米中ロ、自国民の「個人の自由」を尊重している…ように見えるのはどの国?

2014/08/06 15:30

社会体制の違いや文化的慣習、歴史的背景、その他さまざまな環境の変化により定義は多分に異なるものの、多くの人たちが安寧なる社会生活を営む上で欠かせない権利の一つとして認識しているのが、(公共の福祉などに反しない範囲での)個人の自由。しかし特定国における自国民の「自由」は、他国から見れば「不自由」にしか見えない場合もあり、また周辺他国よりも過酷な制限を課すことで体制を維持している国もある。それでは世界の大国として認識されている3か国、アメリカ合衆国、中国、ロシアは他国からは、どの程度各自の国民の「個人の自由」を尊重しているように思われているのだろうか。アメリカの大手調査機関Pew Researchが2014年7月14日に発表した、アメリカを中心とした諸国の外交戦略とその手法に関する周辺各国の反応などをまとめた報告書【Global Opposition to U.S. Surveillance and Drones, but Limited Harm to America’s Image】から探っていくことにする。

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今調査は総計44か国を対象として2014年3月から4月に渡り、電話による対話、あるいは対面方式で18歳以上の人に対し行われたもので、有効回答数は各国とも約1000人。電話での調査ではRDD方式が採用され、また多くの国における調査結果では国勢調査結果によるウェイトバックが行われている。設問により回答国数は異なり、また各国の事情により回答が成されていない事例もある。

今回スポットライトを当てるのは、該当国も含め、特定の3か国…アメリカ合、中国、ロシア…においてそれぞれの国の自国民の「個人の自由」が尊重されているように見えるか否か。回答する国の国民における該当国への印象、「個人の自由」の概念など多様な要素が絡むため、あくまでも一般論的、見方を変えれば該当国への信頼度を推し量る一要素的なものと考えれば良い(「個人の自由」が認められていなければ、その国への信頼度は落ちるのが常である)。





↑ 次の国の政府は自国民の「個人の自由」を尊重していると思うか(「思う」回答率)(2014年)
↑ 次の国の政府は自国民の「個人の自由」を尊重していると思うか(「思う」回答率)(2014年)

アメリカ・中国・ロシアを該当国としたこの調査で、唯一回答が無いのは中国における中国自身の「個人の自由」に関する部分。アメリカではアメリカ自身(63%)、ロシアでもロシア自身(57%)の回答があるにも関わらず、である。恐らくは国内の複雑な事情による配慮だと考えられる。

アメリカを該当国とした「個人の自由」の尊重に関する評価だが、前回調査の2013年分と比べると随分と下がっている。これは報告書によればNSAのスパイ活動に関する事件、いわゆるスノーデン事件が大きく影響しているとしている。しかしながらその影響を受けた上でも、アメリカが「個人の自由」を尊重していると評価する国は多い。

ただしばらつき具合をよく見ると、ある特性が確認できる。イレギュラーな動きもあるが、東南アジアの一部、アフリカ諸国、中東などではアメリカと中国との差があまり無く、さらには中国の方がアメリカよりも「個人の自由」を尊重していると回答する国もある(バングラデシュ、マレーシア、パキスタン、ケニア、タンザニア、ウガンダ)。その多くは「軍事的、政治的、経済的のいずれか、あるいは複数の要素で中国の強い影響圏にある」国に該当しており、中国のさまざまな外交戦略が成功裏に進んでいることを意味する。また一方で、アメリカの施策に反発を強めている国が多いのも事実ではある(特に中東にその傾向が強い)。

対ロシアの動向を見ると、中国やロシア自身においては「アメリカよりもロシアの方が『個人の自由』が尊重されている」との意見が大きく、ベトナムもそれに類している。またヨルダンやパレスチナなど、アメリカが浅からぬ関係をしている紛争地帯でもその傾向が強い。

日本はといえば、過去の調査も含め、アメリカに対しては8割以上を貫き続け、対中国は1ケタ止まり、対ロシアは1割から2割程度を維持している。



「個人の自由」の尊重は人権の尊重にも直結する話であり、その国の良し悪しを判断する要素の一つ足りうる。その意味では、各国の米中ロそれぞれの国との関係も透けて見える結果といえる。特に中東・アフリカ方面における中国への評価は注目に値するものといえよう。


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