2014年6月度外食産業売上マイナス1.8%・天候不順と日取りが足を引っ張る

2014/07/26 15:00

日本フードサービス協会は2014年7月25日付で、同協会の会員会社で構成される外食産業の市場動向調査における最新値となる、2014年6月度の調査結果を公開した。それによると同月の総合売り上げは前年同月比でマイナス1.8%を示すこととなった。消費税率改定による外食離れ懸念は払しょくされていたものの、記録的な大雨や昨年と比べて土曜日が1日少ないなどの日取りの関係で客数が減り、それが売り上げの足を引っ張る形となった(【日本フードサービス協会:発表リリースページ】)。

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今調査はファストフードやファミレス、パブレストランや居酒屋、ディナーレストラン、喫茶店などを対象としている。対象数は事業者数が228、店舗数は3万2355店舗。今月は前月と比較すると事業社数・店舗数共に増加している。

全業態すべてを合わせた2014年6月度売り上げ状況は、前年同月比で98.2%となり、1.8%の減少を記録した。これは先月から転じる形で4か月ぶりの下落となる。前年同月と比べると日取り(休日や土曜日の日数)の上では土曜日が1日少ないことからやや不利な環境下であることに加え、雨天日数は東京都で3日、大阪府では6日も多く、これが客足を遠のかせる形となった。

4月に消費税率が改定されてから今回月は3か月目に当たるが、前月、前々月の動向を見る限りではその税率改定で外食産業が受ける影響はほぼなかったように見えた。今回月の動向を見る限り、外食産業にとっては消費税率改定よりも日取りや天候の方が強敵のようだ。

業態別に動向を見ると、ファストフードは全体では前月から転じて4か月ぶりのマイナス(マイナス3.2%)。昨今では同部門で一番の軟調さを示す洋風(ハンバーガーチェーン店がメイン)は客数が雨天の影響を大きく受けてマイナス8.7%。高単価商品の投入の奏功で客単価はプラス4.2%を示すも、売上高をプラスに転じるまでには至らなかった(マイナス4.8%)。前月より状況は悪化しており、客数を取り戻すことが最優先課題であることが再認識される事態となっている。持ち帰り米飯/回転寿司も先月同様調子は今一つで、やはり客入りの悪さが目立つ(マイナス6.9%)。次々に新企画、特別キャンペーンを打ち出す様子は見受けられるが、客足を取り戻すまでには至っていない。

先日大手がメインメニューの新展開を行い話題を呼んでいる牛丼チェーン店を含む和風は、客数が前年同月比でマイナス3.8%と大幅減。一方で客単価はプラス6.0%と大きく伸び、結果として売り上げはプラス1.9%とプラス領域を維持する形。

ファミリーレストラン部門は全体の売上が1.5%のプラス。前回月のプラス6.2%からは大きく後退。こちらも客足の悪さ(マイナス0.8%)が響いている。焼き肉は相変わらず順調で客数・客単価共にプラスだが、洋風と中華の客数が今一つ。

パブ/居酒屋部門では元々不調な居酒屋、雨の影響を大きく受けるパブ・ビアホール共に大きく値を落としている。特に居酒屋の減退ぶりは顕著で、売上高はマイナス8.8%と各部門中最悪の値を示している。

↑ 外食産業前年同月比・全店データ(2014年6月分)
↑ 外食産業前年同月比・全店データ(2014年6月分)

消費税での
外食びかえの懸念は
払しょくされたが
雨天と日取りには勝てず。
ファストフード洋風と
居酒屋の客離れは
深刻化
小売業界の中には消費税率改定の影響を受けるところも少なくない。例えばチェーンストアやコンビニでは、保存が利く・長期間利用できる商品、具体的には家電商品や洋服、たばこなどが駆け込み需要でまとめ買いされ、その反動が如実に表れている。さらに長期予報で先日まで冷夏予報がなされていたことも、消費にブレーキをかける形となっていた。

外食産業ではそれら「まとめ買い」や「冷夏予報」による消費控えも無く、ここ数か月のハードルを難なくクリアしていた感はあったが、さすがに相次ぐ雨天や日取りには勝てなかった。昨年同月(2013年6月分)における総売り上げはプラス3.6%だったことから、その反動も幾分はあるかもしれないが、やはり雨天による外出控えの影響は大きい。

7月はボーナス支給月に当たるため消費者の財布の紐もゆるくなることから、外食産業においても客入りの増加・消費金額のアップが期待できる。特に消費税率改定後初のボーナスタイミングとなるため、各小売業者側は今まで以上に気合いを入れており、それは外食産業でも変わるところが無い。また【松屋の牛めし、一部店舗で「プレミアム牛めし」に切り替え・価格は380円に値上げへ】で報じたように、ファストフード・和風大手で大きな環境変化が生じ得るメインメニューの変更が成されたため、その影響に大きな注目が集まる感は強い。

一方で先日から伝えられている通り、中国製チキンに関する問題で一部企業がメニュー差し換え・中止を行い、チキン商品全体へのイメージに影響が生じるなど、イレギュラーな事象も生じている。また7月もすでに上陸台風数1、接近台風数1をカウントしており、雨天の影響が懸念される。

消費税率改定絡みの影響こそ見られなかったものの、他の要因で大きな揺れ動きが生じている外食産業。ここ数か月の流れでは天王山的な意味合いを持つ7月の動向が、大いに気になるところだ。とりわけ洋風ファストフードと居酒屋部門が、どこまで回復できるかに注目したい。


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