑ 第一志望校に次の出来事が起きたらその大学に行きたい気持ちはどうなるか(進学希望者は第一希望校を決めている人限定、現役大学生は入学前を想定して)(志望意識減退率)

アカデミックハラスメント(研究活動の妨害、正当な理由が無い指導拒否)に対する反発は強く、拒否反応は約8割に達する。これに限らず女性の方が男性よりも敏感で、進学希望者よりも現役大学生の方が拒否感は強い。やはり実態として回答者の一部に、実在する状況を見聞きしている、そして実体験中の人もいるからかもしれない。似たようなハラスメントではアルコールハラスメント(飲酒や一気飲みの強要など)があるが、こちらは約7割。ただしこちらは学生同士の事象となることがほとんどで、学校側では対処が(アカハラと比べて)難しいため、学校の品位を下げてしまう状況としては、より難儀する話かもしれない。

ハラスメント行為と比べれば不祥事や炎上への認識は、やや許容的。それでも5割以上は志望意識を減退する。ハラスメント行為よりも不祥事・炎上の方が進学希望者と現役大学生との間に差が大きいのは、リアルな経験率が多いのと共に、自分が通っている大学において恥となる事象であることを深く認識しているからだろう。

「志望校から外す!」強い拒絶感は……?


上記グラフは「絶対に行かない(志望校から外す)」「行きたくない気持ちになる」の2選択肢を足した「志望意識減退」派。それでは強い拒絶感となる前者、「絶対に行かない(志望校から外す)」のみではどれ位の人がいるのだろうか。大学側としては死活問題足りうる数となるのだが……。

↑ 第一志望校に次の出来事が起きたらその大学に行きたい気持ちはどうなるか(進学希望者は第一希望校を決めている人限定、現役大学生は入学前を想定して)(志望校から外す率)
↑ 第一志望校に次の出来事が起きたらその大学に行きたい気持ちはどうなるか(進学希望者は第一希望校を決めている人限定、現役大学生は入学前を想定して)(志望校から外す率)

縦軸はあえて最初のグラフと同じ区切りにしてある。単独の事象で最終意思決定に等しい「志望校から外す」は少数派でしかないことが分かる。見方を変えれば、単独のアカハラが発覚し、その噂が広まるだけで、その大学への進学希望者の2割が減ってしまう可能性があることになる。不祥事・炎上の類は低めで、特に学生が発祥元ならば5%前後で済んでいるが、これらのトラブルは年に何度も連鎖反応的に生じることもあり、その結果が積み重なり進学希望の学生の腰を引けさせてしまうことは大いに考えられる。

進学希望者としては選択の際にこのような噂や事象を基に取捨選択を行うのは当然であり、納得のいく話(何しろ自分が対象となりうるかもしれないのだから)。一方大学側は、一部を除けば入学希望者不足が問題視されている状況であることを考えると、見過ごせない話ではある。

特に今件ではハラスメント関連は「の噂」との説明がついており、事実の露呈ではない時点でここまで強い拒否反応が生じてしまう。実体としての事象発生を極力防止すると共に、事実でない噂が広まったならば、それを否定するだけの力量と仕組みが求められよう。


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