通信利用動向調査、オンラインでのアンケートを希望する?(2016年)(最新)

2016/10/27 05:05

これまで複数の項目に渡り、総務省が2016年8月18日に詳細値を発表した「通信利用動向調査」の公開値を基に、インターネット関連などのデジタル方面の現状をさまざまな視点から確認した。今件調査は先行する解説記事【自宅パソコンのネット接続回線の種類をグラフ化してみる】で説明の通り、一部はオンライン(メール)であるものの主流は郵送による調査票の配布及び回収の形式によって行われているが、これについて「インターネットでの調査にしても良いか否か」の問いも実施している。非常に興味深い結果が出ているので、今回はこの実情を確認していくことにする(【発表ページ:通信利用動向調査】)。

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冒頭で触れた通り「通信利用動向調査」は主に郵送調査票配布・回収方式で行われている。この方法ならば属性別のデジタルメディアの保有率の違いによるぶれを考慮しなくて済むため、より現実に近い値が期待できる。一方昨今ではスマートフォンをはじめとするインターネット接続機器の利用率が上昇しており、いわゆるデジタルデバイドをあまり気にしなくても良いのでは、との意見も広まりつつある。

それでは今「通信利用動向調査」においては、オンラインによる回答を希望するだろうか。現時点の調査対象に聞いた結果が次のグラフ。総数としては賛成派は1/4足らずに留まり、反対派は半数近く、意見留保が1/4強との結果となった。

↑ オンラインによる回答を希望するか(2015年末)
↑ オンラインによる回答を希望するか(2015年末)

インターネットを多用する20代から30代は賛成派もやや増え、意見留保派も増加する傾向にあるが、それでも反対派が多数派に違いは無い。ただし20代に限れば賛成派が多数派の結果が出ているのは興味深い。シニア層になると拒絶感は強まり、ほぼ2/3となる年齢階層もある。60代後半以降になると反対派は6割超えで、賛成派は1割前後にまで落ちる。

一方世帯年収別では、概して高年収ほど賛成派が増える動きを見せる。高年収は高年齢層であることが多く、連動性があるものの、デジタルメディアの利用普及率とも連動性があるため、今件では後者の方が強く働いているようだ。もっともそれでも賛成派は多数派とはならない。

インターネットに関する調査をメインに据えた「通信利用動向調査」で、インターネットによる調査を希望する人が少数にとどまる結果が出たのは、何とも皮肉な感はあるが、現状ではまだ抵抗感が強いのだろう。

仮に意見留保派がすべて賛成派に回ったとしても、反対派が多い属性は複数に渡る。総数でもほぼ同率。スマートフォンがある程度普及し、インターネットへのアレルギー的忌避感が弱まりつつある昨今ですら、この程度の数字でしかないのだから、公的機関におけるインターネット調査の本格的導入は、まだ難しいのかもしれない。あるいはデジタル系・インターネット周りの調査だからこそ、デジタルデバイドが生じないように、との考えで、希望しないと回答している事例もあるのだろう。

ただしインターネットが少なからぬ人にとって、回答ハードルの低い選択肢であることも事実に他ならない。今件「通信利用動向調査」や先に実施された国勢調査のように、回答選択肢の一つとして常設することが有意義であることは言うまでもあるまい。


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