女子高生は深夜ゼロ時から3時に2割近く…小中高校生の携帯利用時間帯事情

2014/08/01 14:30

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インターネットという無限に広がる世界、そしてその世界を有効活用してくり出される魔法のような魅力的コンテンツの数々で、老若男女を問わずスマートフォンなどの携帯電話の利用に夢中となる人が増えている。特に好奇心が旺盛で分別も大人ほどではない子供達に、熱中しすぎて日常生活に問題を起こす事例が後を絶たない。今回はそれらのトラブルのきっかけの一つになりうる、子供達の睡眠状況に関し、少々気になるデータを確認していくことにする。デジタルアーツが2014年7月14日に発表した、携帯電話(従来型、スマートフォン双方を含む。以下同)をいつ利用しているかについての動向を記したものだが、例えば記事タイトルにある通り、女子高校生の2割近くは深夜ゼロ時から3時までの間に、携帯電話を操作していると答えているのである(【発表リリース:≪未成年の携帯電話・スマートフォン使用実態調査≫小学校低学年の約7割が自分専用の端末を所有、女子高校生の約8割が望まないサイトが表示された経験あり】)。


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全体ではゼロ時過ぎの深夜帯利用は数%、朝食時と夕食後に多い


今調査は2014年6月20日から24日にかけて携帯電話(従来型・スマートフォンの少なくともいずれか一方)を持つ人に、インターネット経由で実施された。今件項目部分は小学生高学年・中学生・高学年の学校種類区分と男女区分で均等割り当てで行われており、有効回答数は618人。

次に示すのは調査対象母集団全体における、携帯電話の利用時間。仕切り時間帯毎に5分以上使った場合、その仕切りの回答に該当することになる。どの時間帯でも5分以上使っていない場合は「5分以上使用無し」となる。防犯のために持たされていたり、保護者との短時間による安全確認程度にしか使っていない場合がこれに該当すると考えて良いだろう。

↑ 従来型携帯電話・スマートフォンの利用時間帯(5分以上使う場合に該当)(小学校高学年-高校生)
↑ 従来型携帯電話・スマートフォンの利用時間帯(5分以上使う場合に該当)(小学校高学年-高校生)

携帯電話利用に関する調査でも類似の結果が出ていること、そして小中高校生の生活スタイルを思い返せば容易に理解はできるが、朝食前後の時間帯、そして帰宅してから夕食後の時間帯における利用頻度が高い。夕方以降漸増しているのは、終業時間が学年により異なるからだろう。また、日付が変わってゼロ時から午前3時までは7.4%、午前3時から6時までは2.4%が利用している。学校のほぼすべてが昼間展開されていることを考えると、かなり無理な時間帯での利用のように覚える。

一番利用期待が多いのは18-21時。夕食前後、多分に夕食後のリラックスタイムだろう。あるいは夕食後はそそくさと明日の用意を済まし、あとは就寝までずっとスマートフォンなどを操作しているのかもしれない。

男女で大きく異なる利用実態、そして後押しをするスマートフォン


続いていくつかの属性別の動向を確認する。まずは男女別・学校種類別。

↑ 従来型携帯電話・スマートフォンの利用時間帯(5分以上使う場合に該当)(男子、学校別)
↑ 従来型携帯電話・スマートフォンの利用時間帯(5分以上使う場合に該当)(男子、学校別)

↑ 従来型携帯電話・スマートフォンの利用時間帯(5分以上使う場合に該当)(女子、学校別)
↑ 従来型携帯電話・スマートフォンの利用時間帯(5分以上使う場合に該当)(女子、学校別)

小学生、中学生までは男女ともさほど変わりはない。深夜帯にはほとんど利用せず、朝方と夕食後の時間帯の利用が多い。男子の方がいくぶん利用性向が大きいぐらいだ。

ところが高校生になると状況が一転する。小中学生と比べて値が増える、つまり利用性向が大きくなることは男女共通だが、女子の方が伸びが大きく、しかも広範囲に渡る増加を示している。特に夕食後の動向が特徴的で、男子は18-21時から21-24時にかけて漸減していくが、女子は同一時間帯では変化が見られない。同一人物とは限らないが、18時から24時までの間、利用性向は変わらず、しかも8割近い人が利用している計算になる(もちろん3時間×2をぶっ通しで利用しているわけではないが、そのような利用スタイルの人も多分にいることは容易に想像できる)。

さらに深夜時間帯、ゼロ時以降の動きを見ると、男子は0-3時・3-6時でそれぞれ16.5%、1.9%だが、女子は19.4%・4.9%と大きく上乗せされた値を示している。記事タイトルでも挙げたが「女子高生の2割は深夜ゼロ時から3時までの間に携帯電話を操作している」、さらには「5%は3時から6時に操作をしている」となれば、その熱中ぶり、保護者視点ではあるいは異様な状況が理解できよう。

女子高生の多時間利用性向はアプリ、特にソーシャルメディアやチャット系への注力が要因だが、それに連なる形で、そもそも論として、スマートフォンを使っているか否かでも大きく左右される。

↑ 従来型携帯電話・スマートフォンの利用時間帯(5分以上使う場合に該当)(スマホ所有別)
↑ 従来型携帯電話・スマートフォンの利用時間帯(5分以上使う場合に該当)(スマホ所有別)

従来型携帯電話では「5分以上使用無し」が4割近く、利用時間帯がある場合もその回答率は低い。これは上記で説明している通り、防犯用として持たされている事例が多分にあること、そして長時間利用する、熱中できるサービスやアプリが少ないのが原因。むしろ表現としては逆に、スマートフォンには夢中になれるサービスが多分にあるから、利用時間帯が多時間に及ぶと表現した方が良いだろう。



大人の場合は深夜就労の事例もあるため、夜間の利用回答がそれなりに高い値を示しても大きな問題にはなりにくい。しかし小中高校生はそのような事例はまず無いため、深夜帯での利用は睡眠不足に直結する。実際、今調査対象母集団でも全体では6.5%、女子高生に限れば16.5%が「睡眠不足」を自覚している。自覚症状の無い事例を含めれば、もっと高い値を示すだろう。

携帯電話、特にスマートフォンの魅力に、つい夢中になってしまうことそのものは理解できる。しかしだからといって、無条件で許容していたのでは、大きなトラブルを引き起こしかねない。自覚をうながすのが一番だが、周囲の大人も積極的に働きかけることが求められよう。


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