2014年5月度外食産業売上プラス2.8%・消費税率改定の影響は見受けられず

2014/06/26 14:30

日本フードサービス協会は2014年6月25日付で、同協会の会員会社から構成される外食産業の市場動向調査における最新値である、2014年5月度の調査結果を公開した。その内容によると同月の総合売り上げは前年同月比でプラス2.8%を示すこととなった。消費税率改定による倹約志向から外食産業の低迷・売り上げ減退が懸念される声があったが、前回月同様それは杞憂に終わる結果が出る形となった(【日本フードサービス協会:発表リリースページ】)。

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今調査はファストフードやファミレス、パブレストランや居酒屋、ディナーレストラン、喫茶店などを対象に行われている。対象数は事業者数が221、店舗数は3万1820店舗。今月は前月と比較すると事業社数は変わらず、店舗数はわずかに減少している。

全業態すべてを合わせた2014年5月度売り上げ状況は、前年同月比で102.8%となり、2.8%の上昇を記録した。これは先月から継続する形で3か月連続の上昇となる。前年同月と比べると日取り(休日や土曜日の日数)の上では土曜日が1日多いことからやや有利な環境下ではあるものの、雨天日数は大阪府で前年と比べて3日も多く、その分はネガティブな材料といえる。

他方、冒頭でも触れた通り5月は消費税率改定後として2か月目にあたる月であり、そのネガティブな影響が心配されたものの、結果としては前回4月分同様、売り上げの減退は確認されなかった。デパートやコンビニでは5月時点で幾分影響が残っていることとの比較も合わせ、意外な結果といえる。これについてレポート側では「消費税増税を踏まえたキャンペーンやフェアに取り組み」とその理由を説明しており、懸念を払しょくすべく多方面に手立てを講じた結果によるものと分析している。

業態別に動向を見ると、ファストフードは全体では前月から続いて3か月連続のプラス(プラス1.3%)。昨今では同部門で一番の軟調さを示す洋風(ハンバーガーチェーン店がメイン)は客足が今なお戻らずにマイナス4.7%。高単価商品の投入が継続しその効果を受けて客単価はプラス3.9%を示すも、売上高をプラスに転じるまでには至らなかった(マイナス1.0%)。ただし前月より状況は改善しており、このままの動向で推移すれば来月にはプラスにまで持ち直しそう。持ち帰り米飯/回転寿司も先月同様軟調で、特に客入りの悪さが目立つ。業態の垣根を超えるような商品展開を新しい施策として大手が続々と展開しているものの、集客効果は今一つのようである。

ここ数年さまざまな動きが見られる牛丼チェーン店を含む和風は、客入数が前年同月比でマイナス4.5%と大幅減。一方で客単価はプラス7.7%と大幅に増加し、結果として売り上げはプラス2.9%と好成績を収めることとなった。

ファミリーレストラン部門は全体の売上が6.2%のプラス。前回月のプラス5.0%からさらに伸び率アップ。消費税率改定で一番の打撃を受けそうな感はあるが、実体としてはその逆で、客足・客単価共に堅調な伸びを示している。特に焼き肉と和風の売上高が6%プラスを超えており、中でも焼き肉はプラス11.2%と大幅増、客数に限ってもプラス8.7%と大幅な増加が目立つ形となっている。

パブ/居酒屋部門ではハブ・ビアホールは猛暑さながらの暑さを反映してか客入りは堅調な動きを示して売上もプラスに転じたが、居酒屋の不調さは先月同様。客数・客単価・店舗数・売上すべての項目で前年同月比においてマイナスを示しているのが痛々しい。

↑ 外食産業前年同月比・全店データ(2014年5月分)
↑ 外食産業前年同月比・全店データ(2014年5月分)

消費税での
外食びかえの動きは
売り上げ面では
確認ができず。
対応施策が奏功か。
ファストフード洋風や
居酒屋の不調は
なお続く。
デパート・スーパーやコンビニのように消費税率改定の影響で売り上げが落ち込む小売り業界も多々見受けられるが、外食産業では4月分、そして今回の5月分動向を見る限り、影響はほとんど無いものとして判断しても良さそうだ。節約が求められるような外部環境の際には、「外食控え」は節約の筆頭に挙げられることが多いため、懸念も大きかっただけに、意外な形に落ち着いたこととなる。ちなみに2013年5月度の外食産業全体の前年同月比はプラス3.3%。「前年同月が軟調だったため、その反動でプラス化した」との解説は筋道が通らず、今回のプラス値が純粋に売り上げ増によるものであったのは間違いない。この結果には多分に、消費税率改定による影響を明言した、あるいはあえて言及しない形で、売り上げアップを目指し、影響を払しょくするようなキャンペーン・施策を打ち出した、各企業の努力によるものであることを覚え留めおく必要がある。

一方で先日の【ミスド×モスのコラボ企画第三弾、ミスドがライスバーガーを作っちゃいました】【モス×ミスド企画第三弾・モスからフレンチクルーラーなバーガーが期間限定登場】にある通り、外食産業間で連動して企画を展開し、話題性を社会に訴えてお互いの集客を確保したり、【いちご、オレンジ、パイナップル、そしてホワイトチョコ…デニーズで新鋭パンケーキ4種類、6月10日から発売】で紹介したように時節に合わせて柔軟にメニューの刷新を図る動きを見せるなど、各企業とも手を変え品を替え、お客の目を引き付け、喜ばせるための施策を展開している。昨今ではソーシャルメディアやマルチメディア素材を積極的に用いるなど、デジタル面でのアピールも積極的なのは高く評価できる。

消費税率改定に伴う需要減退は、小売全体としては夏前後には落ち着きを見せる動きを示している。夏のボーナスの支給と、それに伴う消費の活性化で、停滞感が吹き飛ぶというものだ。それまでに外食産業において低迷が継続している洋風ファストフードと居酒屋部門で、状況の改善化が図られることを願いたいものである。


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