色んな国の人に聞いてみた「個人的にアメリカや中国、そして日本って好き?」

2014/08/08 11:30

政府間の取り決めや団体単位、自治体同士の連携とは別に、国民感情として特定の国を好く・嫌うという思い・傾向はどの国でも存在する。その方向性は経済的な結びつき、周辺環境、歴史観、報道のされ方など多様な要素によって構成されるが、国の施策をも左右しかねない、重要なものには違いない。今回はアメリカの大手調査機関Pew Researchが2014年7月14日に発表した、アメリカを中心とした諸国の外交戦略とその手法に関する周辺各国の反応などをまとめた報告書【Global Opposition to U.S. Surveillance and Drones, but Limited Harm to America’s Image】からアメリカと中国、そして一部においては日本も合わせた国に諸外国の国民がどのような感情を抱いているかについて、確認をしていくことにする。

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アメリカと中国、どちらが好かれているか


今調査は総計44か国を対象として2014年3月から4月に渡り、電話による対話、あるいは対面方式で18歳以上の人に対し行われたもの。有効回答数は各国とも約1000人。電話での調査ではRDD方式が採用され、また多くの国における調査結果では国勢調査結果によるウェイトバックが行われている。設問により回答国数は異なり、また各国の事情で回答が成されていない事例もある。

次に示すのは、各国の回答者に尋ねた、「個人的感情としての」アメリカと中国に対する感情。「とても好き」「好き」「嫌い」「大嫌い」の4段階による好意度、そして「分からない」の合わせて5選択肢の中から1つを選んでもらい、そのうち「とても好き」「好き」を合わせた好意派の値を示したもの。要は米中に対する「好き度」。例えばドイツの場合対米51%、対中28%なので、約半数はアメリカのことが好き、約3割は中国のことが好きという次第。米中それぞれ別途回答しており、どちらか一方しか好意を示せないということは無い。



↑ 個人的に次に挙げる国は好きか(「とても好き」「好き」「嫌い」「大嫌い」「分からない」のうち「とても好き」「好き」の合計)(2014年春)
↑ 個人的に次に挙げる国は好きか(「とても好き」「好き」「嫌い」「大嫌い」「分からない」のうち「とても好き」「好き」の合計)(2014年春)

あくまでも個人的感情の結果によるもので、実際にそれぞれの国における外交的・経済的・文化的結びつきの度合いや、軍事的な対立度を示しているわけではない。しかし冒頭でも触れた通り国民感情は多分に各種情報や経済的な結びつきに左右されるため、各値がそれぞれの国における米中のポジションを概要的に表していると考えると、非常に興味深い。

差異は多種多様だが、西欧諸国は概してアメリカ寄り。ただしギリシャは中国への好意度が高い。これは先の財政破たんに伴い、中国が同国へ積極的な経済投資をしているのが原因。またロシアや中東地域では押し並べて中国の方が好感をもたれている。それだけにイスラエルのアメリカ好きが余計に目立つ。

東南アジアではインドネシアやマレーシア、パキスタンのように、歴史的背景や華僑の活躍などに伴い中国への好感度がグンと高まっている国もあるが、大よそアメリカの方が高い値を示している。特に日本やフィリピンの米中間の差は著しい。ベトナムも似たような状況だが、これは多分に対中感情の反動によるところもあるのだろう。

注目すべきは南米やアフリカ諸国の新興国。これらの国々への中国からの経済的アプローチは結構しられるところではあるが、それが功を奏しているのか、対中感情はかなり良い。ほとんどアメリカと変わらず、国によってはアメリカを追い抜くところもある。対中・対米感情がほとんど変わらない国が南米にちらほら見受けられるのは、アメリカにとっては危機感を覚える現状かもしれない。

プラス日本でどうだろう?


今調査項目では日本に対する意識も尋ねている。ただし設問設定国が対米・対中と比べて少ない(主に東南アジア諸国に対して尋ねている)ため、別途グラフを生成し直すことにした。

↑ 個人的に次に挙げる国は好きか(「とても好き」「好き」「嫌い」「大嫌い」「分からない」のうち「とても好き」「好き」の合計)(2014年春)(含む日本)
↑ 個人的に次に挙げる国は好きか(「とても好き」「好き」「嫌い」「大嫌い」「分からない」のうち「とても好き」「好き」の合計)(2014年春)(含む日本)

中国や韓国の日本嫌い、日本の中国敬遠傾向などは類似他調査でも良く見聞きする話だが、それ以外の国に関する日米中への感情がざっとではあるものの推し量れて興味深い。例えばバングラデシュは日米中すべてに同程度の好印象を持っている、インドネシアやタイ、ベトナム、マレーシアは米中よりも日本への好印象度の方が強いなどである。

そしてあくまでも今回の調査対象国に限った話ではあるが、中韓をのぞけば日本は多くの国から「そこそこ」な程度のポジティブな印象を持たれているというのも注目に値する。あくまでも国民感情レベルでの話だが、何か米中が関与する事案が発生した際、多くの国で日本は間に立って仲裁的な立場を取り得ることを意味する。

見方を変えれば八方美人的との表現も出来るが、そして外交的なやりとりには並々ならぬ努力が必要となるが、日本はこの立ち位置を最大限に活かす手腕と発想が求められよう。


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