意外と相性のよいタブレット型端末やテレビ…利用端末別ニュースサイト利用率動向(最新)

2019/08/02 05:03

このエントリーをはてなブックマークに追加
2019-0722新しい、あるいは興味や関心を覚える情報を取得する際に、新聞やテレビと並んでインターネット上で利用されるのがニュースサイト。ソーシャルメディアの浸透、従来型メディアの進出、動画視聴環境の整備、インターネット利用端末の多様化など、周辺環境の変化に伴い、その利用状況も大きな動きを見せている。今回は総務省が2019年5月31日に詳細値を発表した「通信利用動向調査」の公開値を基に、インターネット利用端末毎などのニュースサイトの利用動向を確認していくことにする(【発表ページ:通信利用動向調査】)。


スポンサードリンク


今調査の調査要項は先行記事【自宅パソコンのインターネット接続回線の種類】で解説済み。必要な場合はそちらを参考のこと。また「ニュースサイト」に関する明確な定義づけは今調査では行われていないことから(調査票でも「ニュースサイト」との記載のみ)、回答者の判断で「ニュースサイト」と認識できるもの、つまり一般的に「ニュースサイト」と認識されているサイトが対象となる。個人やグループによる運営サイト、法人によるデジタルメディア企業によるもの、そして新聞やテレビなどの既存メディアが運営するニュースサイトまで含んでいると考えられる。

まず最初に示すのは、ニュースサイトそのものの利用実情。全体ではインターネット利用者のうち62.3%が利用していることになる。

↑ ニュースサイトの利用者(過去1年間でインターネットを利用した人限定、年齢階層別)(2018年)
↑ ニュースサイトの利用者(過去1年間でインターネットを利用した人限定、年齢階層別)(2018年)

未成年者の利用率は低く、成人に達すると利用率は上昇。そして30-40代でピークに達し、以後は漸減していく。この類の調査結果では定年退職を境に大きく値が減るものだが、今件では急激な下落は無く、なだらかな減少度合いに留まっている。定年退職を迎えても、少なくともインターネットを利用している人にとっては、ニュースに対する興味や関心の減少はあまり無いようだ。

これを男女別に見たのが次のグラフ。ニュースサイトの中身、特性別に区分すればもう少し違った値が出るのかもしれないが、今件はあくまでもニュースサイト全般に対する利用傾向のため、このような形となった。

↑ ニュースサイトの利用者(過去1年間でインターネットを利用した人限定、男女別・年齢階層別)(2018年)
↑ ニュースサイトの利用者(過去1年間でインターネットを利用した人限定、男女別・年齢階層別)(2018年)

男性ではピークが40-50代、女性は30代となっており、男女では男性の方がピークが遅い実情がつかみ取れる。また男性は30代以降は60代まで7割以上を維持し、20代以降維持し続けていた5割以上は80歳以上でようやく切る形となる。その80歳以上でも49.7%が利用している。

ところが女性はピークの30代以降はほぼ一様に利用率の減少が生じてしまっている(60代は60-64歳と65-69歳で細分化しているので、実際にはもう少し急な下げ方になるが)。60代後半で5割を切り、70代では約4割、80歳以上では2割を切ってしまう。他調査項目を確認する限りでは、女性の高齢層でも電子メールやソーシャルメディア、商品やサービスの購入・取引では積極的姿勢を見せていることから、女性は年上となるに連れてインターネットのサービス利用そのものに腰が引けていくのでは無く、単純に中年層以降の女性とニュースサイトとの相性がよくないことが想像される。あるいはニュースサイトに掲載される主な情報、例えば政治や経済への興味関心が薄れるのが要因かもしれない。

最後は利用端末別。これはそれぞれの端末種類でインターネットへアクセスしている人における、ニュースサイトの利用率を示す。例えばパソコンの値は71.5%と出ているので、パソコンを使ってインターネットにアクセスしている人の71.5%はニュースサイトを利用していることになる。

↑ ニュースサイトの利用者(過去1年間でインターネットを利用した人限定、インターネット利用機器別)(2018年)
↑ ニュースサイトの利用者(過去1年間でインターネットを利用した人限定、インターネット利用機器別)(2018年)

利用者の絶対数となるとまた別だが、各端末によるインターネット利用者にとっては、スマートフォンやタブレット型端末、そしてテレビとニュースサイトの相性がよいことが分かる。家庭用ゲーム機の値が低いのは、端末の機能そのものよりもむしろ、利用者自身のニュースサイトとの相性の問題だろう。

ちなみに利用者「数」で比率計算をすると、次の通りとなる。

↑ ニュースサイトの利用者(過去1年間でインターネットを利用した人限定、パソコンの利用者数を1.00とした時の利用者数比率、インターネット利用機器別)
↑ ニュースサイトの利用者(過去1年間でインターネットを利用した人限定、パソコンの利用者数を1.00とした時の利用者数比率、インターネット利用機器別)

テレビはニュースサイトとの相性はよいものの、端末によるインターネットの利用者そのものが少ないため、利用者数も少なくなってしまう次第である。また、パソコンよりもスマートフォンの方が、利用者数の観点でもニュースサイトを利用している人が多くなっているのには、驚きを覚える人も少なくあるまい。



海外の新聞社が運用しているニュースサイトに関する調査結果では、モバイル系端末、特にタブレット型端末との相性のよさが指摘され、注目を集めている。利用スタイルをイメージすれば理解納得はできるのだが(それこそ新聞のように持ち運んで利用できる)、今件データを見る限り、日本でもタブレット型端末の普及に連れて、似たような状況となることは容易に想像できよう。


■関連記事:
【スマホなどで3割近く、パソコン減少中だがその分をタブレット型端末が補完…メディア接触時間推移(経年変化)(最新)】
【大手二紙が群を抜く…米新聞の電子版登録者数(SNM2014版)】
【電子版の新聞購読率は6.5%、有料版に限れば2%足らず】
【電子端末で新聞が読めても、あなたは紙の新聞を買いますか?】
【「新聞の代わりに」6割近く…米のタブレット機でニュースを読む人の購読スタイルとシフト】

スポンサードリンク


関連記事


このエントリーをはてなブックマークに追加
▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2024 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー|Twitter|FacebookPage|Mail|RSS