中国・習主席の外交は大よそ否定的、アフリカなど一部諸国では高く評価

2014/08/11 08:30

経済や文化などさまざまな方面に影響を与える国の外交施策は、その歴史的背景や位置関係、国民世論の他、その国のトップに付く人物の方針や思惑で大きく変化する。今回はアメリカの大手調査機関Pew Researchが2014年7月14日に発表した、アメリカを中心とした諸国の外交戦略とその手法に関する周辺各国の反応などを調査の上報告書にまとめた【Global Opposition to U.S. Surveillance and Drones, but Limited Harm to America’s Image】から、中国のトップにある習近平主席の外交施策について、諸外国の反応を確認していくことにする。

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アフリカや韓国、パキスタンなどでは高い評価。だが……


今調査は総計44か国を対象として2014年3月から4月に渡り、電話による対話、あるいは対面方式で18歳以上の人に対し行われたもの。有効回答数は各国とも約1000人。電話での調査ではRDD方式が採用され、また多くの国における調査結果では国勢調査結果によるウェイトバックが行われている。

次に示すのは調査各国の各国民の意見として、中国の習主席の外交姿勢について、国際情勢の観点で正しい行動をしていると見て、評価できるか否かを確認したもの。「大いに評価」「評価」の賛成派、「評価しない」「全く評価しない」の反対派、そして「分からない・無回答」の計5選択肢の中から選んでもらっている。要は今の中国の外交施策全般を支持するか否か、賛成か反対かという話である。

↑ 中国の習主席について、国際情勢に鑑み正しい行動をしているとして評価するか(2014年春)
↑ 中国の習主席について、国際情勢に鑑み正しい行動をしているとして評価するか(2014年春)

賛成派を青系統、反対派を赤系統で着色したが、ひときわ青の色が目立つのは中国自身。中国では自国の外交施策について絶大なる評価を与えている。賛成派が実に92%、反対派は5%でしかない。

全体的な色の印象としては意見留保を意味する灰色の面積が結構大きいことが第一に挙げられる。中国と緊密な関係にあるはずのパキスタンでは56%、他にもコロンビアの51%やペルーの41%、アルゼンチンの44%など、3割から5割の回答事例が多い。賛成的側面も反対的側面も認識した上で判断を留保している場合(パキスタンでは特にそうだろう)以外に、中国の外交政策そのものを知らずに「分からないので判断できない」とする事例が多いように思われる。

次の印象としては青系統より赤系統の色が目立つ、つまり賛成派より反対派の方が多い印象がある。その分中国自身やバングラデシュ、韓国、タイ、アフリカ諸国の値の高さが目に留まりやすい。同じ新興国が多い地域でも、南米が(「分からない」が多いのも一因だが)反対派の意見が賛成派を大きく凌駕していることもあり、アフリカ諸国の高い値はいっそう目立つ形となる。

中東諸国では反対派はそこそこ賛成派に近い値を示しているが、西欧諸国では低めの値が出ている。特にトルコの低さは注目に値する。

日本の結果もある意味際立っている。反対派は87%で意見留保は7%、そして賛成派はわずか6%。さらに44か国中唯一「大いに評価」の値が統計値の上ではゼロ%となっている。尖閣諸島や東シナ海のガス田をはじめとした各地域での領空・領海侵犯や各種の威圧行動の「評価」の結果といえよう。

「留保」をのぞいて意見表明者のみで再計算


今件のような設問では無回答・意見留保も立派な意見ではある。一方、明確な意志表示をしている人における肯定派の割合も気になるところ。そこで明確な意見を持つ人において、どれほどの人が賛意を示しているのか、あるいは反発をしているのかを算出することにした。意見留保・無回答者を除外し、賛成派・反対派のみで全体を再調整し(つまり明確な意見を表明した人のみで)、その上で賛成派のみをカウントした結果が次のグラフ。

↑ 中国の習主席について、国際情勢に鑑み正しい行動をしているとして評価するか(無回答などを除いた意見表明派のうち、賛成派の割合)(2014年春)
↑ 中国の習主席について、国際情勢に鑑み正しい行動をしているとして評価するか(無回答などを除いた意見表明派のうち、賛成派の割合)(2014年春)

中国自身の高さは別として、パキスタンの値の高さが目に留まる。これは上記にある通り元々両国は非常に良い関係にあった(対インドという観点で「敵の敵は味方」的な面)のに加え、ここ数年ではさらに関係を強化し、エネルギー方面での関係を強化しているのが評価されている感はある。また上記にある通りアフリカ諸国での評価が高い一方、中南米を含めたアメリカ大陸全般、ロシア以外のヨーロッパ諸国からの評価は低めに留まっている。

アジア諸国では韓国やタイ、マレーシアの高めな値が目立つ一方、フィリピンやベトナムなど中国とは国境紛争に近い状態にある当事国でも、意外に高めの値が出ていることには注目すべきといえよう。



今件はあくまでも2014年3月から4月の時点における、国民ベースでの値。国際情勢、外交問題は日々大きく動いているため、現状でどのような動向を示しているのかは未知数。さらに今件は国民ベースでの話であるため、実際に国同士の外交方針とは必ずしも一致しないことに注意しなければならない。

一方で中国の外交施策が諸国からどのような評価を受けているのかを知るのには、十分参考になるのにも違いはあるまい。


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