小中学生、今何を習ってるか、そして将来何になりたいか

2014/07/20 19:30

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中学生以降は学習塾が主な習い事となるが、小学生のうちには情緒教育や芸術的センスの育成、体力の拡充、さらには子供同士の付き合いなどさまざまな理由から、アート・運動系の習い事に通わせる事例がある。英会話のGabaが2014年7月10日に発表した調査(【発表リリース:小中学生の教育とコミュニケーションに関する保護者調査】)でも、小中学生の習い事に関する調査項目が公開されており、現状における習い事の動向を知ることができる。今回はその具体的内容、さらには対象となる子供達が今見ている自分の将来像、つまり「将来何になりたいと言っているか」について確認していくことにする。


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今調査は小学生または中学生の子供(複数子供がいる場合は末子)を持つ20代から50代の男女(保護者)に対し、インターネット経由で行われたもので、有効回答数は1000人。回答者性別と子供の学校種類区分(小学生低学年・同高学年・中学生)、子供の性別区分でほぼ均等割り当て。調査会社はネットエイジア。

まずは回答者の子供が現在どのような習い事をしているか。実選択肢にはもっと多くの項目があったようだが、公開データは上位5位のみ。その中で最上位は、小学生低学年ではスイミング、小学生高学年では学習塾という結果となった。

↑ 子供が今どのような習い事をしているか(複数回答、上位抜粋)
↑ 子供が今どのような習い事をしているか(複数回答、上位抜粋)

小学生低学年においては、習い事として主流なのはスイミング。データを見て少々目を疑ったのだが、調査対象母集団の3割近く、28.0%が自分の子供をスイミングスクールに通わせている。30人のクラスなら、そのうち8人強がスイミングスクール通い。体育の授業においてアドバンテージを得られるだけでなく、健康増進など多方面の効果が得られるとはいえ、ここまでの普及率を見せている。

次いで多いのはピアノ。こちらは16.3%。男女別の値は公開されていないものの、恐らくは多分に女子によるものだろう。そして英会話、書道が続く。

昨今話題に登っているダンスは上位5位以内には無いものの、新学習指導要領に基づき中学生でダンスや武道が必修化されているため、これを受けてちまたでは小中学生にダンスを習わせる場があちこちで新設されている。来年以降も同じ調査が行われれば、恐らく上位陣に食い込む形で登場することだろう。一方、かつて習い事としては書道と共に知られていた「そろばん」は上位陣にその名前が無い。電卓、さらにはパソコンやスマートフォンなどのデジタル機器が普及し、存在意義も薄れ、そろばんそのものを知らない子供も多い中、仕方のない話かもしれない。

小学校高学年となると、中学受験の機会がある人はもちろん、そうでない子供も学校での勉強への注力度合いが増すため、学習塾に通わせる事例が増えてくる。約2割、30人クラスなら大体6人が学習塾通いとなる。スイミング、ピアノ、書道などはいずれも低学年と比べてその値を減らす。

中学生ともなるとスイミングスクールに通う事例はほとんど無くなり、ピアノや英会話、書道も1割を切り、ごく少数派となる。そして学習塾は3割を超える。小学生はアート・運動系、中学生になると学問一本やりという、学校に通う以外の補助教育部分での親子の(主に親の)考え方が透けて見えてくる。

将来何になりたい? 小中学生の想い


ある意味現在の習い事より興味関心が沸いてくるのが、次に示す「子供達自身が将来何になりたいか」という話。この類の回答は、回答時点での社会全体の風潮、子供の世界におけるトレンド、景気動向など多種多様な要素が反映され、非常に興味深い。

↑ 子供が将来何になりたいと言っているか(中学生、複数回答、上位抜粋)
↑ 子供が将来何になりたいと言っているか(中学生、複数回答、上位抜粋)

男子の最上位は「サッカー選手」、次いで「野球選手」とスポーツ系のプロ選手が続く。そして両者間の現在における子供(男子)の間における人気度合、あこがれ度がそのまま象徴されているようで、その順位と回答率まで合わせ、大変参考になる値ではある。次いで「エンジニア」、さらには「公務員」が続く。

やや意外に思う人もいるかもしれないが、それに続くのは「電車・バスの運転手・運転士」。公開はされていないが恐らく上位陣に入っているであろう建機の操縦者などと並び、運転手系のお仕事は子供にとってあこがれの的であるのは、昔も今も変わらない。

一方女子は圧倒的な支持率を得ているのが「ケーキ屋・パティシエ」。4人に1人が将来の職として希望している。自分が好きなスイーツを創れる、ビジュアル的にもきれいな、デザイン的な要素が多分にあるところから、センスを活かした仕事でもあるため、こちらも昔から変わらず女子に人気の高い職種。それに続く「学校・幼稚園・保育園の先生」も、定番の職種ではある。

実際にどのような職に就くか、それがより具体的に見えてくる、指針を示して行動するようになるのは、多くは高校生になってから(一部は自ら望んだ職を追及するため、中学卒業後に専門の学校に通う場合もある)。高校生に対して同じような質問をしたら、どのような結果が出るのだろうか。そのような趣旨の調査結果を確認できる機会があれば、紹介・解析したいものだ。


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