いわゆる「ブラック企業」ってどんなイメージだろうか

2014/07/03 08:30

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ここ数年急速に広まった企業関連の造語の一つとして「ブラック企業」がある。色のイメージから容易に連想が付く通り、広義としては反社会的行為・違法あるいは不当行為を繰り返す企業、狭義としては従業員に必要以上(と思われる)負荷を与える企業を意味する。昨今では濫用されている感も否めないが、就職活動をしている就活生にとっては、非常に気になるキーワードの一つに違いない。今回は連合が2014年6月12日に発表した調査結果から、就活生あるいは直前まで就活生だった人たちにおける、「ブラック企業」という言葉のイメージについてまとめていくことにする(【発表リリース:就職活動に関する調査】)。


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今調査は2014年4月28日から5月7日に渡って、20歳以上25歳以下の男女で「就活生(就職活動経験ありの最終学年の大学生・院生)」「この4月から就職した社会人1年生」それぞれ500人、合わせて1000人に対してインターネット経由で実施されたもの。男女比は1対1。調査実施機関はネットエイジア。

単刀直入に「ブラック企業とは何ぞや?」との問いを投げかけ、用意された選択肢の中から当てはまるものを選んでもらった結果が次のグラフ。最上位には「残業代が支払われない」がついた。その割合、実に82.7%。

↑ 「ブラック企業」とはどのような企業だとイメージしているか(複数回答、上位陣)
↑ 「ブラック企業」とはどのような企業だとイメージしているか(複数回答、上位陣)

ほぼ同率で「残業や休日労働が多い」がついており、この2項目が8割超で圧倒的多数を占めている。労働時間が長く、しかもその超過労働に対する対価が(満足に)支払われない、つまりタダ働きの事例が多いことが、「ブラック企業」たる定義の最上位項目ということになりそうだ。

次いで多いのは「離職率が高い」で62.6%。ただしこれは直接の原因では無く、他の項目で例示されている事項事案により、就業継続に耐えられず離職してしまう人が多くなるという「結果」、あるいは「バロメーター」的なものに他ならない。これと似たような項目としては「大量に採用している」「採用広告を年中出している」なども該当する。

他の上位項目としては「ノルマが厳しい」「給与が低い」「福利厚生が未整備」、さらには「ハラスメント行為が日常茶飯事」などが挙げられる。いずれも「仕事をし易い環境」とは程遠い内容に他ならず、「ブラック企業」と呼ばれても仕方がない感はある。

一方、世間一般に多用されるキーワードとしての「ブラック企業」においても言えることではあるが、イメージされる際の項目について、基準が曖昧なのも否めない。無論「ハラスメント行為が日常茶飯事」「残業代が支払われない」など問題外のものもあるが、「残業や休日労働が多い」はどの程度までが許容範囲で、それ以上がブラック判定を受けるのか、「ノルマが厳しい」は本当にブラック判定を受けねばならないレベルのものなのか、「福利厚生が未整備」とは(法的要件を満たしていた場合)最強・最良のもの以外はすべてブラック企業と呼ばれねばならないのかなと、冷静に考え直してみると、首を傾げる面も多分に出てくることになる。

「ブラック企業」と一刀両断するのは極めて簡単に違いない。しかしその振り降ろした刀の先にあるものが、本当にブラックなのか否か、考える余裕位は持った方が良いのかもしれない。


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