気温上昇の遅れから衣料品の不調続く…2014年6月度チェーンストア売上高、前年同月比マイナス2.8%

2014/07/23 15:30

冷夏予想から一転して通常の気温状況、さらに西日本では平年より暑い夏を迎えそうになるとの長期予想が出て、夏商戦の動向が大きく変化しそうな昨今。消費税率引き上げによる駆け込み需要で大きな落ち込みを見せているチェーンストア(スーパーマーケットやデパートなど)業界だが、その業界団体である【日本チェーンストア協会】は2014年7月22日付で同協会公式サイトにおいて、チェーンストアの2014年6月度分販売統計速報(月報)を発表した。それによれば2014年6月は食料品が全般的に好調だったものの、衣料品は気温上昇の遅れから夏物関連の伸びが今一つとなり、住関品も伸び悩みを見せ、売上総額の前年同月比は3か月連続のマイナスとなるマイナス2.8%(店舗調整後)を記録した(【同協会内発表リリース一覧ページ】)。

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今データは協会加入の60社・9228店舗に対して行われた調査結果によるもの。店舗数は先月比で20店舗増、前年同月比で1120店舗増と大幅に増加している。売り場面積は前年同月比104.2%となり、4.2%ポイントの増加を示している。

各主要分野別では前年同月比でそれぞれ次のような値となった。数字はすべて店舗調整後(いわゆる「既存店」)。店舗の増減が売上に反映されて各店舗の実態を確認する際に状況が確認しにくくならないよう、昨年同月の時点では存在していない店舗の分を除いた値で算出されたもの。

■総販売額……1兆0605億8988万円(前年同月比97.2%、▲2.8%)

・食料品部門……構成比:63.2%(前年同月比99.3%、▲0.7%)

・衣料品部門……構成比:10.1%(前年同月比90.7%、▲9.3%)

・住関品部門……構成比:20.7%(前年同月比95.0%、▲5.0%)

・サービス部門…構成比:0.3%(前年同月比91.9%、▲8.1%)

・その他…………構成比:5.9%(前年同月比94.8%、▲5.2%)

食料品は相場高で
ほぼ前年並みにまで回復
衣料品は季節商材が不調
住関品も同様に季節ものが不調
食料品ではトマトやかんきつ類、うなぎ、焼きものなど一部で不調な品目もあったものの、概して相場高などで堅調な流れ。特記事項として「乳製品、特定保健用食品飲料、乳酸菌発酵飲料」が記述されており、この類の健康系食材に注目が集まっていたことが考えられる。一方で4月の税率引き上げに伴う駆け込み需要の影響はまだ根強く、備蓄性の高い調味料や冷凍食品、米、酒類などは不調な状態。

衣料品は半そでTシャツやカジュアル系は堅調、一部で良い動きを見せたものの帽子や日傘をはじめ夏もの系は全般的に不調に終わっている。住関品では珍しく特記事項として名前が挙げられるほど「携帯ゲームソフト」がよく売れたのをはじめ(「携帯」と特記されていることから、恐らくは6月後半に相次ぎ発売された新作タイトル、そして「妖怪ウォッチ2」の発売をひかえて再度セールスが伸びている「妖怪ウォッチ」によるものだろう)、小物や殺虫剤などはよく売れたが、制汗剤や日焼け止め、エアコンなど夏向け商材は全般的に不調。また液晶テレビ、レコーダー、電気自動車なども不調さが記述されている。これらの軟調さは「元々の不調」「消費税駆け込み需要の反動」「冷夏予想の影響」「6月の気温上昇の物足りなさ」という4つのマイナス要素によるものと考えれば道理は通る。

今回発表レポートには消費税率改定前の特需による反動の明記は無いものの、食料品の特異分野での軟調さなど、一部でなおその影響が強く残っていることがうかがえる。一方で景気ウォッチャー調査動向の記事でも指摘しているが、今夏における冷夏予想やそれを裏付けるような気温の低迷が生じた期間により、夏物商材の伸びが今一つだった状況が随所で見られ、今回月はその影響が大きく出た感はある。特に衣料品の下げ幅が全部門中で最大だった点を見ると、消費者の心理状況、消費性向に「冷夏」とのイメージが強く影響を与えていることが改めて認識できる。

一方、先月指摘したサービス部門(旅行関連やチケット販売など)の売上高だが、衣料品部門にはかなわないものの、今回月もマイナス8.1%と下げ幅は大きい。昨今では各コンビニの情報端末もますます高性能化・多機能化していること(本日ローソンでは自社端末で一般用医薬品(OTC医薬品)の注文購入が出来るようなシステムがスタートした)、スマートフォンやタブレット型端末の普及でインターネット通販を用いる人がさらに増加している状況が、小さからぬ影響として表れているようだ。

次回は7月分のデータとなるが、いわゆる夏期ボーナス商戦の真っただ中での数字が出ることになる。上記にある通り冷夏予想は取り消され、むしろ一部地域では例年より暑くなることが予想されるのに加え、ボーナス周りでは大きな需要期待があることから、衣料品や住関品での伸びが期待される。昨年7月分は天候不順で夏物肌着や家電商品が不調との営業成績が出ているため、その反動も合わせ、良い数字を期待したいところだ。


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