他人が気になるネット経由でのお買いもの内容(2014年)(最新)

2014/07/15 15:00

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パソコンだけでなくスマートフォンやタブレット型端末が幅広い層に普及してインターネットの窓口が広がり、利用者人口が増えるに従い、インターネットがハードルの低いインフラとして認識され、そのインフラを用いる多種多様なビジネスも展開されるようになった。その一つがネット通販。カタログ通販のようにインターネットを物理物品の購入ルートとして使う場合と、デジタルデータを直接購入する事例、さらにはサービスの利用権を購入するパターンなど、多様な方向性があるが、いずれにせよインターネットを使ったお買いものには違いない。今回は総務省が2014年6月27日に発表した「通信利用動向調査」の公開値を基に、その「ネット経由でのお買い物内容」について現状を確認していくことにする(【発表ページ:通信利用動向調査】)。


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エンタメ系雑貨が一番


今調査の調査要項は先行する解説記事【自宅パソコンのネット接続回線の種類】で解説済み。必要な場合はそちらを参考のこと。

次に示すのは調査対象母集団のうち過去1年間にインターネットで何らかの物品、サービスを購入した人における、その具体的な内容(の上位陣抽出)。最上位には「書籍・CD・DVD・BD」といった、エンタメ系の雑貨がトップについた。

↑ 過去1年間にインターネットで購入した物品・サービス(15歳以上、インターネットでの購入経験者限定、複数回答、2013年末、一部)
↑ 過去1年間にインターネットで購入した物品・サービス(15歳以上、インターネットでの購入経験者限定、複数回答、2013年末、一部)

「書籍・CD・DVD・BD」は厳密にはデジタル配信されるものを除いている。音楽CDやアニメなどのDVD、多種多様な書籍が該当する。アマゾンや楽天、ヤフー、各大手書店ネットショップ経由で購入した経験がある人は多いはずだ。そしてほぼ同列に並ぶのが「趣味関連品」。これは具体的にはアクセサリー、楽器、スポーツ用品、玩具、自動車用品などが該当する。女性はアクセサリーなど、そして男女を問わず玩具(プラモデルやフィギュアなども当然含まれる)で一度ならずとも注文の経験をしているだろう。

「音楽(デジタルコンテンツ)」には着信メロディなども含む。音楽の再生がCDなどの光ディスクからデジタルデータによるものに移行しつつある昨今だが、データによる購入率も結構な値を示している。

気になる要素ともいえる「ネットゲームの料金・課金」「電子書籍」はそれぞれ8.5%、5.8%。特に前者は課金をしている人の様相が良く話題に登るが、全体から見れば利用者は少数のようだ。

属性で大きく異なる購入性向


これを回答者の属性で仕切り直すと、それぞれの属性の違いが表れてくる。まずは男女別。

↑ 過去1年間にインターネットで購入した物品・サービス(15歳以上、インターネットでの購入経験者限定、複数回答、2013年末、一部)(男女別)
↑ 過去1年間にインターネットで購入した物品・サービス(15歳以上、インターネットでの購入経験者限定、複数回答、2013年末、一部)(男女別)

概して男性の方が利用率が高い。つまり多方面でインターネットを介した商品購入を活用していることになる。特に「ソフト(含むゲーム)」「オンラインゲームの料金・課金」は男女差が大きく、いかに男性がこの分野でシャカリキになってプレイに没頭しているかが分かる。ネットゲームの課金周りに関する、驚愕すべき話の多くは男性によるものであることを思い返せば、納得はいくというもの。

他方「音楽(デジタルコンテンツ)」は女性の方が高い値を示し、女性の音楽好きがうかがえる。「書籍・CD・DVD・BD」でも男性の方が利用率が高いことも合わせ、利用メディアの特性が表れていることを示唆する動きとして、注目すべき内容といえる。

続いて世代別。

↑ 過去1年間にインターネットで購入した物品・サービス(15歳以上、インターネットでの購入経験者限定、複数回答、2013年末、一部)(世代別)
↑ 過去1年間にインターネットで購入した物品・サービス(15歳以上、インターネットでの購入経験者限定、複数回答、2013年末、一部)(世代別)

多くの項目で若年層ほど利用率が高く、歳を経るに連れて値は減っていく。15-19歳の値が低めなのは財力の問題に加え、決済手段が限られているのも一因だろう。とはいえ「音楽(デジタルコンテンツ)」は15-19歳層が最多回答を示しており、多くの高校生などが自分のスマートフォンで曲のデータを購入し、音楽聴取を楽しんでいるのが想像できる。

また「書籍・CD・DVD・BD」「趣味関連品」「ソフト(含むゲーム)」「オンラインゲーム料金・課金」などの複数の項目で、20-30代がピークとなっているのも興味深い。見方を変えると、ネットによる消費層はこれらの年齢が主流ということか。

さらに誤差の可能性があるが(70歳以上は人数が少ないのでイレギュラーの可能性がある。70代は124人、80歳以上は40人のみ)、一部回答項目でシニア層の値が跳ねているのにも注目したい。「書籍・CD・DVD・BD」「ソフト(含むゲーム)」などが該当するが、絶対数は少ないものの、この層の人達の消費性向を掘り起こす良いヒントにはなる。

利用端末の進化で喚起される購入性向


最後はインターネットへのアクセスの際に使う端末種類別。

↑ 過去1年間にインターネットで購入した物品・サービス(15歳以上、インターネットでの購入経験者限定、複数回答、2013年末、一部)(インターネット利用機器別)
↑ 過去1年間にインターネットで購入した物品・サービス(15歳以上、インターネットでの購入経験者限定、複数回答、2013年末、一部)(インターネット利用機器別)(世代別)

「その他」は家庭用ゲーム機やスマートテレビが該当し、絶対数は少ないためぶれの可能性もある。しかしこれらの端末の利用層がシニア層であることが多く、「パソコンやスマホは難しくてもテレビでなら……」という事例も十分考えられるため、この高率ぶりは注目に値する。

それ以外ではやはりスマートフォンやタブレット型端末による購入性向が高いことが目に留まる。特にタブレット型端末の値の高さはなるほど感を覚えると共に、驚きでもある。室内での機動力が高く、画面も広く見やすいため、商品やサービスの内容がよく把握できる。しかも操作はし易い。購入意欲が沸いてくるのも道理というものだ。



今件はあくまでも「インターネットでの購入経験者」に限定された値であり、各属性全体のものではない。例えばタブレット端末を持つ人の5割以上が「書籍・CD・DVD・BD」を買ったわけでは無いことに注意する必要がある。

とはいえタブレット端末などが多分にネットでの購入に使われ、好まれている傾向があるのにも違いない。今後通販などの面で、タブレット型端末は今まで以上に注目を集めることになるのだろう。


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