親子の対話、何が話題? 一番は友達の話、勉強や成績、テレビ番組では無く……

2014/07/20 14:00

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昨今では親子間のコミュニケーションが希薄になりつつあるという懸念がそこかしこで聞かれるようになった。個人の尊重、共働き世帯の増加、一人遊びの環境が揃い、塾通いが増えて夕食の時間のタイミングも合わせにくくなるなど、理由は複数挙げられ得る。それではその親子の会話において、一体どのような内容が語られているのだろうか。テレビや漫画などではよく見かけるシーンではあるが、他世帯の実場面を見る機会はなかなか無いため、興味がそそられる話ではある。今回は英会話のGabaが2014年7月10日に発表した調査結果(【発表リリース:小中学生の教育とコミュニケーションに関する保護者調査】)から、その「親子の会話の中身」について、実態を確認していくことにする。


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「学校での出来事」が一番


今調査は小学生または中学生の子供(複数子供がいる場合は末子)を持つ20代から50代の男女(保護者)に対し、インターネット経由で行われたもの。有効回答数は1000人。回答者性別と子供の学校種類区分(小学生低学年・同高学年・中学生)、子供の性別区分でほぼ均等割り当て。調査会社はネットエイジア。

回答者自身における親子の会話の話題として、どのようなものがあるのかについて、複数回答で尋ねた結果が次のグラフ。最上位についたのは「(子供の)学校での出来事」で、86.8%。実に9割近くは親子の会話では、子供が学校で体験した事柄が語られるとしている。

↑ 子供との会話ではどのようなことが話題になるか(複数回答)
↑ 子供との会話ではどのようなことが話題になるか(複数回答)

子供にとっては一日の多分を占める時間を過ごし、数少ない外界・他人との接触場であり、新たな世界への門戸でもある学校生活。ルーチンワークのようでもあるが、そこで経験した出来事は毎日が新鮮なもので、喜怒哀楽すべての感情を体感しうる場に他ならない。そこでの出来事を語るのは、本人にとって数少ない「他人に自慢できる話」なのはもちろん、記憶の再整理、表現の修練にもつながり、さらに明日への架け橋にもなる。保護者は保護者で、子供の学校での挙動、成長を知ることができ、そして何かイレギュラーなことが子供にあった時に、そのシグナルを感じ取る機会でもある。

「学校での出来事」同様に学校と深い関係があるのは「友達」、そして「勉強・成績」。いずれも学校と連動しての事柄に他ならない。とりわけ夕食における親子の会話は、就業者にとっては一日の最後に提出する「業務報告書」的なものがあると考えれば良いだろう。

「テレビ番組」「マンガ・アニメ」「ゲーム」などは学校とは直接関係は無いが、子供が興味関心を抱いた内容について他人に表現する機会として、親子の会話が用いられることを意味する。子供の趣向を知る良い機会にもなるので、保護者は聞き流すことなく耳を傾けるべきである。

男女、学年別で変わる親子の会話の中身


これを子供の属性別に仕切り直すと、色々と内容も変化していく。まずは男女別。

↑ 子供との会話ではどのようなことが話題になるか(複数回答)(男女別)
↑ 子供との会話ではどのようなことが話題になるか(複数回答)(男女別)

概して女子の方が回答率が高く、女子の方が話題性に富んでいるようすがうかがえる。そのような中でも「ゲーム」「スポーツ」「マンガ・アニメ」は男子の方が高い値が出ており、小中学生ではこれらの話題に関して、男子の方が高い興味関心を抱いているように見受けられる。

「芸能ネタ」はともかくとして、「学校での出来事」「友達」の項目でも、女子の方がかなり男子を上回っている点は、少々意外ともいえる。子供においても男女間では女子の方が人間関係は複雑で、それだけ話す内容が多いのだろうか。

続いて子供の学年区分別。

↑ 子供との会話ではどのようなことが話題になるか(複数回答)(子供学年区分別)
↑ 子供との会話ではどのようなことが話題になるか(複数回答)(子供学年区分別)

進学するに連れて学校内での出来事も多様化、複雑化し、「学校での出来事」「友達」という基本的な話が話題に登ることは少しずつ減る一方、本格化する勉学についての話題「勉強・成績」が増えていく。また、「ゲーム」「マンガ・アニメ」などが減り、「部活動」「スポーツ」「芸能ネタ」「映画」のように、エンタメ系関連の話題も幅広いものとなっていく。特に「部活動」は中学に入ってから本格化すること、学校内では勉学同様に長い時間を費やし、さらに新たな交友関係を生み出すことから、多くの子供が話題に挙げている。

さらに「進路・将来」のように先を見据えた話、「事件・事故」「政治・経済」「恋愛・好きな人」といった、大人びた話についても、少しずつではあるが確実に、話題に登る人が増えている。保護者側も繰り返される子供との会話の中で、その中身、ジャンルが少しずつ変化するに連れ、子供の考え方、発想、周囲を見つめる視点の成長ぶりを知ることになるのだろう。


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